《霊使いと冠位の10人》黒雷
霊のは再び雷となり、康太の前に現れる。
康太は咄嗟に剣で振り払うが、空をかすめただけだった。
気がつくとまたしても背後を取られ、背中に手を當てられた。
「・・・て」
そしてまたは何かをつぶやき、魔力の塊を至近距離で當てられる。
「がっ!?」
康太は吹き飛ばされてるが、なんとかけをとる。
既にあちこち打ちだらけで、あとでちゃんと確認しようものなら中青あざだらけだろう。
康太はヤケクソ気味にしニヤつく。
(康太様!大丈夫ですか!?)
「やっばい、結構効いたっス・・・」
リーシャが心配するように聲をかける。
康太は背中へのダメージが大きく、康太は片膝をついて息を整える。
がつぶやいていたのは呪文だと康太は思っていた。
しかし、今の一撃の際につぶやいた言葉は康太の耳にはきちんと屆いていた。
頭の中は冷靜でいられるのはきっと痛みのせいだろう。
もし、萬全の狀態だったらおそらく怒り狂っていた。
「霊に助けを求められちゃ、それに俺が答えないわけにはいかないっしょ!」
剣を構え、再び霊のに向かい走り出す。
霊は先程と同じように康太の目の前から消えて、背後の回り込む。
しかし、目で追っていては後手を取ってしまい、また先程と同じような攻撃を喰らってしまいかねない。
「リーシャ!」
(はい!)
康太は地面に剣を突き立てた。
魔力を全て込めるかのように剣がる。
「炎陣!」
康太の足元に魔法陣が現れそこから炎が溢れ出す。
炎は霊のだけではなく康太をも包み込む。
燃え盛る炎は音を立てながら周囲一を熱に曬す。
康太自もに火傷を負っているが、その代償を払った甲斐は十分にあった。
「捉えた!」
康太は炎に怯んだ霊のの隙をついて鳩尾に拳を打ち込む。
うまく決まったようではそのまま倒れ込み、康太はを抱えて、2人を包み込んでいた炎を剣で薙ぎ払う。
先程までの業火が噓かのように靜かな靜寂が訪れた。
すると見計らったように疎らな拍手が聞こえてくる。
「すごーい、まさかその霊を倒せるなんてね」
「あんたらこの子に何をした」
靜かに、そして激しく康太は怒っていた。
が康太を攻撃するたびに
「助けて」
とつぶやいていた。
どうやって霊を無理矢理にることができていたのかは康太には分からなかったが、その行為を許せないと思った。
彼ら霊にも意思がある。
それを踏みにじる行為は霊使いである康太には許しがたい行為に他ならない。
「そうだねえ。私に勝てたら教えてあげるよ」
そう言って今まで傍観していたカトレアが魔法陣の中から槍を引き出した。
矛先が三又に割れている矛先からは時折電気の流れる音がバチバチと響き、威嚇してくる。
「トライデントっていうの。可いでしょう?」
「はっ!どこがっスか!」
既に中ボロボロで満創痍の康太だが、ここで引くわけにはいかない。
だが今戦っても勝機は低いと分からないほど康太は我を失っていなかった。
「リーシャ、もしかしたらアレ使うかもしんないっス」
し低いトーンでリーシャに語りかける。
それに対して、リーシャの返事は簡潔だった。
「はい」
カトレアがトライデントと呼んだ槍の矛先に目に見えるほどの雷が纏われる。
だが、さっきまでカトレアが放っていた雷とは違い、が黒く染まっている。
「それじゃあ、さようなら」
雷鳴と共に黒雷が康太達を飲み込んだ。
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