《金髪、青目の人エルフに転生!》第百二十六話 魔王さん
「初めましてだね、勇者さん」
「?! な……」
1人の人が、窓枠に座っていた。
足を組んで、手を腰に當て、もう片方の手は下におろして、窓枠を摑んでいる。風が吹くと、長い髪が風にたなびいた。
そこに居たのは、私たちくらいの、可憐なだったのだ。
「ここに來るまで、大丈夫だった?」
「隨分なおもてなしだったじゃない、魔王様?」
「え? なんのこと?」
魔王は、キョトンとしたような顔をする。そんな顔をされたら、こっちは拍子抜けだよ。
でも、ほんとに知らないみたい。じゃあ、あれは何だったのかな?
って言うか、すぐそばでコンチータと戦ってたんだけど? 何故知らない?
ちょっと待って、整理しよう。
まず最初の問題だけど、魔王は戦う気が無い? 今の反応だと、そんなじだと思う。もしくは、戦っている事を知らないか。
 それなら、この戦いのリーダーはだれか。大、なんでそれなのにあの手紙を送って來たのか。そして最大の問題は、魔王がなんで狀況を理解していないのかだ。
「……外の様子、知らないの?」
「このカーテンは、音も、衝撃も、魔力の波も、全て遮ってしまうから」
「そう。じゃあ、聞きたい? あんまり嬉しくないと思うよ」
「え? な、なに? でも、一応聞きたい、かな」
なら、問題はない。私は全て言ってやった。
外に大量の兵士がいたから、私が全ての魔法オール・マジックでみんな消してしまった事。
生き殘りをマリアがり、まだ殘っていた人はリリアーナの餌食になった事。
アリシア達と戦って、最終的にハリケーンで城ごと飛ばされていった事。
すぐそこで、コンチータとジェイドが戦った事。
その後、何者かに落下させられた事。すぐにその人が消えてしまった事。
そう、全部だ。
「噓だ……。せっかく戦う気が無いってことを証明しようと思ってたのに……」
「あのさぁ、これ、どういう事なの?」
「私が聞きたいよ……。と、とりあえず、私の名前はダイアナ。もう分かってるね、魔王だよ。私の意思としては、勇者とはできれば戦いたくない。おそらく、これの指揮は全部アリシア」
おそらくって、おい……。なんで魔王がそれを知らないんだよ。勝手にここまで大がかりに私たちを殺そうとして來れるものなのか?
で、戦う気が無いってどういうことだろう。
「私があの手紙を送ったのは、平和に過ごしませんか? って言いたかったから」
「じゃあ、なんでその時にそう言ってくれなかったの?」
「だって、噓っぽいでしょ? だからだよ」
「余計に戦う気がありそうに思えるよ……。で? アリシアはどうなってるわけ?」
飛ばされてったからすぐには戻ってこないと思うけど。一応、今の最大の敵はアリシアっぽい。魔王じゃない。なら、アリシアの事を知らないと。
魔王……、えっと、ダイアナはし考えたような仕草をしてから、それより、と言う。
「君、エメラルドくんだよね? 久しぶりだね」
「だ、ダイアナ様……! ご立派になられて。ダイアモンド様に良く似ていらっしゃいます」
「見ないと思ったら、勇者についていたなんてね……。でも、會えてうれしいよ」
んん……? ダイアモンドに似てるって、ええ?
