《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》期⑥
ーーチュンチュン ーー
開いていた窓の縁に小鳥が止まり鳴いている。
そして、気持ちの良い朝の日差しが部屋にり込み、その気持ち良さで僕は目を覚ます。
僕が起き上がると同時に
ーーバサバサーー
と羽音を響かせながら鳥は飛び立ち、何とも落ち著いた気持ちで朝を迎えることが出來た。
貴族は、家の中でもきちんとした服裝をしているように見えるが、実際はそうでも無い。
無駄にプライドが高い上級貴族や、金タイプの下級貴族はそうであるが、安定しているごく普通の貴族達は屋敷の中、それも朝まではそこまではしない。
僕は黒の短パンに明るい水のシャツを著ていたので、そのまま部屋を出る。
「アルト様、おはようございます。朝食の準備が出來ております」
「ありがとう、すぐに行く」
ミルは部屋の前で待機をしていたのか朝の挨拶をすると、僕の後ろを付いて食堂まで向かう。
「ところでアルト様、昨夜から何やらそわそわしているようですが……何か良いことでもありましたか?」
「あぁ、昨日父様に召喚魔法の事を聞いたら、今日やっても良いって言ってくれたんだ。だから楽しみで仕方ない」
ミルは目を見開いて驚いている
「召喚魔法ですか? 凄いですね! さすがアルト様です」
「そう?」
「はい! 普通は早くても15、一般では魔法騎士団に配屬されて、その中でも才能のある者だけが契約できると言われているのですよ?」
へぇそんなに遅いんだ。俺は待ちきれないな
「あら、もう食堂に著きましたね、では朝のお風呂の用意をして待っておりますが、お部屋に戻って來られますか?」
俺は朝風呂によくる。
この世界の風呂は素晴らしいんだ、湯船は広く、溫度もちょうど良い。
それに水、いやお湯の質が良い。日本の時のように水を綺麗にする薬品? の様なものが全くってないからすごく水のあたりがいい。
「いや、直接風呂場に行く」
「わかりました。では、お著替えを用意しておきますね。」
そう言って來た道を引き返して行った
俺は朝風呂にり、を溫める。
湯にあたって目が覚めた。
用意された服に著替え俺は食堂に向かう。
中にった時には、既に兄様と母様はもうすでに出かけており、いるのは父様だけだった。
「おはようございます父様」
「おはようアルト。いよいよだな」
いよいよとは、召喚の事を言っているのだろう。
以前見たステータスを考慮し、召喚を進めたが、父様自まだ早かったのではないかとし不安なのこともあるらしい。
その後は父様といろいろな事を話しながら食事をとった。
半のベーコンエッグにサラダ、パンといったとても朝らしい味しいご飯だった。
日本では基本的に菓子パンだったなと、そんな生活よりこっちの方が何倍も充実していると、時々しみじみとじる。
朝食を済ませ、お風呂も済ませ、今部屋にいる。
ミルの服のセンスは俺好みでいつも黒、カーキ、グレー、コンなどのあまり派手で無いに白、水、赤などの明るいを合わせていて、派手でもなくかといって暗くも無い「いいじ」の組み合わせにしてくれている。
今日はカーキの足首が見えるくらいの長さのズボンに白のシャツ、ネクタイは黒に赤のラインがったものだ。
でも、この世界にはパーカーやニットなどが無いのが癪だ
まぁ、それは今度解決策を考えよう。
そしてミルが退室した後、俺は父様から朝食の時に貰った3枚の紙を見つめる。
そこには3つ異なる魔法陣が描かれていて、裏には「天使」 「悪魔」 「霊」
と記されている。
「父様の説明では魔力を流して詠唱すれば才能があればどれか1つが反応して、それに認められれば契約できるとか」
俺は魔法陣を床に並べる
「まぁ、は試しだな。やってみるか」
