「こんなに人が多いのは初めてだに！」

「お父さんに連れられて、前に一度來たけどやっぱり王都は一味違うわね」

「わたしも村から出た事は無かったんで王都は初めてですが、狼の獣人がさっきいましたよ！」

「おうとにゃ！」

「さっきの屋臺で、何か辛そうないい匂いの食べが売っていましたよ！」

「かえってきた……」

「みんな元気かな？」

アルテッザは、門の紋章知っていたから初めてじゃないしね！

ホロウ、別に獣人差別がある訳じゃないからそりゃいるでしょ？

それとも本當に珍しい種族なのか？

やっぱりタマちゃんは゛にゃ゛って喋るんだね！

アニメで、にゃ、言葉を聞き慣れているから馴染むな。

イアンは食い気ですか……聲だけは可いのに殘念人？

養子の話も、斷ち切れていたから連れ帰ってきたふたりも嬉しそうだ。

俺もこんなに人が多いのは――。

仙臺の七夕祭りの方が人は多かったな。

ジャズフェスティバルと同じ位か……。

久しぶりに人に酔いそうだ。

「先に孤児院に寄ってからでいいかな？俺達につき合わせるのもなんだし」

者席の、俺の両脇で座っているに聞きながら馬車を進ませる。

孤児院はさっきの大手門から、左程離れていないらしい。

やっぱり貧しい人が住む場所は目立たない所ってお決り？なんだね。

人がなくなった道を進める事しばし――。

目の前に、屋に鐘が取り付けられている建が見えてきた。

どうやらそこが孤児院みたいだ。

馬車を孤児院の目の前に止めると――何事か！と、

ドアが開いて中から、妙齢の耳が尖ったと子供達が続々と出てきた。

へぇこんな若い人がここの管理を任されているのか。

というか、あれエルフじゃない？

「あら？二人ともいったいどうしたの？伯爵様の養になったんじゃ……？」

王子が代表して説明し始める。

話を聞き終わるとは、目に涙を滲ませ無事でよかった……。

そう言って二人を抱き締めた。

は俺達に深々と頭を下げ、

「この子達を助けて下さり本當に有難う座いました。王都でお困りの事があればいつでもご相談ください。申し遅れましたが、私ここの院長を務めております――フレイと申します」

