《と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について》56話目 エルフの村の結界とか破られるために存在しているとしか思えない
順調に事が進んでいると思われた矢先に人間の、それも恐らくは貴族階級に屬すると思われる一団が訪れた。無論このことはシャルにとっては想定外の事態であり、何故、どうしてこの場所が分かってしまったのか分からずにいた。
「人払いの結界は問題なくいてるのに……」
一団についての報告をけた彼は現場へと向かいながら小さく言葉を零す。
最初に街を出る際に目立つ行を取ってしまった事、これからも目立つ行を取る事を考えて彼は事前に村全を覆うように結界を張っていたのだ。リョウであれば村を亜空間に取り込む等して理的に村を発見出來なくしたであろうが、シャルはまだその域に達していない。
それ故結界もそれ程強力なは作れず、あらゆる生命に見つからないようにすることは出來ないため、人間が無意識にこの場所を避ける程度の効果しか持たせることが出來なかったが、そのことを逆に利用して敢えて噂を流したままにしておき、人間以外の、エルフやドワーフなどが自らこの場所に訪れることが出來るようにしていたのだ。
いくら用いた結界が強力でないとは言え、それはあくまでもリョウという規格外の存在と比べての話であり、そもそも結界という魔法自をリョウとシャル以外が知らない以上対策など存在するはずも無かったのだ。では何故彼らはこの村に來ることが出來たのかと言えば、シャルがエルフを購した寶飾店の人間たちが原因である。
彼らが護衛を用意するという提案はシャルに斷られてしまったものの、素直に引き下がれるような話ではない。シャルが支払った金額はそこらの冒険者や市民では到底支払える額では無かったため、彼らはシャルがどこかの、それも位の高い貴族の娘であると考えたのだ。
有力な冒険者であればそのような額も用意できない訳ではないが現実的ではなく、加えてシャルの容姿であれば自然と話題になっているはずである。だが冒険者としてのシャルの報を摑んでいる人間は彼らの中には誰一人おらず、どこかの貴族の箱り娘であるという推測の方が自然に思われたのだ。
そのような人間が萬が一にも、自分たちの店で買いをした後にどこかで死んでしまうようなことがあってはその家の當主にどのような罰を與えられるかわかったものではない。しかしシャル自に護衛を斷られてしまったため、數鋭の護衛にかに尾行させるという手段を彼らは用いたのだ。
盜賊らがシャル達に襲い掛かった時、護衛達は即座に行を起こそうとしたが、そうする間も無くシャルが魔法を用いて全滅させてしまった。ここでシャルにとって不幸だったのは、シャルの魔法が一般常識からあまりにもかけ離れていたため、護衛達が呆然としてしまったことである。
彼らが姿を現す前にシャルは自がエルフであることを明かしてしまい、目的地へと移し始めてしまった。護衛達の目的は最早當初の目的から切り替わり、シャルの正を確かめるために尾行は続行された。
その結果、結界を張る前から村の存在を知られてしまうこととなり、そうなってしまってはシャルの張った結界の持つ効果では村の隠蔽を行うことが出來なかったのだ。そしてシャル自の異常、ひいては村の住人たちの異常が人間たちに知られてしまい、使い道などを決める議論や駆け引きが行われ、とうとう彼らが村に訪れたのだ。
このようなことをシャルが知る由もないが、彼の計畫が初めから破綻していたことも知らずに済んだのは不幸中の幸いと言えるかもしれない。
「人間の方達が一どのような要件でしょうか」
現場へと向かい招かれざる客達にその意図を問いただします。未だ師匠以外の人間に対して苦手意識があるためか、それとも彼らの思に予想がつくためか、私の口から出た言葉は険を含んだものでしたが、気にすることではないでしょう。
「ほう、報告に一際しいエルフとあったが、程、想像以上のものではないか」
代表と思われる人間の男が私の方を見るとその眉を上げ、じろじろと私のを見てからようやく出した言葉は私の質問に答えるものではなく、私のことなどまるで相手にしない容でした。そのことに怒りを覚えたわけではありませんが、しだけ語気を強めて私は再度尋ねました。
「質問に答えてください。人間のあなたたちが一何の意図があってここに來たのですか」
そんな私の態度が気にらなかったのでしょうか、一度『フッ』と鼻で笑い、それからようやく質問に答えました。
「なに、簡単な話だ。今度からお前を戦爭に使ってやるからついて來い」
そう男が言うなり近くにいた鎧を著た兵士二人がこちらへと歩いてきます。恐らく私を捕まえるためでしょうが、男が口にした言葉があまりにも酷かったために唖然としてしまいしだけ反応が遅れてしまいました。とは言えその言葉に従う道理は無いので強化を用いて二人とも軽く突き飛ばします。
「ふざけないでください。どうして私があなたたちに従う必要があるのですか」
鎧を著た人間をエルフが突き飛ばせるとは思っていなかったのか、男は驚いた表を見せましたが、すぐに表を取り繕い吐き捨てるように言葉を述べます。
「いいだろう、しだけ考える時間を與えてやる。せいぜい辺には気を付けることだな」
そうして結局、彼らは言いたいことだけを言うなりどこかへと行ってしまうのでした。
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