--- アルノルト Side ---「アルノルト様」「あぁ」

靜かすぎる。"攻められている”と報告をけたが、ガセだったのか？そのまま、フォイルゲン街に向かう事にした。

城壁まで來たが、狀況は同じだ。近くで戦闘が行われている様子は微塵もじられない。

「おい」

門番が俺達を止めた。ヒルダが一歩前に出て「アルノルト・フォン・ノース＝ライムバッハ侯爵と妻のヒルデガルドです」「これは失禮しました。しかし」

「ヒルダ、いい。お役目ご苦労。ステータスシートの確認でいいか？それとも、クリスに連絡をするか？」「いえ、侯爵閣下のご尊顔は、記憶しております」「そうか、でも、ステータスシートの確認はしておいたほうがいいぞ」「よろしいのですか？」「あぁそれが、君の業務だろう？」「はい。ありがとうございます」

門を通り抜けて、フォイルゲン街にった。さて、これからどうしようかと思っていると、後ろから、先程の門番が聲をかけてきた「侯爵閣下。申し訳ありません。辺境伯が、お會いしたいとおっしゃっています」「そうか、わかった。どうしたらいい？」「お待ちいただければ、馬車で迎えに來る事になっています」「わかった、待たせてもらおう」「ありがとうございます」

門番は、待合所に俺達を連れて行って、ここでしばらくお待ち下さいと、言って出ていった。

10分位して、先程の門番が待合所にってきた、迎えが來たようだ。迎えに來た者は、カロッサと名乗った。

當代のフォイルゲン辺境伯の教育係兼執事をしていると自己紹介をしている。

屋敷までは、馬車で5分程だという事だ。「カロッサ殿。狀況を教えていただけないか？」「狀況でございますか？」「あぁ俺達は、フォイルゲン領が帝國から攻められたと言われて、狀況を確認して、戦力を送る事を考えていたが、現狀が解らないと、何も出來ない。それに、この辺りまで、帝國軍が來ている様子がない」「はい。侵略軍は、國境の川を挾んだ所で、陣取ってきを見せません」「戦端が開かれていないのか？」「いえ、そういうわけではありません。すでに、數度の戦闘は発生していますが・・・・」「帝國側が本気で攻めてくる様子がない・・・って所か？」「その通りです」

そんな話をしていると、屋敷に付いたようだ。「侯爵閣下。辺境伯を呼んできます。こちらでお待ち下さい」

カロッサに案された部屋で待っている事になった。10分位してから、クリスの弟なのだろう、カロッサに連れられてやってきた

「はじめまして、ホラーツ・フォン・フォイルゲンです。アルノルト・フォン・ノース＝ライムバッハ侯爵様。お目にかかれて嬉しく思います。ヒルデガルド様も、お久しぶりです」

どうやら、ヒルダは面識が有るようだ。「フォイルゲン辺境伯。私の事は、アルノルトと呼んでください」「ありがとございます。私の事は、ホラーツとお呼び下さい。姉の被害者同士、いろいろお話をしたいのですが・・・」「そうですね。クリスティーネ殿の事なら、一晩でも二晩でも付き合いますが、今は、それ以上に話さなければならない事がありそうですね」「はい。やはり、アルノルト様にも、姉は無茶な事を・・・。あっそうですね。帝國の事なのですが、よくわからないのが現狀です」「先程、カロッサ殿からお聞きしましたが、攻めてきたのは、一箇所だけですか？」

ホラーツが、カロッサに承諾の意思でも伝えたのだろう「侯爵閣下。私から、詳しくご説明したいのですが、よろしいですか？」「えぇお願いします」

カロッサの説明では、馬車の中で聞いた話の補足になっている。報は、1時間程度毎に早馬で、この街に屆けられているらしいが、その狀況から判斷しても、本気で攻めてくる様子がない。

