《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.19 アリスVSレコン
試合は刻々と進み、いよいよの番が來た。不思議と気持ちが落ち著いているのかには自信が溢れていた。
「大丈夫か?」
「クルシュ君.........」
「斷言しておくがお前は負けない。これは確実だ」
「分からないわよ?逆転されるかも」
「その時はお前を幻滅するだけだ、安心しろ」
「安心できないわよそれ!」
と、アリスはいつもの調子でクルシュと會話する。本人自張など全くしていない。むしろワクワクしていた。
「なんか楽しみ」
「そうか。まぁいいじに暴れてきたらいい」
「うん、じゃあ行ってくるわねっ!」
「ああ」
クルシュに手を振ったアリスはが指す方向へ向かう。ゆっくりと歩き、そして見えたのは闘技場。既に舞臺ではアリスの対戦相手、レコン・ヘリオスが待機していた。
「遅いじゃないか、あの能無しにすがりついていたのかな?」
「お笑いね。あなたよりももっと強いわ、クルシュ君は」
「はっ、寢言は寢てから言ってもらおう。だからって容赦しないからな?」
「それはこっちのセリフよ」
互いにそれ以上の會話は必要なかった。レコンが構えるがアリスは自然のまま佇む。そして、試合の合図が切られた。
「砕け!『水鉄アクアハンマー』!!」
(中位魔法ね、大して大きくないわ)
(『疾風の』発)
上位強化魔法を発させたアリスは軽々とレコンの放った水魔法を避けた。
「そんな見せかけの技通用しないわよ!」
「ならこれでどうだ!『水龍激アクアドラゴン』!!」
(上位魔法の無詠唱、やっぱり貴族ってことかしら)
冷靜に狀況を把握するアリスに向けて放たれた水が龍と化したをアリスは避けようとしない。もちろんけるつもりもない。
「『槍ライトジャベリン』!」
「はっ、そんなもので僕の魔法が.........」
アリスが掌に掲げた槍をそのまま腕を振り下ろし投擲する。瞬間、鋭いの槍は水の龍を突き破りレコンの後方の壁へ突き刺さった。
「何っ!?」
「そんなもの通用しないって言ってるじゃないだから」
「お前!どれだけ僕を侮辱すれば!」
「託はいいの。早くかかってきてよ?」
「この!我が神に奉る、海を震わすその槍を!『海神の槍ポセイドン』!」
(やっと手応えのある魔法ね)
レコンが放つのは超位魔法。水で作りあげられた三叉の槍がアリスの方をむく。
「くたばれっ!」
「『槍ライトジャベリン』!!」
「はっ!そんなもので押し負けると思うな!」
互いに投擲した槍はぶつかり合う。それにより衝撃波が地面を抉る。だがしかし、勝ったのは海神ではなく単なるだった。三叉の槍はの槍を天高く打ち上げアリスの眼前を通り後方に刺さる。
「はっ!どうだ見た事か!」
「何言ってるの?あなた」
「は?..........まさかっ!」
「元々この予定よ!降ってきなさい!『の雨ライトシャワー』!!」
の槍は天に打ち上げられたあと無數に分裂し空中で待機していた。それが、アリスの振りおろした手を合図にレコンに降り注ぐ。
「ぬぁ!?これしき!」
「さぁ、防げるかしら!!」
「『海魔の盾』!!」
咄嗟に展開した盾がレコンを守る。しかし、その盾に段々とヒビがってくる。
そんなバトルの様子を見守るのはクルシュ、そしてリア。
「あの子、中位魔法しか使ってないじゃない」
「そうだがそれがどうした?」
「やっぱり私より強いとか言ってたけど噓だったのね」
「ん?どうだろうな。まぁ確かにあの狀態・・・・のアリスならお前には勝てなさそうだが」
「.........どういう意味よ?」
「そのままの意味だ。俺はあいつが出る前に中位魔法と強化魔法以外使うなって言ったんだ」
「なんで?」
「そんなのアリスが上位魔法ばかりで責めたら一方的で可哀想だからに決まってるだろ」
「つまり、あの子は手加減してるってこと?」
「ああ、まだあいつは本気の1パーセントも出していない。元々あいつは天才でな、魔法の威力は中位魔法で上位魔法に太刀打ちできる。お前はあいつに勝てるか?」
「..........そう言われると試したくなるじゃない」
どこか興げにそういうリアを特に気にすることなく俺は中継畫面を見つめる。どうやら舞臺は佳境を極めているらしい。
「はぁ、はぁ、はぁ、な、なんなんだお前.........」
「あら?もう力切れ?こんなんじゃあなたが能無しって謳ったクルシュ君よりだいぶ下よ?」
「ぼ、僕をそれ以上馬鹿にするなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
直後、腕を掲げたレコンの手に水が渦上に集まっていく。そしてしするとその手には大巖並の水球が出現していた。
「お前が悪いんだ。僕を、この僕を馬鹿にするから!」
「.........私、とても腹が立ってるの。大切な人を能無しだの八百長だの散々バカにされて。特にあなたには手が出るほど。.........あなたにかける慈悲なんて必要なかったのね」
「くらえ!『水龍の寶玉マリンノヴァ』!!」
直後、振り下ろした手から放たれた巨大な水球が床を巻き込みながらアリスに飛來する。
(........上位魔法、それもかなり威力が高いわね。........なら仕方ないわ、クルシュ君、ごめんなさい。さすがにこれは無理)
直後、アリスが振り上げた手に魔法陣が浮び上がる。
(イメージ、そうイメージよ。..........これをこうして、あとはここを.........よし、やっぱり出來た)
「おいおい、諦めたか!?」
「そんなわけないでしょ。これで終わりよ、お疲れ様。..........『滅魔の聖セイントフラッシュ』!!」
