《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第四十八話 開戦
Ryouta SIDE
皇歴10年。遂に俺が転生して10年の節目の年を迎えた。これで俺も27歳となりアラサー間近となっているが見た目は20歳前後のままだ。シアーリス半島を領有してから三年。遂にガルムンド帝國の侵攻はなかった。しかし、なにも起きなかったわけではない。國境沿いには砦が建設され俺達のきを監視する制が出來上がっていた。海にもガルムンド帝國の軍船がちらほらとみえる上に時にはこちらの補給船に砲弾を撃ち込んできたりする。それらは全て大きく外れているが明らかに警告の意味が込められているのが分かる。
更に、シードラ王國は日本帝國側にいると判斷したガルムンド帝國によって外や使節団が殺されている。シードラ王國はこれに怒り俺たちとの協力関係を強めている。シードラ王國の軍船が海域の見張りを行ってくれるおかげでその周囲は比較的安全となっている。
とは言えこのままではいけないと二年前にカンサイ府に軍港を召喚した。これでいちいち帝都ヤマト北部の軍港から出港する必要はなくなり迎撃に出やすくなった。だが、裏を返せば襲撃をけやすくなったという事でもあり紹介用の偵察機で部隊を編した。
そうそう、軍事方面で言えば漸く軍學校の1期生が使えるようになってきた。今は予備役扱いで戦爭時にはすぐにシアーリス半島に投できるようにそちらで訓練をさせている。
更に聯合艦隊は駆逐艦を4隻増やした。今の俺達は巨大な武力よりも量が求められている。故に戦艦や巡洋艦ではなく駆逐艦を召喚した。空軍では先の偵察機の他に零式艦上戦闘機を始めとした大戦初期の戦闘機を増やした。ジェット機なんて今の狀況では必要はないからな。
「パパ~」
「お! 春樹~!」
俺を呼ぶ聲が聞こえてきて俺は椅子から立ち上がり振り返るととてとてと可らしく近づいてくる息子春樹の姿が!ああ、うちの子天使過ぎる……!そう思いながら俺は春樹を抱き上げる。春樹も今年で3歳だ。話によると3歳の時はイヤイヤ期を超え反抗期と言える事が始まるらしい。それだけ自己主張が出來るようになるという事だろう。
普通だったら輝夜と共にいるはずだが今の輝夜はそんなにけない。何故なら二人目の子供がいるからだ。つわりで厳しい時で無理はさせられないから世話係用のを召喚した。その人は俺の執務室の外で様子を伺っているようだ。うむ、し名殘惜しいがここは預けるか。俺もまだやらなきゃいけない事が多いからな。
「春樹、ごめんな。パパまだ仕事があってな~」
「イヤ! パパ 一緒!」
「……春樹」
俺はイヤイヤと首を振る春樹に、眉を顰めていった。
「良いよ!」
「わーい!」
俺が笑顔で言った事で息子も自然と笑顔になる。それを見て自然と俺も笑顔になる。ああ、まだまだ予斷を許さない狀況だけど頑張れそうだ。よし、俺の膝の上で一緒にいような。お?書類の邪魔はしない。やっぱりいけない事は分かるのかな?これはさっさと終わらせて春樹にかまってやらないとな!輝夜も調子が良ければ家族三人で過ごすのもいいかもしれない!
そんな風に幸せな時間を過ごしていた影響か。俺は翌日、シアーリス半島よりもたらされた報告に幸せな気分は吹き飛ぶことになる。
【ガルムンド帝國軍、越境を開始。數はおおよそ10萬】
No Side
「撃てぇ!」
シアーリス半島の付け、ガルムンド帝國との國境部に向けてとある帝國將校が號令を出す。その言葉と共に耳を壊しかねない程の砲撃音が響き渡る。発された砲撃は越境をするガルムンド帝國軍に降り注ぎなくない犠牲を出していく。しかし、そんな事お構いなしとばかりにその後方から兵士がどんどんとやって來る。そんな野砲を隠すように間に作られた防壁の上から兵士たちによる機関銃や小銃による発砲も行われ近づくごとに死を増やしていく。
「くそ! くそがっ!」
「全然減らねぇ! このままじゃ対応できないぞ!」
「準備をしてきたのは俺達だけじゃないって事かよ……!」
兵士たちは必死に引き金を引いていく。前に向けて放てば必ず當たりそうな程敵の數は多く兵の數では大きく劣る日本帝國の押しつぶさん勢いだった。
しかし、そんな彼らを救うようにブゥンという音が後方より聞こえてくる。
「っ! ゼロ戦だ! 空からの援軍だ!」
「いけ! 敵をやっつけろ!」
兵士たちは遙か後方に設置された飛行場よりやってきたゼロ戦の部隊に士気を上げ聲援を送る。そんな聲に答えるようにゼロ戦が襲い掛かる。見た事ない空からの攻撃はガルムンド帝國の兵士たちに混を與え、士気を大いに下げていく。そこへ放り込まれる野戦の砲弾はガルムンド帝國の兵士たちに恐怖を與えていく。
「よし! これなら何とか持ちそうだな!」
砲撃の號令を出す帝國將校はガッツポーズをして喜ぶ。しかし、その顔には余裕はなく未だに喜ぶには早い事がうかがえた。
実際に、ガルムンド帝國の混は一時間もしないうちに回復し再び津波の如き人間の群れを送り込んでくる。それらを相手に防衛に徹する日本帝國。
「今はいいが陸が何時までも持つわけではない。それに、海の心配もある……」
帝國將校がつぶやいた言葉はまさにその通りであり北部からガルムンド帝國が誇る大艦隊が秋津洲に向けて出港していた。しかし、日本帝國も聯合艦隊を出して周囲の警戒に當たっておりどちらも一進一退の攻防が続いているように見えた。そして、それはこれから行われる海戦の結果によりしづつ戦局が傾いていく事になる。
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