《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》29話 悪運
巨大ネズミを倒してからというものミスラがずっと不機嫌そうにしていた。
初対面でミスラにあった時はこいつに人のはねぇ!と散々思ったものだが──
「今、なんの慈悲もなくネズミを殺した貴方が考えてはならないことを考えませんでしたか?」
「そんな事微塵も考えてない。それと殺したって言うな。こういうのはうちの世界の子供用のアニメでは倒したって言うんだ。」
「それになんの違いがあると言うのですか....」
「いいかいミスラくん、言葉とは上手出來てて『倒した』と言い換えるだけで殆どの人がこれは殘酷な事では無いと錯覚するんだよ。」
「ゲスですね。」
「まぁ冗談はさておきここはダンジョンだ。そう甘い事も言ってられないだろ?意味もなく殺すならまた違ってくるんだろうけど今回はちゃんと目的があった。」
「....はぁ。心構えが早い事で結構ですね。もし敵が人だとしても殺せそうな勢いじゃないですか?」
「そういう狀況になった事がないから分からないな。その場では出來ると思っていても実際それが起こった時のとは差が生まれると思うし。」
(出來ない...とは言わないんですね。)
さっきの話に戻すと、ミスラは無表なだけでが無いわけじゃない。むしろかな方だと最近気づき始めた。
いつも謝ってる人がいざ謝るとその価値を低くじてしまう事の逆のようなもので普段無表の人がここぞと言う時に笑顔を見せると凄く魅力的に見えるのだ。
.....別にミスラが魅力的とか言ってるわけじゃない。
「貴方は百面相がお得意ですね。」
「全く嬉しくない。」
どこかの赤い脳筋さんを思い出す。
そんな話をしていると──
「グルルルルッ」
「「!?」」
2人の後ろからき聲が聞こえきた。
そちらを見てみると狼の様な魔が完全にこちらをマークしていた。
「ミスラ!伏せろッ!」
「は...はい...!」
祐が大聲を上げて注意を促す。そして祐はと言うと、
『ファイアーボール!』
敵に打つのは初めての攻撃魔法。それを祐は躊躇なく放った。
「キャィィンッ!」
祐の手から放たれた火の玉は一直線に飛んでいき見事狼の頭に直撃した。
「...この攻撃じゃあまり効かないか。なら」
狼は確実にダメージはけたもののそのまま倒れる。までには至らなかった。
そして視界が回復した狼は祐を見て警戒し、次にまたファイアーボールを打ったら避けてきそうなきで近づいてきた。
「ふぅ...イメージ、イメージ。」
だが祐は敵がもう目の前にいると言うのに目を瞑り隙だらけの狀態になる。
これに狼も驚くが所詮は知能の低い魔。隙だらけと気づいて一気に距離を詰める。
『赤き、紅蓮の炎よ 荒れ狂うえ!』
もう回避不可能。という所まで來た時。祐はその言葉を紡いだ。
『ファイアーブレス!』
そう発した途端、祐の手から前方に橫幅10メートルの広範囲中級魔法を放った。
狼は回避も、驚きも出すことなくブレスに呑まれてチリになった。
「出來た....」
中級魔法はティファに構造と名前だけ教えてまだ放ったこともない代だったが功して良かった。ティファは1度放つのがやっとだろうと言っていたけどそれはレベル19のステータスの話。俺には関係ない。
「あ...あの.....」
「あぁ、ミスラもういいぞ。今終わった。」
「いえ、それは分かってるんですが....今の魔法は...固有魔法ですか?」
何を言ってるんだろう。俺がさっき打ったのはし練習を積めば放てるようになるという中級魔法だ。ティファもそう言ってたし。
「いいや?『ファイアーブレス』正真正銘中級魔法だよ。」
「.....まさか........ちょっと祐、ステータスカードを見せなさい。」
「え、あぁそう言えばネズミ倒してからまだ見てなかったな。ほい。」
し焦り気味のミスラがステータスを見る。
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名前: 佐野  祐
種族:人間
Lv:  20
力: 10850
攻撃力:10550
防力:10260
魔力:20080
知力:10690
運:20550
スキル:
言語理解、進化、魔法適正、幻刀、潛伏、鑑定、マッピング
稱號:
転生者
転移者
######
######
######
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(.....な.......なんですかこれは.....こんなメチャクチャなステータス見たことありません......ですがここまでは納得出來る)
「...あれ」
「どうした?なにか増えてたか?」
「あの、前、最後に見た時のレベルは幾つでした?」
「20だったかな?」
...........
