《金髪、青目の人エルフに転生!》第百十三話 二月のお祭り

「ソフィア様! もうちょっとで死ぬところだってんですよ!」

「ご、ごめん。まさか、あんな事になるとは思ってなかったの」

ジェイドが怖い。すごい怒ってる。

どうやら、やっと追い付いた時、聲かけようと高度を下げていたら、崖から落ちる私を見たとか。

で、またどこに行ったのか分からず、うろうろしていたそうで。

「でも、私は生きてるし、スライムが仲間になったよ」

「そういうのを結果論って言うんですよ! 気をつけて下さい!」

「はい……。今度は絶対に安全なところにしか行かないよ」

ジェイドはため息をついて部屋から出て行った。

まったく、帰って來ていきなり『何やってたんですか』から始まる説教はやめてしい。

そこから一時間も言い合いになった。やっと解放してくれたよ……。

ベッドに座ると、鳴きながらゆきちゃんが膝に乗った。寒いのかな。

ゆきちゃんをでながら外を見ると、天使エンジェルが扉をこんこん、と叩いていた。

「今日は大変でしたね。まさか、あの人が一時間もここに居るとは思わなかったから、結構待ちましたよ」

「あれ、ごめんね? っていいけど、れる?」

扉を開けに行く事は出來ない。ゆきちゃんは、一度座ったら意地でもかない。天使エンジェルは何か唱えると、窓はひとりでに開いた。鍵もかかってたんだけどね。

ふわっと羽をたたむと、いつものように窓枠に座った。

「一つ質問があって來たんです」

「何?」

「ええ……。サークレット、使ってませんよね?」

あ。でも、今日の杖みたいな事になりそうで怖いんだよね。

と思っていたら、天使エンジェルがそれは勝手には外れない、つけたものの意思が無いとはずれないようになっている、といった。

「勝手に心読むのは止めようよ」

「え? ああ、そうですね。そのサークレット、トレア様と連絡しあうためのなんですよ」

「あ、そう、じゃあつけてた方が良い?」

「もちろんですよ。何のためにあなたの下に渡ったと思ってるんですか?」

仕方ないなぁ。私はサークレットを引きだしから取り出して頭に付けた。

これ、本當に急に魔力が増えるからびっくりするんだよなぁ。あんまり著けないのはそういうわけだけど、天使エンジェルは寢る時につけていても構わないと言った。それなら関係ないだろう。って。

「だから心読むのは止めなさい!」

「ええー。いいじゃないですか、楽ですし」

「びっくりするんだよ。止めて」

天使エンジェルはちょっと殘念そうな顔をして、それからサークレットをつけた私の顔を眺める。

は、私とトレアがよく似ていると言った。そうなのかと訊くと、トレア様の子供のころに似てる、と呟くように言った。

「子供の頃、知ってるの?」

「ええ。私はもともと神だったのですが、ある事をして、落されたのでね」

「ある事?」

「ある神の方を持ちました。その方は、嫌われ者でね……」

それだけで、神から天使の最下級まで落とされるの? そんな馬鹿な……。

ちょこっと微笑むと、翼を広げてびをした。

「そろそろ帰らないと。じゃあね」

「また今度」

「今度は、もうちょっとゆっくり話しましょうね」

「ねぇねぇソフィア、バレンタイン!」

「……、は?」

「何作ろうかな、楽しみー」

數日後。クララとルアンナが楽しそうに話していた。こっちにもバレンタインが?!

でも、また面倒だな。どれだけチョコ作る事になるんだろう。マジで……。

溶かして固めるだけならクッキーよりずっとましだ。焼いたりするのはひどく面倒だからね。

「みんなは、あげる人決まってるの?」

「當然、リーダーにはあげるよ」

「それは當然だよね」

そうか……。この子たち、本命いないのかな?

でも、どこまで地球と同じなのか分からないから、一応確認しておこう。

説明では、同じだと思う。ただのチョコ配るイベント化してる所もあるけどさ。

「でも、やっぱり本命がしいところだよね」

「わ、私はお兄ちゃんに……」

「はいはい。そういえば、リリアーナ様はどうするんだろね?」

ああ、そういえば。それは楽しそうだなぁ。あとで見に行こう。

あれ? リリアーナ、今日はどこに居るんだっけ? もしかしたら、レルフィアに居るかも!

「バレンタイン? 作るよぉ、本気でぇ」

「そっか。ふふふ……」

「な、何ぃ?! そんなに楽しい?!」

「相當ね」

さて、フェリオスはどんな顔をするんだろう? って言うか、リリアーナの方に興味がある。

エベリナとマリアはどうするんだろう。2人も作るのかな? 友チョコもあるだろうし。

私? 全員分ってことになっちゃうよね。一斉に作ってパーティーにでもして配れば良いよ。

多分、この國は相當なお祭り好きがそろってるから、パーティーになるだろう。それほど余裕があるってことだけど。

門のバリアは強力化されて、周りも魔族を弾く結界を張った。悪魔も怪しいのだけれど。

「さて、何作ろうかなー」

當然、リーダーには特別だしね。何作ろうか。トリュフ? 生チョコ? 何でも作れるけどなー。

    人が読んでいる<金髪、青目の美人エルフに転生!>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください