《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第二十八話 シードラ王國への頼み事
Mare Side
最近、日本帝國はパララルカ王國を降しアルバ島を統一したと聞きました。一応我がシードラ王國もアルバ島に領地を持ちますがそこにまで攻めてくることはないでしょう。流石の彼も友好國の領土を勝手に攻めたりはしないはずです。とは言え今後とも日本帝國と付き合うのならアルバ島の領地は放棄した方が良いのかもしれませんね。アインザックのせいでアルバ島の領主たちは腐敗しているし手放したとしても問題はなさそうね。
それよりも私達は今後かの國とどう付き合って行くべきなのでしょう……。日本帝國、彼らの技力は脅威とすら言えるレベルです。數年前に見たガルムンド帝國の海軍公開演習で見た軍船よりも洗練された船を持つ國家。人口と技力が歪とも言える國ですがパララルカ王國を降した以上その歪さも時期に消えると予想されます。そして、我らでは決して葉わない相手であり抵抗する事も満足に出來ずに敗北するでしょう。
「陛下、日本帝國の使者が參っております」
「っ! すぐに會います。準備を」
「かしこまりました」
侍の言葉で現実に引き戻された私は日本帝國の使者と會うために準備を始めます。簡素できやすい部屋著をぎ公共の場で著ている王族らしい豪華絢爛な服を著ます。コルセットなどで腰を引き締めたりを盛ったりするためあまり好きにはなれない格好ですが威厳を持たせるためには必要な事らしいです。
そうして準備を整えて謁見の間の玉座に座ります。この部屋にはまだ日本帝國の使者はおりません。使者を出迎える際には先に玉座に座り使者は準備が整った後に室するというガルムンド帝國式の公式な行いです。ガルムンド帝國では待ち時間によって待遇も変わって來るようです。待ち時間が短い=それだけ重要視されている。逆に長いと存在を軽視されているという事になります。我が國はガルムンド帝國とは友好関係にあるためかの國の影響を多分にけています。この事は日本帝國にも通達している為問題が起きる事は無いでしょう。
私が玉座に座ってすぐに使者を室させます。それだけ日本帝國を重要な國として認めているという意味合いが含まれています。室してきたのは三人の男です。一人はスーツと呼ばれる日本帝國の正裝の一つを著ており殘り二人は軍服らしい服を著ています。要するに二人は護衛の役目を持っていてスーツ姿の人が使者という事でしょう。
「お初にお目にかかります。日本帝國の外、島原雄星と申します」
「島原殿、シードラ王國國王としてそなたらを歓迎しよう」
堅苦しい挨拶から始まりしだけたわいもない話をする。これもガルムンド帝國式で話が長ければ長い程軽視されているという事に繋がるため話題を一つだけ話し、直ぐに本題にる。
「して? 此度はどのような目的で參られたのか?」
「はい、この度我が日本帝國は様々な國との國を持ちたいと考えました。その第一歩としてガルムンド帝國との國を持ちたいと考えています」
「程、友好関係を持つ我が國に仲介を頼みたいという事か」
「その通りでございます。勿論、仲介を頼む以上褒章は用意させていただきます」
「ふみ……」
私は考える素振りを見せるが心の中では結論は決まっている。この程度の要求なら特に問題はない。仲介をしたところで両國が戦爭にでもならない限り・・・・・・・・・・・シードラ王國に不利益はない。々が易を奪われる可能がある事くらいか。
「……分かった。だが、褒章は金などよりも技の方がいい」
「……と、言いますと?」
明らかに視線が鋭くなった使者に私は告げる。
「貴殿らが使っている技、武でも建でもなんでもいい。その技を一つ、教えてしいのだ」
「……程、殘念ながら我が國が使っている技をお教えする事はできません。総統閣下に厳重に注意されていますので」
「……そうか」
殘念だが仕方ないな。彼らとて態々この程度の事で教える訳にはいかないのだろう。立場が逆だったとしたら我らでさえ同じ回答をしただろう。故に、諦めたのだが続く使者の言葉に私は驚愕した。
「ですが、それ以下の技なら提供できます」
「と、言うと?」
「そうですね、火薬の製造方法などはいかがでしょうか?」
「火薬……!」
それはガルムンド帝國が開発に功し、武として用いているものだ。シードラ王國を始めいくつもの國が製造方法を知ろうとしたが火薬などの武は厳重に管理されており聞き出そうにも誰が知っているのか分からない。十數年前にハクレイド帝國の偵がガルムンド帝國の宰相を篭絡して聞き出そうとしたが宰相でさえ知らなかったという話がある。その宰相はその後この世からいなくなったがな。
そんな重要なの製造方法が知れる。それも仲介するだけという容で。これを逃す手は我が國にはない!
「直ぐに仲介の準備をしよう。必ず貴國らをガルムンド帝國と引き合わせる事を約束しよう」
「分かりました。では製造方法はそれが無事に完了した後に、という事で」
「勿論だ」
こうして我らは日本帝國とガルムンド帝國の仲介をするべくき出した。
しかし、この時の私は浮かれていたのかもしれない。後から知る事になるが火薬の製造方法は材料が手にり辛かったうえに日本帝國が使っている武には使われていない古い製造方法だったという事を聞き私はため息をつく事しか出來なかった。
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