「おい、なんだよ。もしかしてめっちゃ上がってたとかか?それなら今の狀況的にはいい事だろ?」
「いえ、まぁそうなんですが.........ご愁傷さまです。」
「?」
そう言ってミスラは俺にステータスカードを返す。そして容を見えみると──
            レベルが変わっていなかった。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
前にもあった。というかつい昨日か一昨日だ。このステータスカードのスリープモード。またあの外側からではなく側からくるどうしようも無い気絶するほどの痛みが────......
「うわぁぁぁ!またあの痛みを味わうくらいなら一生戦ってやる!!!」
「それは結局死が待ってます───ってこ、こら、待ちなさい!」
「嫌だぁ!離してくれミスラ!早く戦わないと発作が起こりそう!」
「どこの覚醒剤中毒者ですか!発作なんて起こりません!今ならまだ間に合います!だから大人しくしてなさい!」
まるで本當に危ない薬に呑まれた者を止めているかのような絵面になった。
***
「落ち著きましたか?」
「あぁ...一応。」
私、ミスラは戦闘狂になりかけた祐を止め、今はその背中をさすり宥めていた。
「ミスラさん?別にもう大丈夫だから背中さすらなくていいよ?」
「いいえ、まだ貴方は無自覚にですが震えています。もうしこうしていた方がいいでしょう。」
この人はなんで戦ってる時はあんなに冷靜で頼もしいのにこういう時だけ凄く子供のようなのだろう。
まるで自分より年下に見える。(年下)
祐のどこが平凡な高校生なんでしょうか。私の目も鈍りましたね。
「なぁ」
ですが、人を見る目はまだ健在だったようです。
「おーい」
やはり私は祐を──
「ミスラー?」
聲をかけられていたのに気づいて意識を前へ向けると直ぐ目の前に祐の顔があった。あとし前に進めばキスできてしまうくらいの距離に───
「きゃぁ!」
ビックリした勢いでドン!さすってた背中を思いっきり前へ押す。
「へ..うぉぉぉ!?」
私に押されて祐は勢を崩し転がっていく。そしての方へ。
「祐!」
立ち上がり祐に駆け寄るがもう落ちる寸前。だがミスラは諦めなかった。
せめて私が代わりに!そう思いミスラもに飛び込み祐をに抱きつく。
私は死んでも天界へ戻るだけなのだから。
2人は直下のに落ちた。
***
止まらない勢い。そしてミスラと祐は結構な速度で落ちている途中。
「なんで飛び込んできたんだ!間に合わないって分かってただろ!?」
「そんなの!當たり前じゃないですか!そもそも私が招いてしまった事故で...!」
「あーわかった。取り敢えず話は後だ。」
「祐、私を下敷きにしなさい。」
「は?」
「そうすれば助かります。生憎私は仮のでいていますから天界に戻るだけです。」
「.........」
「...どうしたんですか?黙ったりして。早くしないと下についてしまいます。」
「あぁ、分かった。」
案外すんなりと承諾した事にしだけ、驚きを隠せないミスラだったが話が早いに越したことは無い。
「何か....俺に言っておかなければならない事とかあるか?」
その言葉にミスラはし迷って、
「いいえ、貴方に伝えるべき事は伝えました。貴方なら大丈夫ですきっと1人でもダンジョンから出できる。」
「そうか。じゃあ俺もしだけ──」
祐から直接貰える最後の言葉だと考えるとしだけドキドキするミスラ。
「俺は」
こんな狀況だからしくらいこのの高鳴りが増すようなことを言ってくれても...と淡い期待をするが祐に限ってそんな事は言わないかと思い直す。
そして暗くてわからないが地面らしき床が下に見えてきた。もう10秒もないうちに下に著くだろう。
ミスラはそんな冷靜な事を考え自分の背中が地面に接するように準備をしようとした───が、
「──お前がいないとダメみたいだ。」
「え?...あ、ちょ!」
何を言ったのかあまり理解が追いつかなくて、その數瞬きが止まってしまった。そしてその隙に祐が今私がしようとしたことをして──
ザバァァァァァァン!
