《拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。》拝啓、❬大神父❭さん。今日こそ勝利を。
「ハァ……」
大きなため息を一つ。
何せ、起きてすぐに俺が死にかけた理由である❬大神父❭さんと戦わなければならないのだ。
……嫌に決まってる。
「死にかけたとはいえ強くなってるのも確かなんだよなぁ……」
自分自の長をじられるほどには強くなっている。
まず、通常狀態での❬聖銀の雙剣❭の出力……つまり切れ味が上がった。流れる魔力の量に比例して切れ味が上がる、というのがこの剣の特徴だが俺の魔力量そのものは変化していない(魔力の質は変化したかもしれないが……)。
おそらく、流れる魔力の度、、が上がったのだと思う。雙剣の魔力がになることで流れる魔力量がより多くなった。
これは、魔法を使いこなせるようになるための魔力作の練習の副産だと❬大神父❭さんが言っていた。
もう一つ。何よりも……戦闘に関する技が全的に上がった。
これは、まあ……。例の神父の鬼のような鍛練のおかげ。
「さて……❬大神父❭さんとの修行も実質今日で最後か。今日中にはあの人倒さないと❬法皇❭の報もらえないのか……」
あの……バカみたいに強い人に、しかも1日寢てた狀態で?
「……ムリゲーすぎる!」
あまりにも無慈悲な事実を前に俺は顔を青くしてぶしかなかった。
「ハァァ……」
俺はまた、一つ大きなため息をついた。
そして、❬大神父❭さんの待つ庭に出た。
「來たね。準備運はしっかりしてきたかい?ケガしないよう気をつけて」
「はい。もうケガはしませんよ」
俺なりの『あんたの攻撃はもうけない』という意を込めた挑発だった。
「……そうだね。でもやっぱりケガはつきものだよ」
❬大神父❭さんはその意味を汲み取ってくれたようで聲のトーンをし低くしてそう言った。
無言で《アイテムボックス》から雙剣を取り出す。
良かった。魔力が変質しても《アイテムボックス》は使えるようだ。
「じゃあ……。お願いします」
「今日はどうもよそよそしいな。口先も回る」
❬大神父❭さんはそこで一度言葉を切った。
そして一呼吸置き……
「君、寢てる間何してた?」
その言葉を紡いだ瞬間に俺との距離を消し、自らの槍を振るった。そこに一呼吸も何もない。『神速』と例えるに値する攻撃。
しかし……何かが違った、、、。❬大神父❭さんが、ではなく俺自が。
雙剣をこの手に握ったその瞬間からその違和はじていたハズだった。それまでにじていた不安は消え失せ、軽口を叩きながらも不自然なくらいに❬大神父❭さんのき一つ一つが見えていた。
しかし……あまりに違和の無いズレだったのだ。
攻撃をけて初めてその違和をじていたのだと理解した、、、、。
視界が、いや全ての覚が鋭すぎる。何もかもが明クリアに映る。まるで今まで見えていたものが無駄な報で濁っていたかのよう。
明らかに、前までの自分とは違う。
キィンッ!!!
銀の剣と槍とがぶつかり甲高い金屬音を生み出す。
❬因果逆転の魔眼❭を発……というよりも勝手に発する。そして未來が視みえた。
視えたのは❬大神父❭さんが槍を橫に振るう姿。
……本來なら。いつも通りならば、見える未來はそこで終わっている。しかし今は違った。
その先までもが視えた。
魔眼に映ったのは橫に振るった槍を回避して反撃する自分の姿。
そして、その直後全く同じ事が起こる。❬大神父❭さんは槍を橫凪ぎに振るうが俺はそれを避け、すぐさま反撃を行う。
いや、行うというよりも行われた、、、と言うべきだろうか?
俺のこの狀態は『暴走』していると言うにふさわしい狀態だった。反的に次の行をが行っている。俺の理が追い付かないほどの速度で。
その後も❬大神父❭さんの猛攻が続いたが、全てけ流した。この猛攻は一昨日の修練と同じ、それかそれを上回るほどの猛攻だったのに対し、俺はそれをいとも簡単にけ流すことができていた。
徐々に戦いのスピードが上昇していく。魔力を中に循環させ能力にブーストをかける。
すると、だんだんとこちらが優位に立つようになっていた。
その俺の激しい猛攻の中で一瞬だけ❬大神父❭さんの制が崩れた。
すぐさまその隙を突こうと追い討ちをかける……ように見えるフェイントをしかける。
相手の隙にすぐさま食いつくとロクなことにならないのはをもって理解している。
❬大神父❭さんが反撃を行おうとするタイミングと俺の追い討ちのタイミングを絶妙にズラす。
足払いを行い、❬大神父❭さんのが後方に倒れる。
攻撃を行う直前に❬因果逆転の魔眼❭を発して反撃が來ないか確認する。だが、❬大神父❭さんが反撃する未來は視えなかった。
剣を振り上げ、そのまま振り下ろそうとしたその時、またもが勝手にいた。魔力循環が加速し剣が雷を帯びる。
そして……雷を放出。しかし、相手に向かってではない。むしろ逆だ。
剣から放出された雷はとてつもない威力を包していた。その力は俺が剣を振り下ろす速度を加速させ威力を上げた。
雷によって威力が底上げされた攻撃を放ったその剎那、脳裏に聞き覚えのないの聲が響いた。
『天式テンシキ:始電シデン』
それが今の技を表しているということはすぐに理解した。
謎の聲も気がかりだが今は無視し、目の前の相手に集中する。
相手のをいとも簡単に切斷するであろう剣が❬大神父❭さんに當たる直前。俺が踏み込んだ場所に罠魔法が設置されていた。その魔法陣から業火の渦が空へとかけ上がる。
それを直前で回避。後ろへとさがる。
炎で埋めつくされた視界の中で、炎を裂いて槍の突きが閃く。
炎が完全に消え、互いに一定の距離を取る。
「本當に、何があったんだい?秤君。君は昨日何もしていない。それなのに腕が落ちる所か比べにならないほどに上がっている」
「さあね?俺自が一番困してるんですよ。ただ……しずつこの覚を理解してきました。まだ上があるみたいなんですけど?」
急激に上がった己の実力に最初は振り回されたが、格上である❬大神父❭さんとの修練、しかも今までで最も激しい攻防戦を繰り広げこの力にも慣れてきた。その上でさらに上限はまだまだあることも理解できた。
すると❬大神父❭さんは
「もちろん、全力で來なよ。こちらも手加減は無しで行こう」
と、楽しそうに笑いながら言い放った。
「じゃあ……ッ!」
俺は中の魔力循環を今までにないスピードで加速しはじめた。
こうして、❬大神父❭さんとの戦いは今よりも上の次の局面ステージを迎えることとなった。
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