《金髪、青目の人エルフに転生!》第九十九話 ジェイドのために

私が目を開けると、倒れたジェイドを揺さぶるマリアが目にった。

「な、な、なんで……?!」

「ソフィ! ジェイドが……」

明らかに、魔力がじられない。え、どういう、事? 何があったの?

多分、私はられてしまった。そのあと、何があったのか。何も、わからない。

「ソフィ、大丈夫? ごめんね……」

エベリナが私の視線を遮るように立つ。そのまま、抱きしめられた。

まだ、狀況がよくわからないのだけれど……? 何があったの……?

「とにかく、ここを離れよう。クッ、もうダメか……」

「え、ちょっと待ってよ、どういうこと?!」

「ソフィ、なんにも覚えてない?」

エベリナの言葉に、私は頷く。何も、わからない。

「でも、とりあえずはここを離れよう? あとで、ゆっくり、話すから……」

「う、うん。わかった……」

私たちは、移魔法で國に飛んだ。

「だから、こういうことになったんだよ」

「そんなぁ……。私、ジェイドに、あれほど……」

無茶するなって、言ったのに。死なないでって、言ったのに!

殺していいって、言ったのにな……。全く、やっぱりコイツは、私の命令は聞かないな。

「魔力を移する魔法なんて、ないでしょ?」

「うん、なくとも、私にはできない……」

「ソフィにできなければ、私たちに出來るはずがない」

コンチータの顔がし浮かんだ。彼は、すごかったなぁ。

魔力移、か。私の魔力とジェイドの魔力は違いすぎる。このままれても意味が無くて、死ぬんだろうなぁ。

ん? 難しいのは、魔力の形を変えること? ってことは……。

「ソフィ? どう、したの?」

「魔力の形を、変える」

私は、魔力のコントロールをはじめる。散々やった、たくさんの魔法を思い出しながら。

ジェイドの魔力の雰囲気は、はっきり覚えている。優しいけれど、どこか鋭い、ジェイドの魔力。

「何、しようとしてるんだ」

「魔力を、なじませる」

ジェイドにそっと、魔力を近づける。を包むようにした魔力は、ジェイドの髪と同じ、翡翠に変わっていく。

ジェイドの魔力は、綺麗な緑。翡翠。誰よりもしい魔力……。

「そ、ソフィ? そんなこと……」

「魔力を、渡す」

しずつ、全からジェイドのに魔力をれていく。

こんなもので功するとは思っていないけれど、できる限りのことは、やりたいでしょ……。

中にれる魔力の量は、5000。神級魔法五回分。これだけあれば、し位、うまくいくんじゃないかって、思っちゃったので。コントロール分を除き、私の使える、最大の魔力でも、ある。

私のせいで、死ぬなんて、許してあげないんだからさ……。

私は魔力のコントロールをやめた。ふわっと私の周りに魔力が集まる。

薄い桃の魔力は、私のローブと同じ。私の魔力だ。

でも、全部の魔力が、桃じゃ、ない? 緑の魔力が、ふえていく…………。

まさか、うまくいったって言うの?!

「う……、あ……。あれ?!」

「ジェイド!」

ジェイドは、目を開けてくれた。なんとか、なったんだ……。

こんな高度なこと、滅多にしないし、コントロールに馬鹿みたいに魔力使う。私しか、できないだろう。ああ、コンチータは似たような魔法使うっけ。

「無茶するなって、言っただろ。殺していいって、言っただろ?!」

「わかってますよ、ソフィア様。でも、私は、どうしても……。守れなかった」

全く、心配ばっかりかけるんだから。私も人のこと言えないけれど、使い魔なんだよ?

でも、なんでかな。ジェイドも、考えがあった、のかもしれない。

「本當は、そんなに必要じゃないと思ってたんですけれどね」

「お前は阿呆か。死ぬところだったんだよ?」

「でも、結果的には、全員助かったじゃないですか」

「それは結果論! 危ないことしないでよ!」

「それはソフィア様だって一緒でしょう?!」

3人は笑いながら私たちを眺めている。アルラウネたちは逃げた。

にしても、みんなは、どうして……。

「どうして、來たの?」

「ん? ああ。なんか、すごい発音が響いたもんだから、驚いて來たんだ」

「そうしたら、ソフィがジェイドさんに杖向けて殺そうとしててさぁ」

「びっくりしたぞ。急いで助けにった」

「ええええ?!」

そんなことっ?! 私、ジェイド殺そうとしてたの?!

られていたとは言え……。そんなこと、許されることじゃないよね。

「ごめん。なんか、いろいろやっちゃったみたいだね」

「いえ。それより、他の場所ですよ。どうなっているのやら」

確かに! ほかの場所は、なんとかなったのかな?!

「ソフィア様! ご無事で何よりです」

「アリアン! よかった。狀況は?」

「ジェイド様が消えてしまったので最悪でした」

「でした?」

過去形? ってことは……。

「ソフィア! なんとか勝てたよ」

「フェリ! ありがとう!」

海側は、倒せたようだ。あとは、そのへんの兵士を、どちらかといえば狩ってるじ?

フェリは笑っているけれど、だいぶ怪我をしてる。ただ、魔力はもうないんだよなぁ……。

「無理、しなかった?」

「んー、平気だよ。サウルが怪我して帰っちゃったけど」

「そう。死人は?」

「味方? ちょっとだけ、ね」

そっか……。まあ、ちょっとで済んだなら、いいほうだろう。

なにせ、これは戦爭。しかも、結構規模の大きい。世界単位で関係のある戦爭だ。

フェリは、これくらいなら平気と言って、治癒をさせてくれない。ジュースがあるから、平気なのに。

サウルは治癒師がやってくれたらしいから、平気だろう。じゃあ……。

「ほかの場所は? 聞いてる?」

「平気だっては、聞いてるけど……。まだ、將軍を倒したって連絡はないね」

「そう。じゃあ、行ってみる。ありがとう」

まだ、倒せてないのかな。急いで見に行かないと!

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