凄い衝撃とともに泉らしき所に落ちた。
***
「はぁ..はぁ」
泉に落ちてからギリギリでけたミスラは祐を引きずって泉から出した。
「祐..ダメです!死んでは...!」
朦朧とした意識で祐の容態を見る。  
だがどこにも出はないことに気づく。
「貴方の馬鹿げたステータスのおですね...」
だがミスラが祐のに手を當てた瞬間ミスラの顔が凍りついた。
「心臓が...止まってる....!?」
傷はステータスのおでなくとも衝撃は防げなかったようだ。気絶した時に水も結構っている可能がある。
ミスラは躊躇ちゅうちょすることなく祐のに自分のを重ね人工呼吸をする。そして心臓マッサージ。それを何度も、何度も、何度も繰り返す。そして──
「ゲホッ......ゴホッゲホッ...」
また祐の心臓がき始めた。気絶らしたままだが怪我は負っていないため今はもう命の危険はない。
「.....生きててくれた....!良かった...!よかっ.....」
祐が生きてて安心したからかミスラもそのまま気絶してしまった。
妹と兄、ぷらすあるふぁ
目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。 あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。 「ねぇ、あーにぃ」 ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんは少し面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け 「ん? どうした妹よ」 と、あたしに話しかけます。 「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」 先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。 「世間體の為だな」 お兄ちゃんは迷わずそう答えました。 「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」 あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。 「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」 ……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。 「青信號で止まったりはしないの?」 「しないな」 お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。 「どうして?」 「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」 「そっかー」 いつの間にか信號は赤に戻っていました。 こんな感じのショートストーリー集。 冬童話2013に出していたものをそのまま流用してます。 2016年3月14日 完結 自身Facebookにも投稿します。が、恐らく向こうは二年遅れとかになります。 ストリエさんでも投稿してみます。
8 197【書籍化&コミカライズ】私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります(原題『追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~』
☆2022/11/4 スターツ出版様 ベリーズファンタジーより発売予定です☆ 改題「私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります」 ☆2022/6/12 白泉社マンガpark様にてコミカライズです☆ 原題「聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに來られても帰りたくありません!~」でコミカライズ中です。 リアは九歳のとき、十二歳になる姉プリシラについて神殿に行く。そこで、姉妹ともども聖女と認定されてしまう。 この國ではひと家庭で二人以上聖女認定された場合、一人を差し出さなければならない。両親は聡明で美しく魔法を使えるプリシラを手放すのが嫌で、迷わず妹のリアを差し出した。 神殿に召し上げられたリアは聖女候補として厳しい修行を積み、六年後晴れて聖女となる。神殿の聖女の中でも、最も強い神聖力をもつリアは、神託により王太子の婚約者となった。 リアは金髪で美しく優しい王太子に淡い戀心を抱く。しかし、順風満帆に見えた將來に陰りが生じはじめた。 アリエデ王國の最北にある黒の森で魔物が大量発生したのだ。リアはこの國の聖女として討伐隊に參加しなければならない。王都と愛しい王太子に別れを告げ討伐隊とともに旅立った。 そして二年にわたる戦いののち、魔物の封印をなしとげ、王都に凱旋するはずだった。 だが王都に帰ったリアを待ち受けていたのは同僚聖女と戦友のうらぎり。 王太子との婚約もいつの間にか破棄されていて、新たに姉のプリシラが護國聖女の名を冠し、王太子の婚約者におさまっていた。 魔物討伐を長引かせた責をおわされ、役立たずの聖女として國を追放されたリアは、西側の隣國との緩衝地帯である惑い森へ捨てられる。そこにたくさんの魔物が巣食っていて……。 森をさまよううちに彼女は、魔獣に襲われた瀕死の金髪美青年を拾う。 ≪全51話予約投稿済み! 毎日18時ごろ更新予定≫ 流行りの追放聖女テンプレのつもり。聖女は無自覚でざまぁ(予定)します。題そのものがあらすじです。足の不自由な人が出てきます。タグ注意、地雷のある方はお逃げください。 誤字脫字報告ありがとうございます!!
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