《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第三十一話
Ryouta Side
はやいもので外を送り出して一月が経過した。外たちからの連絡もあり順調に進んでいるそうだ。本來は新興國は何時までも待たされるのが基本らしいがシードラ王國の仲介のおかげでそう言った事もなく順調に行えているそうだ。
國際関係も上手く行っている様で本當に良かった。最近じゃアルバ島という名前から秋津洲という名稱への改名もほぼ周知し終わった。後は皆がそれに慣れてくれれば完了する。秋津洲橫斷鉄道計畫も順調に進んでいる。帝都ヤマトを始発に、最近復興が始まったパララルカ王國舊王都までをつなぐこの道路は歩道や車道のみならず鉄道も走らせることになった。これならただの道よりも南北の流は活発になるだろう。
「閣下、最近大陸の西部にある國でクーデターが起こったそうです」
「ん? そうなのか?」
「はい、島原外からの報告で流を持っていたその國の使節団が慌てて帰國していったそうです」
「程、だがそれは我らに影響があるのか?」
「今のところはないですね。大陸の端な上に國力はお世辭にも高いとは言えないそうです。戦爭前のパララルカ王國とほぼ同程度と言った所です」
その程度なら放置しても問題はないか。流石にクーデターが功した際に亡命させたとしても距離がありすぎるからな。今は靜観で問題ないだろう。それよりもやるべきことが多すぎる。
先ずは帝都の拡張だ。ガルムンド帝國の帝都の寫真が送られてきたがそれを見て本當に驚いた。近世あたりのヨーロッパにありそうな大都市でそれを見た後では帝都ヤマトがいまいちに見えてしまう。東京を見た後に東北の県庁所在地を見た気分だ。だから拡張計畫を立てた。
今の帝都には約二萬人しか住んでいない。だから今のままでも問題はなかった。だが、これから日本帝國という國を大國にしていくには不十分だ。せっかく周りには何もないのだ。これを機に大きく拡張させる。で、どのように拡張するかだが考えがある。最初は五稜郭のような防衛に適した星型にしようかと思ったが拡張がし辛い。だから江戸城の城下町を參考にする事にした。城下町は”の”の字に出來ている。正確に言うと江戸城を中心に渦巻きを描いている。江戸の町が手狹になった際に拡張できるようにしているらしい。まさに今の帝都にふさわしい構造だ。
とは言えこれが完するのは最低でも數年はかかる。何しろ日本帝國は急長を遂げている真っ最中だ。人手があらゆるところで足りていない。だからこそ帝都の拡張は暫く先の事になりそうだ。その間に計畫を立てて置く事は忘れないがな。
「そう言えば、俺のクラスメイト達ってどうしているんだろうか?」
既に転生から7年経った。転生時は高校二年、17歳だったが今では皆24歳だ。俺みたいに若々しいままなのか、それとも順當に年を取っているのか。それが気になった為輝夜に聞いてみる事にした。輝夜は最近かずに部屋に籠っている。なんでも調が悪いらしい。神様でも調を崩す事はあるんだな、と思った瞬間だ。
「輝夜、ちょっといいか?」
「良太か? 勿論よいぞ」
輝夜の部屋の前に立ちノックしてから呼びかける。輝夜は特に何時もと変わらない調子で返事が來たためそのまま部屋にる。すると、輝夜が難しそうな顔をしていた。
「輝夜? どうかしたのか?」
「ん? ああ、ちょっと思うところがあっての。じゃが、お主の用事が先じゃ。ほれ、話せ」
「あ、ああ。俺のクラスメイト何だが……。皆何をしているか分かるか?」
「そんなものは知らん」
やっぱり輝夜じゃ分からないか。ぶっちゃけずっと一緒にいたし仕方ないか。と、思ったが次の言葉で俺は固まる。
「じゃが、既に數人は死んだようじゃぞ」
「え……」
「大半が自業自得な結末らしいがの」
輝夜は心底どうでもいいようなじで答えるが俺はなからず衝撃をけた。あまり流があったという訳ではないがなからず顔見知りが死んでいるというのは心に響いた。もし、今後見つけたら保護をしてもいいかもしれないな。……ん?
「そう言えば他のクラスメイトも特典を貰っているんだよな?」
「そうじゃな。全員に與えたはずじゃぞ。とは言えお主ほどの特典を貰ったやつはいないはずじゃがな」
とは言えそれでももしかしたらそれなりの能力を持つ者もいるのかもしれないな。味方や中立ならともかく敵となった時は気を付けないといけないな。はぁ、どんどんやる事が増えていくな。仕方ないとはいえパララルカ王國を滅ぼしてアルバ島を併合したのは軽率だったかもしれないな。
「それよりも、お主に大切な報告がある」
「ん? 一何かあったのか?」
「ああ、勿論じゃ。心して聞いてくれ」
輝夜の表はこれまでの中で一番険しいだった。普段見せない表に俺は自然と引き締まる。一何が起きたというのだろうか?まさか、輝夜が調が悪い事と関係があるのだろうか?
「実はな……、孕んだのじゃ」
「……は?」
「だから、孕んだのじゃ……」
「え? それってどういう……」
「だ! か! ら! お主の子を孕んだのじゃ! 何度も言わせるでない!」
輝夜は先ほどまでとは一転して顔を真っ赤にして聲を張り上げて言った。……つまり、俺との子を妊娠したという事か?マジか……、俺遂にパパになるのか……。予想とは違うが大分衝撃な告白に俺はフリーズしてしまう。それを心配そうに輝夜が見ている。
「大丈夫か?」
「……あ、ああ。大丈夫だ。し、驚いただけだから……」
本當は大分驚いているし軽くパニック狀態だけどな。でも、まさか子供が出來るなんて……。というか輝夜も一応神様なのに子供が出來るのか?もしできたとしたらその子は半神半人?このままだと俺の子まで神格化されそうだな。
でも、そうだな。結ばれて6年近く、漸く俺たちの子供が出來たんだ。今は輝夜のに気を付けて子供が生まれるのを楽しみに待っていよう。
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