《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第五章 皇歴7年~ハンラット大陸への上陸~・第三十八話

No Side

ガルムンド帝國の政変から二日後、新皇帝グランハムは大きくいていた。

まずはメグル公爵の捕縛及び死刑執行。次に前皇帝及び皇后、皇メリエルの幽閉。更に自分を支持していなかった貴族の捕縛と領地の沒収などを行っていった。

このきに國の貴族は戦々恐々し、各國も使者が帰國しようとき始めていたがグランハムのきはここでも行われた。逃げようとした使者を自分たちに敵対しようとしていると斷定して捕縛し始めたのである。更に抵抗した者は容赦なく殺された為抵抗する者は減っていった。留まっていた者達も何時自分たちが対象となるのか分からず出歩くことはなくなっていった。

「……酷いな」

島原は與えられた部屋に備え付けられた窓から外の様子を見て呟く。窓から見える帝都には人の姿は見えない。時々巡回の騎士が通るくらいだった。今、世界最強の國家にして大國にふさわしい帝都の姿は何処にもなく人が住んでいるとは思えない程のゴーストタウンと化していた。

「島原さん、窓から外を覗く行為は止めた方が良いですよ」

「……耳川さん」

「窓の外を覗いていただけで捕縛された者もいると聞きましたからね」

護衛の兵士の隊長である耳川は友人の間柄となった島原に注意する。実際に、彼の話は事実でありとある小國の外が外を巡回中の騎士と目が合った結果、何か企んでいると言いがかりに近い事を言われて捕縛されていた。新興國で今だ國力が他の國々に分かっていない日本帝國も小國と判斷されても可笑しくはなく、島原がその小國の外の二の舞になる可能があった。

それを聞いた島原はカーテンを閉めると窓から離れテーブル付きの椅子に座る。耳川もその対面に座った。

「帝都の様子は酷いな」

「いっそのこと逃げ出すべきかもしれませんが、それが出來るかどうか……」

「閣下に連絡はしたか?」

「勿論です」

政変が起きた翌日には連絡を行っており直ぐに救出計畫を立てて助けるという返答がってきていた。その事を島原に伝えると難しい表になる。

「……逃げられると思うか?」

「不可能に近いかと。我々が港したア・ガ・ムンドは封鎖されており近づけばすぐに気づかれます。それ以上に帝都を出する事さえ難しいかと」

耳川は軍事らしく狀況を淡々と述べていくがその結果は逃げられないという者であり二人の間に重い空気が漂う。このまま何もしないでいる訳にもいかない。食事を摂らないと死するだろうしその為に外に出れば何かを企んでいると捕縛される可能が高い。それ以前に今の帝都で営業を行っている店などなかった。

結局、二人は救出計畫が立てられるのを待つ事しか出來ないがタイムリミットは刻々と迫ってきているのだった。

Ryouta Side

ガルムンド帝國で起きた政変はこの大陸中の國々に大なり小なり影響を與える事になるだろう。島原を護衛している隊長の報告によると部屋を出て外にいるだけで捕縛される程厳戒態勢が敷かれているらしい。人の往來はなくなり町はさながらゴーストタウンと化しているようだ。

特に國外の使者や旅行者へは厳しい判定をされる様でしの抵抗で切り殺された例もあるらしい。僅か三日ぐらいでこの有様だ。このままの狀態が続けば島原達は死するか拘束されるだろうな。

「博、陸軍は何時でもける狀態にあるか?」

「勿論です。閣下のご命令一つですぐにけます」

「ナオツグ、海軍はどうだ?」

「問題ない、言いたいですがまだ聯合艦隊の補給は終わっていませんわ~。最低でも明後日までいただきたいですわ」

「分かった」

俺は軍事の関係者全てを集めて急會議を開いた。とは言え何時までも會議で時間を潰す訳にもいかない。直ぐに救出プランを考えなければ……。

「ですが、軍を派遣すればガルムンド帝國と本格的に戦う事になりかねません。今の我々では勝てても甚大な被害は確実に出ます。共倒れになる可能が大です。それに、例え戦場で勝つことは出來ても補給問題や數に対して敵領土の広さから見て攻勢は難しいです」

「海軍としても質はともかく量には対抗できませんわ~。島を覆うように船がやってくれば上陸を防ぐことは出來ませんわ~」

「攻勢も防も難しいか」

そうなると本當にどう助ければ良いのか。かに助けようにもこちらには帝國貴族のコネなんてないし場合によっては告される可能もある。

それに加えてパララルカ王國をどうするべきか考えないといけないのに……。

「なぁ、パララルカ王國との國境から逃がす事はできるのか?」

「パララルカ王國ですか?恐らく可能かと思いますがそこからどうするのですか?潛在的敵國から敵國の領地にっただけですよね?」

「……総統、まさかとは思いますがパララルカ王國を滅ぼすついでに救出するなんて言いませんわよね?」

「いや、その通りだ。それなら可能ではないか?」

「おそらくですが……。とは言え先ずは島原外たちに尋ねないと分かりませんが」

だが、現狀だと一石二鳥で行けるかもしれない。ガルムンド帝國とパララルカ王國は領地を接している。もしかしたらパララルカ王國を滅ぼす事で戦爭になる可能もあるが直接ガルムンド帝國と戦うよりはマシだろう。

「博、陸軍は萬全の狀態を維持せよ。ナオツグ、お前は聯合艦隊の補給をすぐに済ませろ。それと駆逐艦を新たに二隻、召喚する。その乗員もな。燃料も用意するからその整備を頼む」

「はっ!」

「了解しました~」

こうして俺たちの作戦は決まり島原達もすぐに行できるようにすると返信が來た。

諸々の準備を終えこの日より四日後、政変より一週間後に俺達日本帝國はパララルカ王國大陸領に侵攻を開始した。

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