《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第三十三話 島原外

Yuusei Side

最近バルグラットの新しい使者がやってきた。俺達が以前流した者達とは違うようだ。というか政変が起きたせいか、今度の使者はガルムンド帝國との國樹立が目的というよりもガルムンド帝國の調査を行っている様なじだった。

「初めまして。日本帝國の外、島原雄星と申します」

「こちらこそ初めまして。新しくバルグラットの外となったリゾルと言います。前任者から話は聞いています。流を深めてくれていたとか」

取り敢えず新しい外に挨拶をしたが前任者と同じように穏やかな人のようだ。こう見えても外だ。相手の心のうちを読むのは得意だからな。相手が本音でどう思っているのかなんて簡単に分かる。なくとも流を絶とうとしているわけではなさそうだ。

ガルムンド帝國の帝都の一角にある館には様々な國の使節や外が常駐している。中には大使館などを建設する許可をもらいそこに住んでいる者もいるが最近國を樹立したばかりの日本帝國にその様な建造がある筈がなく俺たちもここで過ごしている。だが、ガルムンド帝國以外の國家と流を持つきっかけになるためにむしろ俺たちには此方の方が好ましい。

「日の丸が國旗なのですか! 珍しいですね」

「我が國は位置的にも東にありますからね。いわばシンボルですよ」

本當は総統閣下が日出る國日本國の出である事、太神と話した上にその力によってこの世界にやってきたらしい。今の帝都ヤマトは閣下が最初に降り立った地らしい。にわかには信じられないし何処までが本當なのか分からないが閣下は不思議な力を持っているし真実ではあるのだろう。

「そちらは戦があったと聞きますが國の狀況はどうですか?」

「あまりよくはありませんね。地方はそこまで影響はありませんでしたが大都市は戦火の後が深く殘っています。新たに國王に戴冠された陛下が議會が不正に隠し持っていた財産を使って復興を行っている狀況です」

程、戦で倒した敵の金を使うのか。利益はないかもしれないが復興をすぐに終わらせれば人民の心を摑む事も出來るか。そこから繁栄さえ出來れば権力は確固たるものになるな。し警戒するべきかもしれないが生憎バルグラットは遠い。ガルムンド帝國からでも間にはハクレイド帝國やバルバリア共和國連合と言った國々が存在する。直接的な影響はほぼないと言っていい。それらの國を併合したならまた違ってくるがな。

そんな事を思いながらバルグラットの外とは別れる。ここには様々な國の使節団や外がいる。あまり一人に絞って話を続けるのはお互いに悪影響だろうからな。

その為、次に流できそうな者を探していると聲をかけられた。

「おや? 見かけない顔ですな」

「……あなたは」

振り返った先にいたのは達磨という言葉がふさわしい中年の男だった。大こういった者は下品で失禮極まりないと相場が決まっているが表は穏やかだし華な裝飾品もない。ただし、彼の上著の左の部分に家紋らしきものがついている。それを確認した俺は直ぐに挨拶を行う。

「失禮しました。日本帝國の外、島原雄星と申します」

「日本帝國? 失禮、聞いた事がない國ですが新興國の方ですかな?」

「はい、まだ建國から僅かな期間しか経っておりませんが最近アルバ島を統一しました」

「なんと! ではあの・・パララルカ王國を追い出した國でしたか! ……おっと、名乗るのが遅れましたな。私はメグル公爵當主リシャス・デ・メグルと申します」

メグル公爵!このガルムンド帝國でも屈指の実力を誇る貴族だ。確か、ガルムンド帝國には三つの公爵家が存在していてメグル公爵はその一角だったはず。程、聞こえてくる噂に違わぬ人のようだ。彼の噂は皆好印象のものばかりだ。

曰く、

―見た目からは想像できない程民を大事にされている

―寛容な方で馬車の前を橫切った子供たちに危ないと注意こそすれ罰する事はなかった

―相手を尊重し時には敵國の民や貴族すら虜にした

と、徳の高さをうかがわせるものだった。一度、會ってみたいとは思ったがまさかこんな所で出會うとは……。いや、彼の格を考えればありえる話か。ここに來るガルムンド帝國の貴族は大半が自と取引があったり友関係があったりする場合に限られる。態々知らない者達、関りを持っていない者に話しかける者などごく數だ。

「パララルカ王國には連戦連勝の將軍がいると聞きましたが戦ったりはしたのですか?我が國も彼によって幾度となく敗北を喫してきました」

「え、ええ。恐らくと言わざるを得ないですが」

何しろ、その將軍アクラ・ベル・ブレストラッパーは未だ名前無き虜囚として牢獄に囚われている。既に彼の正は判明しているのだが本人が何もしゃべらない為こういう狀態となっている。暴行の類は一切行われていないが本人はそうなっても良いような覚悟はしているらしい。とは言え戦場ならともかく囚人に手を出す事は無いと思うがな。その辺は外である俺には分からないからな。

「殘念ながら私にも詳しい戦闘経緯は伝わっておりませんので軍がどのように勝利を摑んだのかはお教えする事が出來ません」

「そうですか……。し殘念な気がしますが仕方ないですね。そう言えば……」

その後もメグル公爵とはし話を行いお互いに満足げに終わった。思わぬ接だったがこの國の貴族、それもトップに近い人との流が持てた事は最大の利點と言えるだろうな。この事も含めて夜の定期連絡で報告を行わないとな。

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