《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.6 魔師は現地に赴く
俺の目に気になる見出しが飛び込んできた。そこには『行方不明者続出!!謎の事件』という無駄に枠を取る見出しを使って書かれた記事があった。
「ん?なんだこれ」
「ああ、その記事か。それは行方不明者事件の見出しだな。どうやら最近児から若いまでがこの村限定でいなくなっているんだ」
「騒なものだな」
「ああ。一応気をつけておいた方がいい」
いや、気をつけるのはレオの方だろう。仮にもレオはそこら辺のよりも魅力もある。そうならないとも限らない。
「そういうレオはどうなんだ?」
「私か?私は朝早くからこの村を離れるからな、どうやら行方不明は私が帰るまでの間に起きているらしい」
「そうか。一応レオも気をつけておいた方がいいんじゃないか?」
「なんだ?心配してくれているのか?」
こうなったレオはもう無視が安定だ。これ以上変な煽りをれてこないとも限らない。なにせ下手な大人よりが強い年の前でを曬すようなやつだからな。
その後いつも通り味い熊鍋を食べて風呂にり、就寢した。
そこから數日が経ちだんだんと生活サイクルができつつあった。朝起きて作り置きの朝食を食べ、晝まで読書や朝刊を読み、晝食後はし運。夕方帰ってくる頃には既にレオが家に帰宅し俺が食べたいものを作る。その間に夕刊を読み報収集し、夕食を終えたら風呂にり就寢。これが生活リズムだ。
そんなサイクルで約二週間経ったとある日、俺は朝刊を読んでいた。この日はたまたまレオが休暇日で朝から家にいた。
「レオ、また拐事件の見出しが出てるぞ」
「し見せてくれ。...........っ!?」
と、急にレオの表が険しいものへと変わる。俺は返卻された新聞の行方不明者事件の記事を見る。
『領主の娘、行方不明!』
と書かれた記事の下にそれに該當するであろうの顔が載っていた。新聞は白黒で髪のや瞳のは分からなかったが。
「これが領主の娘か?」
「ああ。これでも領主とはし面識があってな、私によく懐いてくれた子だ。最近來ないから不思議に思っていたが............」
俺は朝からコーヒーを飲みながらその記事を見ていた。
実はもう既に俺はこの行方不明事件の真相を知っている。『広範囲探知』を常時発させている俺は同時に『探知魔《魔》』を常時発に設定している。そして既にその域は半徑10kmにまで及んでいた。
森の奧にった時、それに引っかかったのだ。多數の魔力反応、覚ではあるがそれが行方不明者と魔獣であることがわかった。
そして、攫いと言えばあの魔獣しかいない。これは行方不明に偽裝した拐事件だったということだ。
ならなぜ俺がそのまま助けに行かなかったのか、だが、正直面倒くさかったからだ。助けてやるような恩をけた覚えはないしどうせそのうち返されるのだから。
だがレオの表を見て、気が変わった。おそらく変わり果てた知り合いを見たらレオは悲しむだろう。食住の恩があるレオにそんな顔をさせたくない、というのが本心だ。俺は恩は仇で返すようなロクでなしではないのだ。
「.........クルシュ?」
「晝まで運してくる。いや、もしかしたら晝を過ぎるかもしれんが、レオはそのまま家にいろ」
「なぜだ?運なら私も付き合うぞ?」
「遠慮する。そもそも行方不明事件が起きている最中に行方不明の條件に該當するレオが外を出歩くなんて論外だろう」
「確かにそうだが.........無理するなよ?」
「分かっている。じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい」と言ったレオに背を向けて森の中へとった。もう場所は割れている、森の奧のさらに奧、このカルマ大森林の中心部辺りだ。しばらく歩くと、魔獣が寄り付いてくるが、俺は隠していた魔力を包み隠さず解放し威圧に利用する。
魔力の大きさは、その人の強さに比例する。故に俺の魔力は無盡蔵と言ってもいい。そんな魔力をけ止めて、果たして誰が向かってこれようか。
そのまま突き進むとやがて魔力の反応があった。これは結界だ。あの魔獣がこんな用意をするなど聞いたことないが、まぁ2暦も離れれば変わるものも変わるということだろう。
俺は星寶魔の一つである逆証魔を発させる。
いものがガラスに當たったような音が響き、結界が跡形もなく消え失せた。
これで気付かれては都合が悪いため偽裝魔を掛けておいた。これで外面上は結界が無くなっていることに気づかない。
そのまま突き進むと、やはりと言うべきか、當然と言うべきか、俺の予想通りの魔獣がいた。
槍を持った虎川の布1枚の獣の、豚のような鼻で小太りなその魔獣は、オークだ。
いつの時代もを犯す魔獣と言えばオークが定番だ。こいつらには知があり、言語の理解もできる。そして何よりこいつらは雌雄同士でするのではなく、雄は人間のをさせ、雌は男を逆に襲ってする。たまに雄はエルフを犯すとも聞くが、一般的なのは人間のだ。俺にしてみれば単純にクズ野郎だが。
そしてこの先からもその人間の達の反応と、オーク達の反応がある。恐らくお楽しみ中だろう。
(やれやれ、本當にいつの時代もこいつらは俺を呆れさせてくれる)
手前のオークの首を手刀で切り落としその先の景を目撃する。聞こえてきたのは達の聲。そしてわずかな悲鳴。で失神しているも見えるが、オーク達が集団中なのは児らしい。
まぁどっちにしてもだ、とりあえず焼き殺すか。
飛行魔ではるか上空に飛翔する。とりあえず『火炎球ファイアボール』1000発でいいか。燃費もいいし。
俺は魔を起して空一面を覆い盡くす火の玉を出現させる。何匹かがこちらに気づいたようだが、もう遅い。既に反応のにはこの程度の魔では傷一つつかない防魔を掛けている。
死ね、害獣共。
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