《と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について》12話目 本の魔法を使ってみよう
ともかくシャルが落ち著いたので調理を再開する。食文化の違いが大きいためか手間取るところがいくつかあったがその慣れるだろう。やや時間がかかったが晝食も食べ終わったところで俺はシャルに一つ提案をする。
「シャル、魔法を練習してみないか?」
「え?! 私が魔法をですか?!」
この世界の常識では魔法は限られた人間にしか使えない。稀に平民にも魔法を使える人間はいて冒険者になったりするが、ほとんどの魔法使いは特別な家系の人間である。
魔法を使うためには使用者に微かでも良いので魔力が宿っている必要があるが、魔力が宿った人間はほとんどいないため限られた人間にしか使えないというのはある意味正しいのだが、エルフには當てはまらないのだ。
エルフは単純な膂力などが他種族に劣る代わりに例外無く魔力が宿っている。だがある理由からエルフの中でも『限られた者にしか魔法は使えない』と信じられている。
「で、でもリョウ様、才能がない人が魔法を使うと死んじゃうってお母さんが……」
案の定シャルもその迷信を信じているようだ。魔力が無い人間が魔法を使えば魔法は発せず何も起こらない。しかし魔力が足りないエルフが魔法を使えば魔力不足によってが々に弾け飛んで死んでしまう。これが迷信が信じられている理由である。
が弾け飛ぶという見た目のインパクトがでかい死に方をするせいか『才能ある者にしか魔法は使えない』という迷信は深く信じられている。膂力と引き換えに魔力を持っているというのに、その迷信のせいで魔法が使えず人間や獣人からいいように奴隷にされているのだから悲しい。
「それはある意味正しいけど、間違ってもいる。正しい訓練を行えばエルフなら誰でも魔法を使えるんだ」
「ほ、本當ですか?!」
魔力を能的に増やす方法はただ一つ、魔力を消費することである。それによって魔力がに馴染み保持できる魔力の量が増え、魔力が不足しない限り好きに行使できるようになるわけだ。
俺の説明を聞いたシャルはわかったようなわからないようなという顔をしている。まあいきなりこんな事を言われても困して當然だな。
「つまり魔力が足りないのに魔法を使おうとするから危険なんだ。だからまずは魔力をじることが出來るようになろう」
「わかりました!」
こうしてシャルは魔力をじる訓練を開始するのであったが、シャルはエルフの中でも特に魔法の才能があったのか僅か數日で魔力をじることが出來るようになったのだった。
シャルが魔力をじることが出來るようなった翌日、俺はシャルに本格的に魔法を教えることにした。
「よし、それじゃあ今度は魔法を使ってみよう」
「はい……」
しかしいつもと違いシャルの元気が無い。せっかく昨晩から魔力をじることが出來るようになったというのに朝食を食べてから様子がおかしい。集中力が無い狀態で魔法を使えばうっかり死んでしまうことも考えられるから今日はやめておくべきか……?
「シャル、どうした? 調子が悪いようだったら今日の訓練はやめておくか?」
「いえ! お願いします!」
やはりなんだか様子が変だ。やる気がある、というよりも切羽詰まった様子である。うーむ、ここで変に抑え込むのも卻って良くなさそうだし、しっかりと監視しながら訓練するとしよう。
「よし、じゃあ俺と同じ魔力量を使って同じ魔法を使ってくれ」
そう言いながら俺は指先からかなり小さな火を出す。単に火を出すだけの単純な魔法であることに加えその小ささもあり消費する魔力の量も相當に小さい。
この程度の魔法ならば現在のシャルでも十分に使うことが出來る。シャルは俺の魔法をじっと見つめた後同じ魔法を使用する。よしよし、この分ならなんとかなりそうだ。
「自分の魔力がどれくらい殘ってるかわかるだろ? 魔力が回復したらもう一度同じ魔法を使うんだ」
「わかりました……」
消費した魔力の量と増加する魔力の量は比例するため今回の魔法で増える魔力の量は極僅かだ。しかし塵も積もればなんとやら、地道に魔力を増やしていくしかない。強力な魔法を使えるようになればそれだけ魔力量のびも良くなるのでそれまでは我慢する必要がある。
ちなみに俺の場合はが弾け飛んでも大丈夫なので、そのあたりはサックリと無視して超強力な魔法を使って魔力量を増やしました。実はいまだに魔力が足りないくらい強力な知識魔法様様です。
閑話休題。
やはりシャルの様子がおかしいな。普段のシャルであれば魔法を使えるなんてことになれば興のあまり顔を真っ赤にしながら捲し立ててくるのだが、逆に何だか落ち込んでいるようにも見える。
シャルの魔力が回復するのを待ち、先程の魔法が使えるようになったので再度魔法を使用させる。使用後にシャルに殘っている魔力量を見てみると先程と比べて誤差の範囲だが多く殘っていることがわかった。
この調子ならば十年もすれば創造魔法を使えるようになるだろう。そうなれば我が家の臺所を任せることが出來るというものだ。魔法を使えるようになるよりも食材を集めた方が早い気もするが、創造魔法は使えると便利だから、ま、多はね?
12ハロンのチクショー道【書籍化】
【オーバーラップ様より12/25日書籍発売します】 12/12 立ち読みも公開されているのでよかったらご覧になってみてください。 ついでに予約もして僕に馬券代恵んでください! ---- 『何を望む?』 超常の存在の問いに男はバカ正直な欲望を答えてしまう。 あまりの色欲から、男は競走馬にされてしまった。 それは人間以上の厳しい競爭社會。速くなければ生き殘れない。 生き殘るためにもがき、やがて摑んだ栄光と破滅。 だが、まだ彼の畜生道は終わっていなかった。 これは、競走馬にされてしまった男と、そんなでたらめな馬に出會ってしまった男達の熱い競馬物語。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団體・國などと一切関係がありません。 2018/7/15 番外編開始につき連載中へ狀態を変更しました。 2018/10/9 番外編完結につき狀態を完結に変更しました。 2019/11/04 今更ながらフィクションです表記を追加。 2021/07/05 書籍化決定しました。詳細は追ってご報告いたします。 2021/12/12 書籍化情報を追記
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