《霊使いと冠位の10人》の名
「考え?」
康太はその言葉にピクリと反応する。
果てして脅しで言っているのかどうかすら分からなかったが、康太は聞くだけ聞いてみようと思った。
「要は君は自分に力が無いのが原因なんだろう?」
奏は挑発するように康太に言う。
それに対して康太は図星ではあるもののしイラっとした様子で奏の次の言葉を待つ。
「明日、またここへ來てよ。君を強くしてあげようじゃないか」
そう言い切る奏だが、康太にはその言葉に信用を持てなかった。
康太は魔師ではない。
霊使いと魔師とでは魔力の行使の力も違うし、仕組みからして完全な別のものだ。
「奏さん。そんなの無理っしょ」
「なんでだい?私にできない事はないよー」
いくら魔を奏が康太に教授しても康太が得れるもの等、ほぼほぼ皆無だと言っても過言ではない。
すると奏は両手を一回大きく叩いた。
「はい、じゃあこの話は一旦保留。リーシャっちのご飯食べよー」
そう言って、奏は家の中にはいっていった。
康太は奏の後ろ姿を眺めながら、その後をついていく。
奏の家に戻るとハイネもいつの間にか起きており、その後ろには黃い浴を著た霊が隠れるようにいた。
「おや、目を覚ましたようだねー」
奏が微笑みかけながら頭をでようとしたが避けられる。
行き場をなくした手がわなわなと震え奏は涙目になっていた。
「君なんて名前なんスか?」
その子と同じ目線位に屈んでの名を聞く。
は覚えながら小聲でその名を口にした。
「ト、トールです」
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