「そうか、ホラーツ殿は、クリスから攜帯電話を渡されているよな？」「はい。あの魔道ならあります」「1臺だけか？」「いえ、3臺渡されています」「そうか、それを戦場で使っていいのだけどな。報は、早いほうがいいだろうからな」「・・・いえ、高価なだと・・・」「ホラーツ殿。クリスから、どう言われたかわかりませんが、魔道よりは、領民一人の命です。報を早く得られれば、もしかしたら、助けられる命が出るかもしれません」「・・・わかりました。カロッサ。姉上から渡された魔道の使い方はわかるな？」

「勿論です」「守備隊に貸し出せ。一つを、お前が持って、二つを現場に渡せ」「かしこまりました。侯爵閣下。ありがとうございます」

カロッサが、一禮して部屋から出ていく。早速、攜帯電話を兵士たちに、渡しに行くのだろう。

「ホラーツ殿。俺も、一度戦場を見ておきたい。案を著けてもらえるか？」「カロッサに伝えておきます」「助かる。それで、他に困っている事はないのか？」

やはり、人手不足だという事だ。現狀、ホラーツが領主の館を離れられないのも、人手が足りないことに起因している。

「そうか、そえで、帝國のに関しては、手付かずなのだな？」「恥ずかしながら、防衛を行う事で手一杯です。他の領地や、國境は大丈夫なようですが、そちらへの警戒もしなければならないので・・・・」「いや、大丈夫。責めているわけではない。が正しければ、帝國軍も、そうそうに軍を引き上げると思っているのだけどな」「そうですね。帝國軍は、國境に軍を見せてから、まだ4日目ですから・・・首都から、國境まで一週間程度はかかるでしょう。それから、考えると、あと數日は・・・・」

「そうか、帝國の首都に行く方法は・・・ないよな？」「・・・そうですね」

「アルノルト様。帝國の首都に・・・それなら、今國境に來ている軍が引き上げる時に、闇に紛れてついていくのはどうでしょうか？」

そうだな。それが現実的だろうな。ゲートで都度帰ってくれば、バレル心配は殆ど無い。

「ホラーツ殿。今、フォイルゲン領は、帝國との易がなくなりと困る事はあるか？」「・・・・いえ、正確な數字は、カロッサに聞かないとわかりませんが、易の殆どは國向けです。帝國からの流はありますが、微々たるものです」「もし、橋を落としたら困るか？」「それは、今対峙している國境の橋という意味でしょうか？」「そうだ」「・・・掛け直しが難しい位で、それほど困る事はないと思います」「そうか、それなら橋を落としてしまおう。帝國からの攻撃で落ちた方が、後々渉がしやすいだろうから、小競り合いの時に、向こう側に潛り込んでから、橋を攻撃する魔法を放とう」「そんな事が？」「出來なくはないだろう。ヒルダ。大丈夫だよな？」

「はい。問題ないと思います」「作戦の許可は必要ない、俺が獨斷でくだけだ。ホラーツ殿。クリスから文句を言われたら、俺が勝手にやったと言ってくれればいい」「え？あっ・・・はい。でも、よろしいのですか？」「あぁ帝國の連中には、しお禮復讐をしたいと思っているからな」

「あっ・・・そうですね。わかりました。何も知らない事にします」「そうしてくれるとうれしい」

詳細な方法は告げないで、ホラーツの前から立ち去る。部屋の前で待っていた、カロッサに、対峙している場所までの行き方を教わった。

それほど複雑な事はなく、ってきた門とは反対側から出て、道なりにまっすぐに行けばいいようだ。早馬で半日程度だと言っている。

それなら、そんなに遠くないだろう。ヒルダとマルティナで、國境を目指す事になる。

馬車を用意するというのを、斷った。正直、魔法で移したほうが、早いのは間違いない。それに、ヒルダとマルティナだけだから、俺が抱えて移すればいい。

カロッサには、守備隊への紹介狀だけはお願いした。守備隊と話をする時に、分を証明する時間を省略する為だ。建前は、魔道の提供の為としてもらっている。

対峙している國境まで2時間程で到著する事が出來た。簡易的な砦が築かれていたので、兵士を捕まえて、隊長の所に案してもらう事にした。勿論、カロッサから貰った、紹介狀を見せた事で、スムーズに案してくれる事になった。