エルフって事は、やっぱ見た目通りの年齢じゃ無いのかな？

聞いてみたいけど流石に聞けない……。

流石にに歳を聞くのは――ね！

しかもフレイっておしい！

フレイアならこの孤児院にぴったりだったのに！

穣かよ……。

こちらの用事が詰まっているんで早々にお暇する。

「次は宿だっけ？両脇の達が居なくなって、車席が寂しいのだけれど……」

「車席に行ったら、危ないっておねえちゃんに言われているにゃ！」

ちょ！何教えてくれちゃっているんですか！

さすがに本気じゃ無いと思っていたんだけど気のせいかよ！

「みんな中のソファーの方がいいって――私が代表して言いますね！」

だからぁ可いアニメ聲でそんな辛辣な事を言うの……。

止めてくれませんかね！マジ凹むから。

「コータ殿、宿の必要は無いですよ？」

「王子様それはどういう……」

「王都滯在中の、皆さんの寢食は王家で用意させて頂きますね！」

ニコニコ顔の、金髪ドリルの姫がそんな事を言ってきた。

王様、あなたクロとイチャイチャしたいだけでしょうに！

「セバス、車席でコータ殿に案をしてやってくれ」

「はい！畏まりました」

おいおい……俺の隣には老人かよ！

可い、わっちとの楽しい車席はどこにいった！

馬車の中は王子のハーレムと化し……。

俺の隣には、銀髪オールバックでモノクルメガネを付けたおじいちゃん。

ちょっとあんま近寄らないでよ！

頭の油の匂いが臭いんだから！

俺、父ちゃんにだってこんな匂い嗅がされた事無いんだからね！

そんなこんなで、隣のセバスさんの匂いが気になって、街をちゃんと観察する余裕すらなかった――殘念！

「コータ殿、その角を曲がって左へお願いします」

庶民の町から、一際立派な貴族街を通り案されたのは迎賓館！

うは、なんか一流の格式があるホテルみたいだなって……。

――迎賓館なら當然なのか。

り口の前で馬車を止め、皆を降ろす。

俺も降りようとしたらセバスさんから……。

「コータ殿、廄舎はこちらになっております！こちらへ移お願いします」

ちょっ！普通は、ホテルマンみたいな人が來て、廄舎に運んでくれるんじゃないんですか！

えっ、というじで思っていたら……。

表から察したのかセバスさんが、

「流石に、そのドラゴンライダーは他人では扱いきれないでしょう。ですのでお手數ですがお願いします」

お前のせいか！フロスト！

俺の視線に気がついたフロストが冷気を発して來た。

……解せん。

馬車を廄舎に持って行って、フロストから継ぎ手の金を外し廄へと移してもらい目の前に餌を用意してもらった。

やっぱ馬と違って草じゃないんだな。

一緒に旅をしていたから判っていたけどさ……。

を出してもらってご満悅だ……。

俺が迎賓館の中にると、みんな１階フロアロビーで紅茶を嗜んでいた。

「コータさんお疲れ様です」

「おつかれだに！」

アルテッザは優しいね！

やっぱ人したらって話は、本當気なのかな？

ポチは……ポチもありがとう。

他の皆は、出されたお菓子に夢中で聲すら掛けてくれないし――。

俺いじけていいよね！

「さて、コータ殿も來た事だし、今後の予定を説明するね」

えっ……王子様……俺達の予定全て管理されちゃっている訳？

そんな堅苦しいのは、俺嫌なのだけど……。

「まず今日は旅の疲れを取ってもらって、実際には明日からなのだけど――明日は王城で大臣達から褒の授與があって、それが終わったら、場所を王族のプライベート談話室に移して、そこで今後の打ち合わせ。その後がささやかな晩餐會だね」

