《と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について》152話目 また何かやっちゃいました?
時間の流れの早さとは斯くも無慈悲なものである。私にとってはついさっきのことであったが、君たちにとっては1年近くも経っているのだから。この調子では気が付いたら私もあなたもおじいさんおばあさん、そしてあなたはもう死んじゃってたのね、なんてことになりかねない。
いかんいかん、考えが逸れた。
とにもかくにも、ドワーフという鍛冶に一家言も二家言もある種族のアンが明らかに異種族である俺に弟子りを申し出るというのは、世界的に見ても相當に珍しい話のはずだ。名譽があるヤツや、無暗矢鱈に面倒見の良いヤツなら『YES』と即答するだろう。が、俺はどちらにも當てはまらないし、『NO』と言える日本人なんだ。アンの持ちかけてきた話にメリットが見えない以上、弟子として面倒を見るのは文字通り『面倒』だ。さりとて、ここで拒否して送り返したとしても、彼が諦めずに再度ここに突撃してくるのは簡単に予測がつく。それに、無慈悲な『NO』を突きつけるのは気が引けるし…………。
え? さっきと言ってる事が違う? いや、『即答はしない』ってだけだし……。『NO』って言うつもりだし……。
『うーん』と唸り聲をあげつつ天を仰ぎ見る。するとシャルの研究棟に今まさに突っ込んでいくドラ助が見えるではないか。嫌なものが見えた。見なかったことにしたい。『どんがらがっしゃーん!!』とけたたましい音を鳴り響かせて棟は無殘にもゴミの山と化す。シャルは天を仰ぎ、顔を覆った。嫌なものを見てしまったようだね。なーむー。
一連の流れに呆気に取られている様子のアンを見て、ふと思った。今でこそシャルはこの森の中を自由に歩き回れており、山を駆ることおじいさんが芝刈りに行くが如く、野の恵みを採ることおばあさんが川に洗濯に行くが如くであるが、最初は護衛なしではとてもではないがそんなことはできなかった。コイツどうやってここまで來たんだ? クソ猿やクソ蝙蝠、優しいゴリラさん、その他大勢の愉快な仲間たちが群雄割拠しているこの森は、俺を除く人類が踏破出來ていない領域である。しかし、目の前にいるアンはたった一人で、そして俺の見立て通りなら大した戦闘技もなしにここまでたどり著いているではないか。數にものを言わせた軍にも、外の基準では類稀なる戦闘力を持つ冒険者にも不可能だったこと、アンは単で、それも戦闘力もそこそこでし遂げたのだ。
「気になるな……」
ぽつり、と言葉が口かられる。
「なあ」
「えっ?」
「お前どうやってここまで來たんだ」
「えっと、歩いて來たんだけど……」
「いや、そういうベタベタなボケはいいから」
「えっ? えっ?」
どうやらボケではなく素だったらしい。自の発言の何がおかしかったのかが分からないからか、アンは壊れかけのラジオの如く『えっ? えっ?』と繰り返している。このままではいつまで経っても答えが聞けやしない。そこで俺はアンの両肩を摑み、彼の顔を正面から見つめながら『いいか』と説明をする。
「この森には危ない生きが數えるのもバカらしい程いたはずだ。だからこそ、これまで誰もここに來れなかったし、これからも來れないはずだった。それなのにお前はここにたどり著いた。どうやってだ? 一どんな手段を使ったんだ? お前じゃそいつらを倒すなんて無理のはずだ」
湧き上がる好奇心を抑えつつ、しかし抑えきれない一部が洩れ出してしまう。それ程の衝撃だ。これまでも予想と違う事は多々あった。思った通りにならなかった事も多々あった。だがそれらは、悪い意味での予想の裏切りであったり、期待以下の結果だったりと、そういった類のものだ。
それ故に初めて、この千年で初めて予想を裏切られた・・・・・・・・・・・・・・・・。それも、どうでもいいような小さなことではない。ほぼ未來永劫つづくと考えていた事態が唐突に破られたのだ。
「あ、ああ、そういうことか」
そう、彼は何でもないことのように言いながら『ちょっとこっちに來てくれ』と俺らを先導する。その態度に――実際彼にとってはそれ程大したことではないのだろう――俺は『やらかしたことへの自覚はないのか』と考え――
「ああ、なるほど」
「どうしたの? 師匠」
「いや、なんでもない。うん、なんでもないさ」
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