《異世界スキルガチャラー》『超天才機械技師』ローグ
「く…………はっ!?」
啓斗は、妙にはっきりと目を覚ました。
確か自分は、〈ジャンクヤード・ジャンキーズ〉のリーダーを名乗る奴と出會って、いきなり嗅がされた吐き気をもよおすほどの甘い匂いによって気絶したはず。
しかし今、彼はフカフカとした椅子に座り、テーブルに向かっている。
目の前には、つい先ほどで追っていたヴェローナというが紅茶を飲みながらクッキーを食べている姿が映っている。
「ぐっ……!? 俺は、一!?」
「あ、目が覚めた? 待ってて、今呼んでくるから」
ヴェローナは自分が座っていた椅子を橫にずらし、紅茶とクッキーの皿もテーブル上で啓斗の目の前からし橫に置いた。
「おーい!! お客さん起きたよー!」
『はいはいー、今行くから待っとってー』
まだ啓斗が混の中にいる最中、視界の外から1人の年が姿を現した。
背格好から見て、現代で言えばまだ中學校を卒業していないんじゃないかと思われる年齢だろうか、年はニコニコとこちらに笑みを浮かべながら近づいてくる。
「どーも。いやー、まさか僕たちとあそこまで対等に渡り合うなんて驚きだよ。まあ、結果的には僕たちが勝ったけどね」
「…………」
「あはは、拗ねちゃってる? まあ無理もないよね、あんなに必死こいてジャンクヤードを疾走してきたっていうのに、結果がこれだ。君のお友達も今は助けに來れなさそうだし、絶的な狀況っていうのは理解してるよね?」
橫でのんびり紅茶を飲んでいるヴェローナをチラリと見やった後、笑顔のままで年は言葉を続ける。
「君がしがってるのは……これでしょ?」
年はズボンのポケットから、啓斗が今までに著けていた腕時計を取り出してテーブルの上に置いた。
啓斗も手をばせば屆く距離だが、そんな迂闊な真似はしない。
何故なら、視界の端でクッキーを一口かじっているヴェローナの左手に拳銃がしっかりと握られているからである。
「君はこの腕時計を取り返すためだけにベネットの義を破壊して、こんな所までヴェローナとレイラを追跡して來たんだ。その執念は認めてあげるよ」
「……で、俺と何か取引しようってことか? 俺を殺すつもりなら、眠ってる間にいくらでも首を切り落とせたはずだ」
「ハハ、流石に鋭いね。いやぁ、実はけっこう本気でこの腕時計を分析したんだけど、どうしてもただの腕時計としての機能以外を引き出せなかった。そんなを取り戻すためだけにここまで來たのか非常に気になるワケよ」
「……つまり、何が言いたい」
「一旦これは君に返す。その後に、とある『ゲーム』を君にしてもらう。それに勝てたら、無事にここから出してあげるよ」
腕時計をテーブル上でスライドさせて啓斗に寄越しながら、年は立ち上がる。その時、ヴェローナが橫目でこちらを見てニタリと笑ったような気がした。
その後、ヴェローナは拳銃をクルクルと回しながら部屋から出て行った(啓斗はヴェローナが出て行ったときに気づいたのだが、部屋にはドアがちゃんとあった)。
「ああ、そうだ。イイもの見せてあげるよ」
年がそう言って指を鳴らす。すると、部屋の壁が上にスライドして開いていき、奧の空間があらわになる。
「…………っっ!?」
「あはは、驚いた? そうだよね、初見じゃそうなるよねぇ」
そこには、無數の長方形型のガラスケースが並んでいた。
それ自はなんてことは無く、博館に行ったことがあれば誰でも見たことがあるようなものだ。
問題なのはその中に収納されている「モノ」だった。いや、モノというのは表現が微妙かもしれない。
ガラスケースの中には様々な服裝、勢をしたたちの巧な模型が……いや、模型ではない。恐らくはアンドロイドなのだろう、一定のきを繰り返している。
「フフ、可いもんでしょ。いつもはこんなじで保・管・し・て・る・んだ」
「……くっ、こんな……まさか……」
だが、啓斗が最も驚愕したのは、そのたちの顔立ちと的特徴が全員完全に同じであること。
鮮やかな赤い髪に、頭に生えた貓耳、服に開けられた専用のと思わしき所から出ている貓の尾。
啓斗たちを1度出し抜き、2度目もルカの暴走寸前の覚醒という代償を払って倒した、『ベネット・レッドクルー』が、まるで展示品のように並べられていたのだ。
「あ、ちなみに君たちが倒したベネットはけっこう使・い・古・し・て・て・ガタが來てたんだ。破壊してくれて正直助かったよ」
「あの強さだ……補修が効かないくらい特別製だと思ってたんだが、俺が甘かったか」
「もう彼は新しいに記憶データをインストールして再起したから、ピンピンしてるよ。後で會わせてあげる」
「このベネットのは、全部お前が……?」
「まあね、僕天才だから。マギクニカの國中に仕掛けた監視カメラも全部僕がガラクタから作ったし、パソコンとか通信機とかも自作さ。なかなか楽しいよ?」
「…………」
「それじゃ、君はここで準備が終わるまで待機ね。もし勝手に出ようとしたら……分かってるね?」
終始笑顔でそう言うと、年はドアを開けて部屋から出て行った。
啓斗はその間に、左腕に腕時計を裝著した。
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