《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第十五話 山賊と謹慎
Ryouta Side…気が付けば朝であった。隣には気持ちよさそうに眠る輝夜が。俺も輝夜もである。
…さようなら貞。別に未練はないが。問題なのは別人ではあるがの繋がった妹と瓜二つの姿をした輝夜と一線を越えてしまったことだ。流石に妹と同じ姿の輝夜を犯すのはものすごい罪悪があったがそれと同時に興もした。
…やめよう、この話は。思考を切り替えないとな。今俺がやるべきは兵力を上げる事だが、それの一部に山賊を起用する。
現狀から考えて山賊がいる無法地帯は全てパララルカ王國の手に落ちていると考えた方がいいな。そうなるとかなりの數の山賊がいるはずだ。たとえ使えなくても魔力アップくらいには使えるからな。さっそく実行に移すか。
俺は隣で寢ている輝夜を起こさないようにゆっくりと起きると服を著てまだ、朝の狀況の帝都を歩き出す。山賊についてはキースに任せるか。山賊を日本帝國に組み込むためにもあいつの協力は必要不可欠だからな。もし、行儀の悪い輩がいれば殺すだけだ。臣民にガラの悪い連中は必要ない。
そう言うわけでキースを探すが意外と早く見つかった。何をしているのか街を部下と思われる山賊二人と歩いていたのだ。
「よう、キース」
「ん?ああ、総統閣下か」
キースもこちらに気付き足を止めてこちらにを向ける。それに合わせて後ろの二人もをこちらに向けてくる。
「一つ頼みがある。山賊をまとめる事は出來るか?」
「おいおい、何を言っているんだ?俺は今じゃ落ちぶれたが結構な山賊を纏めていたんだぜ?そのくらいへっちゃらだ」
キースは自信満々に言い切った。それはそれで不安になるが山賊の事は実際に率いていたキースの方がよく知っているだろうからな。
「山賊を軍に組み込む。特異なものがあればそこに組み込むが基本兵士として活躍してもらう」
「そのための禮儀はそちらでやってくれよ。元騎士や貴族もいるがそれはかなり數だし騎士や貴族だったからと言って禮儀正しい訳ではないからな。山賊暮らしが長いとそういう事も忘れていたりするからな」
「と言うことはお前も?」
「ん、ああ。今は亡き大陸にあった國の貴族だったんだが俺が人する前にガルムンド帝國に滅ぼされて今はパララルカ王國が領有している」
意外だな。元貴族とは。確かにこいつの見た目は二十後半に見えるからな。こいつが山賊になったのは何時か知らないが五、六年は山賊をやっているだろうからな。禮儀など覚えていないだろう。
「そんじゃあ、早速俺は山賊どもを集めてくるぜ。その方がお前としてもいいだろ?」
「そうして貰えると有り難い」
キースが探す期間、訓練期間を合わせると即戦力と言うわけにはいかない。帝國軍人としての心構え、禮儀作法、銃の扱い方、近代戦等々たくさんあるからな。教員の方は準備が出來ている。追放刑をけたものに教育しているからな。
取り合えずこれで後は様子を見るしかないな。防衛戦が持ってくれればいいのだが。
NO Side
「二萬の軍勢を失ったというのか!」
パララルカ王國國王パルザ二世は目の前で跪くアクラに暴言を吐く。理由は堂々と進軍したにもかかわらず自の率いていた二萬の軍勢を失ったからである。
パルザ二世はアクラの事を嫌っている。王國最強の剣士であり騎士団団長であるアクラは國王以上の人気を誇っている。その為アクラ、ひいてはブレストラッパー家が王家に反逆してくるのでは疑っているのだ。ブレストラッパー家はアクラに劣らない鋭が揃っていた。數こそ千とないが一人一人が一騎當千を誇る兵つわもの達だ。その気になれば王國の兵士たちを赤子の手をひねる様に倒せるであろう。
故にその勢いを削るためにハンラット大陸、シアーリス半島への遠征を計畫したこともあった。ハンラット大陸のシアーリス半島は世界最強の國家であるガルムンド帝國が領有していた土地である。アルバ島に置いて唯一の國家程度のパララルカ王國では太刀打ちできないと誰もが思っていた。しかし、その無茶をアクラは見事し遂げたのである。ガルムンド帝國に連戦連勝でついには半島全てを切り取る事に功してしまっていた。その後はガルムンド帝國と不可侵條約などを結び大陸領の保全に努めた。その統治すらもアクラは完璧に行い正式に大陸領の総督に就任したブヘンに引き継いで見せたのである。アクラを失腳、若しくは戦死させようと思っていたパルザ二世の計畫は完全に破綻したのである。
その為パルザ二世にとってこの失態はアクラを叩くいい材料となった。二萬を率いていながら全滅させ挙句に山賊を一人も倒せないという酷い結果となったのだから。
「貴様は分かっておるのか!?二萬は我が軍の四分の一の軍勢なのだぞ!それはすべて失うなど貴様は無能者なのか!」
「…申し訳ございません」
対するアクラは実際に軍を全滅させているので何も言い返せずパルザ二世の暴言をすべてけれていた。
「貴様には失したぞ!しばらく謹慎しているように!場所はこちらで用意する!良いな!?」
「…承りました。國王陛下」
アクラは苦々しく思いながら衛兵に従い謁見の間を後にする。扉が閉じるとパルザ二世は深くため息をつく。
「…山賊のやつら意外と戦力を有しているようだな」
「その様で」
パルザ二世の言葉に宰相のメルヘムが相槌を打つ。彼もアクラを嫌う一人でアクラの今回の失敗を無能がしゃしゃり出た結果だ、とアクラを過小評価していた。
「…エッケルタに伝えろ。アクラの代わりに將軍とする」
「…アクラめの実力では山賊にすら勝てませんが程、エッケルタなら勝てるでしょう。分かりました、すぐに伝えさせます」
パルザ二世の言葉にメルヘムも頷き衛兵に指示を出す。エッケルタとは第二軍を率いる副將でアクラを嫌っている一人である。
「ふ、でありながら我を超える人気を持った結果こうなるのだ。奴もこの件でをもって知れたであろう。アクラの拭いをエッケルタにさせるのは辛いが終わり次第アクラを罪人にしてブレストラッパー家を取り潰しかの家の騎士団を彼の下につけさせるとしよう」
パルザ二世はエッケルタが必ずやアクラの代わりを行ってくれるであろうと思っていたが彼はのちに知ることとなる。
日本帝國の恐ろしさを。
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