《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第三十九話 滅亡への序章
No Side
パララルカ王國大陸領は混の一途をたどっていた。大陸領を統治していた元総督及び新たな総督はアルバ島秋津洲への遠征で捕縛及び戦死した為大陸領に大きな混を起こした。これを宰相は必死に抑えようとしたが大陸領の統治のノウハウなどない宰相では上手く行かず、行った政策のせいで余計に混するを繰り返していた。
「今こそ全ての國民が一丸となってこの危機に立ち向かうべきである!」
そう宣言した宰相によって軍拡が強引に進められるが上記の混もあり上手く行っていなかった。これには第三王子以下総督派の人間たちが反対するも全権委任狀を持つ宰相には何を言っても無駄だった。
第三王子は日本帝國によって滅ぼされるかガルムンド帝國の侵攻をけるだろうと予想しパララルカ王國は確実に滅びるという予測が出ていた。それゆえに、ここ最近は政治にかかわらずに部屋で趣味の読書や剣の稽古を行って過ごしていた。
そして、今日も同じ一日が流れると予想した時に日本帝國の襲撃が報告された。
「敵船は北部の都市ラーシィに攻撃を仕掛けてきています! 更に、兵の上陸も行っているとの事です!」
「ならば急ぎ兵をラーシィに向かわせるのだ!」
大陸領の舊総督府では宰相が會議を指揮って対応を行っていた。しかし、元々軍事面の知識が乏しい宰相の指示である。故に彼の指示は滅茶苦茶なばかりだった。
「で、ですが他の都市にも上陸してくる可能もありますが……」
「ワシに歯向かう気か!? 貴様等は黙って言う事を聞いていればいいのだ!」
宰相に意見した者は全て怒聲を浴びせられ意見を聞いてもらえなかった。その結果、大陸領のほぼ総兵力である5萬の兵がその日のうちにラーシィに向けて出陣した。ラーシィに上陸した兵は一萬どころか千にも満たない兵という報告もあり宰相は確実に撃破できると安堵するのだった。
しかし、その二日後。ウモーに日本帝國軍が上陸したという報告を聞き絶する事となる。
パララルカ王國大陸領の南部にある都市ウモーの沿岸部にはあきつ丸と呼ばれる揚陸艦が四隻あった。搭載できるはずの戦闘機は一切詰まずにその分様々な武や弾薬を搭載していた。
「上陸開始せよ!」
この四隻の揚陸艦隊の司令長となった川中島吾かわなか とうごは大発艇と呼ばれる上陸用舟艇に乗り込んだ兵士たちに指示を出した。その指示に従い十數以上の大発艇が一斉にウモーへと向かって行く。その様子はウモーからでも分かり住民たちは一斉に逃げ出した。上陸を阻止しようと騎士や兵士たちが數ない弓矢を持ち出していたり剣を握って上陸してきた兵を迎撃しようと構えていた。
しかし、そんな騎士たちに対して大発艇に乗り込んだ兵士たちが九九式小銃を構えて発砲していく。揺れる海上の上からの発砲と初めての上陸戦という事もあり命中率は低かったが小さな礫が目視では見えない速度で飛んでくるという事実は騎士たちを恐怖させ後ずさりさせる程だった。
「っ! 上陸するぞ! 著剣!」
大発艇に乗り込んだ隊長の聲に従い銃の先端に銃剣を裝著していく。そして大発艇が砂浜に乗り上げると一斉に飛び降りウモーへと殺到していく。
「くそ! 死ね……ぎゃっ!?」
「うっ!」
迎撃に出て來た騎士たちは剣を持って殺到するが小銃を発砲していくため一人、また一人と倒れていく。元々ウモーに配備された騎士はなくウモーは僅か二時間程で陥落した。
ウモーには揚陸艦隊から次々と上陸してきた兵士たちが滯在する事となり翌日、パララルカ王國王都に向けて進軍を開始した。その數は約4000、その大半が歩兵だが五両のみだが舊日本軍が運用していた中戦車である八九式中戦車もあった。想定される攻城戦で門を破壊できる兵として共に運ばれていた。
僅か4000の兵力だがパララルカ王國の5萬の軍勢は全てラーシィに向かっている。部隊によっては到著して戦闘が始まっていた。その為、パララルカ王國に対応できる軍勢はいなかった。
「揚陸艦隊、予想以上に魔力を使ってしまったな……」
日本帝國の帝都ヤマトにある自分の家の中で鹿島良太はそう呟きながら燃え盡きたというように椅子にを預けていた。しかし、すぐににやりと笑みをこぼした。
「最初は最新兵を出していたけどこの世界の軍事力はガルムンド帝國以外は中世並みだ。態々高コストな最新兵を出す必要はないな。第二次世界大戦付近の裝備で十分だな。その辺の準備も進めないといけないな……」
鹿島良太は一向に減らない政の問題にため息をつくのだった。そんな鹿島良太とは違いウモーから進軍した4000の兵は翌日、王都へと到著した。
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