《異世界スキルガチャラー》パーティナイト・フィナーレ 1

三つの戦いは、こうして佳境にる。

まず、戦闘相手を行不能まで追い込んだ啓斗とヴェローナは、やられた方を助けるために咄嗟にく。

もちろん、中間の位置で睨みあうこととなってしまった。

「俺はルカを助けなければならない! そこをどけ!」

「貴方がどくべきです! ベネットさんを至急修理しなければ!」

「だが、俺はあのベネットとかいうアンドロイドに復活されるのは困るんだよ」

「おや、奇遇ですね。私もそこの龍のようなに傷を治癒されては面倒なんです。ロケットランチャーの弾は代わりがもうないので!」

互いに敵意を剝き出しにしながら怒鳴りあう。そして數秒睨みあった後、啓斗は【サウザンドダガー】を発して無數のナイフを展開、ヴェローナの周囲には突然大量の小型ビーム砲が飛來してきた。

「……どうやら、考えてることは同じみたいだな」

「そうですね、同じことを考えているというのは理解できます」

「……それじゃあ、お前を倒して先に進ませてもらうぞ! 邪魔だ!」

「返り討ちにして差し上げますよ! ベネットさんをお助けする邪魔立てはさせません!!」

無數のナイフがヴェローナに襲い掛かると同時に、ビーム砲から啓斗に向けてレーザーが発される。

ヴェローナはシールドを展開してナイフを弾き、啓斗の方は【トリプル・スピード】を駆使した回避でダメージを避けた。

「何なんですか貴方たちは!? ここまで人間を超えた能力を持った人間は見たことありませんよ!」

「……お前達から見たら、そうじるのか。まあ、どうでもいいが」

啓斗は冷靜に狀況を把握すると、【サウザンドダガー】のうち一本を摑み取り、【貫通力増強】を付與しながらヴェローナに近づく。

「……くっ! 背中にジェットを背負ってるわけでも、ブーストシューズを履いているわけもないのにこの移速度!」

「取り敢えずこの邪魔なバリアを破壊させてもらうぞ」

空中に浮遊している無數のナイフにも【貫通力増強】を付與し、手にしたナイフでもヴェローナの首筋めがけて攻撃する。

けたたましい金屬音とナイフが弾かれる音が響き渡り、最後には啓斗がヴェローナを押し倒して首元にナイフを突きつける構図になった。

「勝負ありだ。首を掻き切られたくなかったら大人しく気絶させられてろ」

「ふぅ……お強いのは認めますが、未ですね。こういう場面では相手の命をすぐに斷ってしまうのが賢明だというのに」

そう言うと同時に、ヴェローナが凄い力で啓斗の顔面を摑んで逆に押し倒し、そのまま屋上の床に向かって叩き付けた。

床にひびがるほどの強烈な衝撃を與えたと同時に、ヴェローナはベネットに向かって駆け出した。

一方、ミューズとレイラの戦闘は、ミューズにとっての窮地という局面になっていた。

「木端微塵に消し飛ばして差し上げます。お覚悟を」

「……弾魔。たしかにこの兵は強力だが、あまり過信しないことだ」

そう言うと、ミューズの眼が一層鋭くなる。

そして指を鳴らすと、赤く発する的のようなものが屋上中に配置される。無論、全て空中にだ。

「これは……?」

「知らないか。それもそうだな、これは今では私だけの特技だからな」

ミューズは、懐からワイヤーフックショットを取り出す。先程、ホテルから啓斗に向けて撃ち込んだものだ。

「わざわざかさばるジェットパックや裝備をに著けるより、限定された範囲で三次元的なきをしたいなら、コレで十分だ」

「この的……その銃……まさか!?」

「行くぞ、私を捉えてみるがいい!」

ミューズが一番近く、前方右上の的に向かってフックショットを撃ち込むと、高速でワイヤーが巻き取られてそのが宙に浮く。

レイラはミューズに向けて手榴弾を投げるが、ワイヤーの巻き取りの方が速く、風は當たらなかった。

「このワイヤーは最大まで巻き取ると自的に対象から外れるようになっている。よって、空中で勢を変化させられるだけの力とバランス力があれば、的と的の間を自由に移可能という訳だ」

次々とフックを撃ち込んで空中を移しながら、空いている方の手でレイラを銃撃する。既にレイラは回避できずに何発か被弾している。

「予想外の展開……仕方ありませんね、応援要請を行います!!」

レイラがそうぶと同時に、マスクに何やらホログラム畫面が表示される。

まだ、決著には至らない。

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。

(……ああ、鼓が聞こえる。私なんかじゃ抑えきれない、大いなる『大地の鼓』が)

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