3枚の紙にそれぞれ魔力を流し込んで詠唱する。
詠唱は、父様から予め聞いていた為覚えている。
「我が魔力をぜしもの、我に応え、その門を開きここに現れろ」
すると3の魔法陣が全てそれぞれに何かが現れる。
天使の場所には絶世のと言っても過言では無いが白のドレスにを包み
悪魔の場所には誰もが振り返る男が黒のスーツにを包み
霊の場所にはとても威圧をじる狼が
それぞれ立っている。
「俺を呼んだのは貴様か?」
「私を呼んだのは貴方ですか?」
「ガルゥ(我を呼んだのはお前か?)」
上から悪魔、天使、狼がそれぞれ言う。
「あぁ、そうだ。俺と契約してくれないか?」
「フン! 誰が貴様なんかと」
悪魔が言う
「じゃあ、どうしたら契約してくれる」
「俺と戦え、勝てば契約をしてやろう」
戦闘か、銭湯なら良かったのにな……などとくだらない事を思いつつも了承する。
「いいよ、でもここじゃ危険だから場所を移そう……転移」
ファッとが浮いたかと思うと、そこは周りに何も無い平原だった。
「ここは?」
悪魔が答える。
狼と天使は落ち著いた様子で俺たちのことを眺めている。
「ここは戦闘場所、ここなら誰も來ないから思いっきり戦えるよ」
「そうか、なら行くぞ!」
悪魔は爪を立て僕に飛びかかってくる
以前のCランクのやつなど比べるのが失禮なくらい早い攻撃が俺を襲う。
だが、それでも尚アルトからすれば俄然遅い。目で終えるスピードなのだ。
俺は悪魔の腕を摑むと鳩尾を毆り、投げ飛ばす
「グハァ! 」
倒れている悪魔に更に攻撃を加えようと、頭を摑み持ち上げる。
だが、その必要は無いようだ
「う、うぁぁぁぁあ! クソが!」
悪魔はジタバタと抵抗するも、全てが無意味で、しまいには抵抗をやめた。
「は、離せ! 俺の負けだ!」
「そうか」
俺はすぐに悪魔から退く
「貴様、いや主は強いですね。今の私では歯が立たない」
「そう言ってくれると嬉しいな。で、契約は?」
「喜んで契約いたします。我が主人よ、名前を付けてくれませんか?」
片膝をついて頭を下げた狀態だ。俺の事を主人と認めてくれたようだ。
でも、名前? いかにもテンプレだな。
「ならお前の名前は「ネメス」月の神からとった名前だ。悪魔のお前にはぴったりだろう」
「ネメス……有り難く頂戴します。我が主人よ」
そして俺は天使と霊の方に振り向く
「君たちはどうするの? また戦えばいい?」
すると天使はネメスと同じように膝をつき頭を下げる。霊はお座りの形になり頭を下げる。
「我が主人よ、私に名前を」
「契約してくれるって事? なら君の名は……スーリヤ、太の神からとった名前だ。」
「太の神、私にぴったりですね。有難うございます。我が主よ」
そして霊は「がルゥ」とだけ唸り、敵意がないことがわかったので名前を付けてみることにした。
「お前はキウン、星の神からとった名前だ」
全員に名前をつけると、全員の足元に魔法陣が展開され、俺の中に何かがってきたような覚に陥った。
「ねぇ、みんなは悪魔と天使と霊なんだろうけど、どのくらいの立ち位置にいるの?」
「はい、私は神級悪魔です。」
「私は神級天使です」
「儂は皇狼、霊のトップだ」
「へえ、みんな凄いんだね……って! キウン喋れるの?」
普通に喋ってたから反応が遅れたけどそれは仕方ない。
「はい、喋れます。というより喋れるようになりました。主の濃い魔力のおです。」
「それは良かった。じゃぁ、そろそろ家に戻るか」
そう言って行きと同じように転移で自室まで戻ってきた。
するとタイミングよくガチャリと扉が開く。
「アルト様、晝食の用意ができまし……って貴方達誰ですかぁ!」
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