褒はいいけど……。

今後の打ち合わせって何さ！

貰うものけ取ったら、帰っていいのでは？

しかも晩餐會って……。

あれでしょ？

んな貴族が集まって立食形式で會話する……。

あれは舞踏會だっけ？

なんだか面倒くさそうだ……。

「明後日が、王都の観と、近隣諸國の説明會」

というか、観まで管理されているのですか！

しかも……近隣諸國の説明會って何？

「我が、この世界の狀況を知る為に、王子に説明を頼んだのだ！」

さいですかぁー。

クロも、かなり長く留守にしていた様だから知らない事が多いみたいだ。

「まぁ一応、今決っているのはそんな所だね。何か要があったら言ってくれていいから」

要なんて言ったって、どうせ管理されるんでしょ？

言う訳ないじゃん！

「無い様なら僕等は、これで失禮するよ。これでもまだオワレスの件でやらなくちゃいけない事が多くてね……」

そう苦笑いしながら、王子と王と執事と護衛の５人は去っていった。

「ふぅ、やっと行ったか……」

「コータさん、なんか疲れていますね。大丈夫ですか？」

アルテッザ君が神に見えるよ！

是非甘えたい！

その後、迎賓館の豪華な中庭や絵畫、飾りつけられた壁畫や壺？

などを観察しながら、探検した俺達は個々に浴槽にり、

その後で、豪勢な食事を頂き寢室に移した。

えっ？陣と一緒の寢室じゃないのかって？

そんな関係じゃないのに無理でしょ！

誰も、一緒に寢ようなんて言って來なかったよ！

ハーレム展開が無い語ってどうなのよ！

作者に意義を申し立てたいね！

そんな事で朝。暖かなベッドに差すしはやはり眩しい。

また寢過ごした様だ……。

だって、俺だけ働き詰めで疲れてたんだもん！

仕方無いじゃん！

今度知り合うなら、者を変わってくれる人がいいな。

顔を洗ってみんなの集まっているロビーに行くと、

みんなは、當然もう起きていて優雅なお茶會を開いていた。

何故か？王も王付の、俺達ともそう年の変わらない、執事見習い？

を――連れてきており、クロと楽しそうにおしゃべりしていた。

「あら？コータ様、おはようございます。昨晩はゆっくりお休みになられた様で……」

その……が気になるのだけど。

何が言いたいの？

この寢坊すけが！ですか？

「おはようございます、ローラ王いらしてたんですね」

俺も、ちょっと嫌味言っちゃおっと。

こんなんだからモテ無いのか？

「ええ、クロ様ともっとお話がしたくて――昨晩から楽しみで早くに目が覚めてしまいましたの」

すげーな……クロ。

俺も、クロの爪の垢でも飲めばモテルかな？

でも竜の爪の垢って、不潔そうだよね！

クロがニヤっと笑った後に――睨まれた……。

げふんげふん。

「王様も、楽しまれている様で、何よりです」

その後、軽い軽食を食べいよいよ王城へ。

そうそう……。

朝食に、スライスしたチーズと真っ白でふかふかの発酵させたパンが出た。

やっぱりこの時代にもパンはあったんだね！

そりゃ、麥畑があるんだから當然か……。

俺の馬車じゃなく……。

王城から迎えに來た馬車に、皆で乗り込み王城へ。

迎賓館から王城へは、通りを２ついだだけで結構近い。

直ぐに小さな橋が見えてきて、橋の手前には守衛所が設けられており、守衛さんが３人外に整列して迎えてくれた。

さすがに王様も一緒だから、停められる事もなく素通りだ。

この橋、有事の時には、やっぱり上げ下げ出來るようになっている様で、

うちの馬車にも使われている魔素で鍛え上げられた、鉄のワイヤーで繋がれていた。

橋を渡りきり、開いていた鉄の門をくぐると……目の前には森林。

それを迂回する形で、王城の目の前に到著する。

玄関口には、執事服を著た人や騎士の格好をした兵士。

更には、メイド服を著た沢山のメイド達がずらりと並び出迎えてくれた。

おおぉー始めてみたよ！

本のメイドさん！

何とかメッセとかのイベントの、寫真でしか見た事無かったけど……。

寫真みたいに、膝上２０ｃｍとかのコスプレじゃ無く。

ロングスカートだよ！

しかも、ちゃんと折り目正しくビシッとしている！

いやぁ、何かこっちの方が萌えるね！

一歩前に出てきた執事が、コータ様一行のお越し快くお迎えいたします。とかなんとか言って整列していた皆で腰を折る。

なんか、偉くなった気がしてきちゃうね！

俺まだ１４歳なのだけど！

そのまま、案役の執事と騎士を先頭に謁見の間へ。

大きな扉の橫には、王家の紋章のピクシードラゴンをあしらった金の刺繍が施された、大きな旗が両側に二つ掲げられており――これから威厳のある場所にるのだと否が応にも気付かされる。

「コータ様一行のお越しです！」

騎士の聲によって、先を促され扉の中にると――。

最初は、両側に數の騎士達。

その奧にはビッシっとした正裝を著込んだ貴族？多分ね！

――が、並んでおり。

次に、老齢の威厳のあるじの男が二人並んでいた。

この二人が、恐らく大臣なのだろう。

赤い絨毯の――切れ目まで歩いていき。皆その場で腰を折る。

最初、肩膝じゃないの？って思ったら。

家臣でも無いので、これでいいと言われた。

正面には第一王子のアレフ。

続いて、第一王？

初めて見たが、綺麗な金髪は王子と同じだが――瞳のはブルーでローラ王が、元気なおてんば王だとすれば、病弱でお淑やかなじをける。

第一王の隣に、いつの間にか俺達と別れていた第二王のローラが並ぶ。

アレフ王子の真橫に、し遅れてってきたのが恐らく……。

王様の妃の、イザベラ王妃であろう。

歳３０代半ばの、日本でいえばまだまだ現役の綺麗なである。

髪は子供たちと同じく金髪で、腰に掛かりそうな位長く――。

ソバージュっぽいが、まったく雑なじはけない。

瞳のはエメラルドグリーン。

長はローラ王より、しだけ高い位か？同じ位であろう。

ただし、ローラ王の方が、髪を上げている為に背は高く見えるが……。

「王妃様から、お言葉を賜れる。しかと聞くように！」

大臣の注意？の後に、

し間をおいて、綺麗なき通った聲で王妃が語りだす。

「古竜のクロ様、並びにその庇護者コータ殿、そのお仲間の皆様方。ようこそ出で下さいました。本來であれば、私の夫アーノルド王が謁見するのが筋なのですが――生憎と闘病中で療養の為、その妻の私、イザベラが代役を務めさせて頂きます」

褒をこれに……小聲で大臣に指示を出す王妃。

正面に、お盆？を持った大臣が歩いてくる。

何やら、その上には紙が乗っているようだ。

俺、紙とか立場とか要らないよ？

そんなの貰っても嬉しくないし！

そう勘違いしていたら――目録だった。

王妃が、目録を読み上げる。

「この度の、オワルスター元伯爵の悪行を未然に防いで頂いたお禮に――金１０００枚。並びに國のどの街へも無稅でれる通行手形。寶庫より魔道を一つ進呈いたします」

へぇー、これからは一々街の場料払わなくていいのか。

しかも、貴族様と同じに並ばなくてもいいらしい。

金貨は使い道が無いから……。

何とも言えないが、貰えるは貰っておこう。

後は、魔道か……！

ロマンだねぇ。でもどんなのがあるかによるよね！

「ありがたく頂戴いたします。誠に恐悅至極でございます」

一度この恐悅至極って、使ってみたかったんだよね！

時代劇でよくやっているじゃん！

そこに痺れる、憧れちゃう！

退場を促され次は……なんだっけ？

あっ、そうそう。談話室だかで話だっけ？

もう帰っていい？

貰うものをけ取ってからか……。

だから目録だけなのか！

なんか良く考えられているよね！

さっさと渡したら、帰られるから後に渡すというの？

そんな事で、俺達は長い廊下を執事に案されながら進むのであった。

クロ？勿論――姿を曬して肩の上に乗っているよ！