「ちょっとちょっと! ジェイドの前の主人って、魔王様?!」
「あ、その……。ああ、どうしようかな……」
「全部言ってしまおうか? 最初から。ほら、そこの子たちが理解できてないから」
あ……。そう言えば、リリ、マリ、リナは何も知らないんだった。ジェイドに、前、主人がいたことすら。
ってことは、本當に最初から話して貰うべきかもしれない。私も、知らない事が多すぎる。
「順番がバラバラでごめんね。それだけ分かれば十分だから、話すのはちょっと待って」
「は、はあ……」
「ソフィアさんがさっき攻撃されたって言ってたよね? それ、多分アリシア」
「うそ?!」
「あの子、移魔法で帰って來たんだよ……。もうこの辺に居るかもしれないから、バリアはっておくよ」
そう言うと、ダイアナは守備魔法を応用したバリア魔法を部屋全に張った。
このバリア魔法は、外からの衝撃に強く、中からの衝撃に弱い。まあ、こちらから攻撃しようと思えば可能ってわけである。
「じゃあ、そうだなあ。三人は何が知りたい?」
「ふえっ?! えっと、ジェイドさんって、何者?」
「というか、お前が何者なんだ? ダイアナ。魔王は復活したわけじゃなかったのか?」
「あー、はいはい、訊いた私が悪かった。うん、全部言うよ。じゃあ、エメラルドくん、先お願い」
「ええええ?! なんでいきなり振るんですか?! はあ……」
なんだか、見ていていらいらするな。ちょっと、ジェイドが一番楽しかった時知らないみたいな覚。そして、その友達がとても仲良さそうで、1人おいてかれちゃったみたいで、悔しいって言うより、もやもやするよ。
「じゃあ、ソフィア様は知っている事ですけれど、そこから行きますね」
ジェイドは、深呼吸して話しだした。
【1章完】脇役の公爵令嬢は回帰し、本物の悪女となり嗤い歩む【書籍化&コミカライズ】
公爵令嬢のアサリアは、皇太子のルイスに婚約破棄された。 ルイス皇太子が聖女のオリーネに浮気をして、公爵令嬢なのに捨てられた女として不名譽な名がついた。 それだけではなく、ルイス皇太子と聖女オリーネに嵌められて、皇室を殺そうとしたとでっちあげられて処刑となった。 「嫌だ、死にたくない…もっと遊びたい、あの二人に復讐を――」 処刑される瞬間、強くそう思っていたら…アサリアは二年前に回帰した。 なぜ回帰したのかはわからない、だけど彼女はやり直すチャンスを得た。 脇役のような立ち振る舞いをしていたが、今度こそ自分の人生を歩む。 「たとえ本物の悪女となろうと、私は今度こそ人生を楽しむわ」 ◆書籍化、コミカライズが決定いたしました! 皆様の応援のお陰です、ありがとうございます! ※短編からの連載版となっています。短編の続きは5話からです。 短編、日間総合1位(5/1) 連載版、日間総合1位(5/2、5/3) 週間総合1位(5/5〜5/8) 月間総合2位
8 66草魔法師クロエの二度目の人生
6/10カドカワBOOKSより二巻発売!コミカライズ好評連載中! 四大魔法(火、風、水、土)こそが至高という世界で、魔法適性が〈草魔法〉だったクロエは家族や婚約者にすら疎まれ、虐げられ、恩師からも裏切られて獄死した……はずなのに気がつけば五歳の自分に時が戻っていた。 前世と同じ轍を踏まぬよう、早速今世でも自分を切り捨てた親から逃げて、〈草魔法〉で生きていくために、前世と全く違う人生を歩もうともがいているうちに、優しい仲間やドラゴンと出會う、苦労人クロエの物語。 山あり谷あり鬱展開ありです。のんびり更新。カクヨムにも掲載。 無斷転載、無斷翻訳禁止です。
8 121地獄屋物語
「地獄屋と申します」 地獄屋 それは地獄を売りつける仕事 別名、復讐とでも言おうか 地味すぎる、あだ名「ブス子の」女子高生 でも実際は超絶謎の美少女!? 彼女は一體何者なのか? 地獄屋とどのような関係があるのか? 「選べ このまま過ぎる時間で終わらせるか それとも…地獄を売りつけるか」 赤い瞳の正體不明の人物 地獄屋との関わりの中で変化する思い 高校生ならではの胸キュンストーリーも ちょっと不思議な青春を描いた物語が始まる ※ど素人作です。 たまに変な部分があるかもですが 溫かい目でご覧ください 更新周期は特に決まっていませんが 學生なので忙しかったりします なるべく早めに更新します
8 107SNS仲間で異世界転移
とあるSNSオフ會で高校生5人が集まった。 そのオフ會會場、カラオケ屋のリモコンにあった「冒険曲」ではなく「冒険」の選択アイコン。その日、カラオケルームから5人が一斉失蹤を起こした
8 63異世界から帰ってきた元勇者
異世界に行く前の日常から突如召喚魔法により異世界に召喚された勇者は魔王を倒し最強の稱號を手に入れ。やっと帰還できた勇者は元の世界を謳歌する!
8 78こんにちは!この世界の勇者を倒しに來ました!〜『世界』を旅する転生旅行記〜
ある日、トラックに轢かれたワタルは、どうみても悪魔な自稱女神に異世界の勇者を倒す使命を任されました!? コメントや、いいね。もしくはお気に入り登録していただけると、制作の勵みになり、作者が小躍りします。ぜひよろしくお願いします!
8 189