アリスが腕を振り下ろした瞬間、魔法陣からが放たれ辺りを視認できないほどの量が周りを包み込んだ。
そんな様子をリアはを乗り出して驚いていた。
「な、超位魔法を無詠唱ですって!?」
「ああ。言っただろ?あいつは天才なんだ」
「そんな、無詠唱を1回で功させることなんて.........」
可能だ。イメージすればなんでも無詠唱にできる。やっぱりあいつは天才だ、本のな。
「...........まぁ、まだまだだな」
「なんでよ?超位魔法無詠唱なんか宮廷魔道士でも聞いたことないわよ」 
「俺が指示したのは中位魔法だけを使うことだ。あの程度の魔法なら槍ライトジャベリンを3回打ち込めば霧散できた」
「.........厳しいのね」
「當然だ。悪いが俺は指示したことに妥協なんて許さない。指示も守れないなら戦場で囮に使われるだけだからな」
「クルシュ、あんたは一...........」
「ほら、中継が戻ったぞ」
そう言われて視線を戻したリアにならい俺も視線を戻す。だがそこには地面に気絶しているレコンとそれを見下すアリスが映った。
「勝負ありね。これに懲りたら二度と私の大切な人に近づかないで。...........って、聞こえてるわけないわね」
アリスはそのまま背を向けてその場から立ち去ったのだった。
【電子書籍化決定】生まれ変わった女騎士は、せっかくなので前世の國に滯在してみた~縁のある人たちとの再會を懐かしんでいたら、最後に元ご主人様に捕まりました
セリーヌは主である第三王子殿下を守るために魔物と戦い、同僚たちと共に命を落とす。 他國でスーザンとして生まれ変わった彼女は、十八年後、任務で前世の國を訪れる機會を得る。 健在だった兄や成長した元同僚の息子との再會を懐かしんでいたスーザンは、その後が気になっていた主と、自分の正體を隠して対面することになるが… 生まれ変わった女騎士が休暇を利用して前世の國に滯在し、家族や知人のその後の様子をこっそり窺っていたら、成長し大人の男性になっていた元ご主人様にいつの間にか捕獲されていたという話。 プロローグのみシリアスです。戀愛パートは後半に。 ※感想・誤字報告、ありがとうございます! ※3/7番外編を追加しました。 ※電子書籍化が決まりました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
8 54【書籍化/コミカライズ決定】婚約破棄された無表情令嬢が幸せになるまで〜勤務先の天然たらし騎士団長様がとろっとろに甘やかして溺愛してくるのですが!?〜
★書籍化★コミカライズ★決定しました! ありがとうございます! 「セリス、お前との婚約を破棄したい。その冷たい目に耐えられないんだ」 『絶対記憶能力』を持つセリスは昔から表情が乏しいせいで、美しいアイスブルーの瞳は冷たく見られがちだった。 そんな伯爵令嬢セリス・シュトラールは、ある日婚約者のギルバートに婚約の破棄を告げられる。挙句、義妹のアーチェスを新たな婚約者として迎え入れるという。 その結果、體裁が悪いからとセリスは実家の伯爵家を追い出され、第四騎士団──通稱『騎士団の墓場』の寄宿舎で下働きをすることになった。 第四騎士団は他の騎士団で問題を起こしたものの集まりで、その中でも騎士団長ジェド・ジルベスターは『冷酷殘忍』だと有名らしいのだが。 「私は自分の目で見たものしか信じませんわ」 ──セリスは偏見を持たない女性だった。 だというのに、ギルバートの思惑により、セリスは悪い噂を流されてしまう。しかし騎士団長のジェドも『自分の目で見たものしか信じない質』らしく……? そんな二人が惹かれ合うのは必然で、ジェドが天然たらしと世話好きを発動して、セリスを貓可愛がりするのが日常化し──。 「照れてるのか? 可愛い奴」「!?」 「ほら、あーんしてやるから口開けな」「……っ!?」 団員ともすぐに打ち明け、楽しい日々を過ごすセリス。時折記憶力が良過ぎることを指摘されながらも、數少ない特技だとあっけらかんに言うが、それは類稀なる才能だった。 一方で婚約破棄をしたギルバートのアーチェスへの態度は、どんどん冷たくなっていき……? 無表情だが心優しいセリスを、天然たらしの世話好きの騎士団長──ジェドがとろとろと甘やかしていく溺愛の物語である。 ◇◇◇ 短編は日間総合ランキング1位 連載版は日間総合ランキング3位 ありがとうございます! 短編版は六話の途中辺りまでになりますが、それまでも加筆がありますので、良ければ冒頭からお読みください。 ※爵位に関して作品獨自のものがあります。ご都合主義もありますのでゆるい気持ちでご覧ください。 ザマァありますが、基本は甘々だったりほのぼのです。 ★レーベル様や発売日に関しては開示許可がで次第ご報告させていただきます。
8 62転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する
*この作品は、8~9割は殘酷な描寫となります。苦手な方はご注意ください。 學生時代は酷い虐めに遭い、それが影響して大學に通えなくなってからは家族と揉めて絶縁を叩きつけられて獨りに。就職先はどれも劣悪な労働環境ばかりで、ブラック上司とそいつに迎合した同僚どもにいびられた挙句クビになった俺...杉山友聖(すぎやまゆうせい)は、何もかも嫌になって全て投げ捨てて無職の引きこもりになって......孤獨死して現実と本當の意味でお別れした...。 ――と思ったら異世界転生してしまい、俺に勇者としての素質があることに気付いた國王たちから魔王を討伐しろと命令されてしぶしぶ魔族たちと戦った末に魔王を討伐して異世界を平和にした。だがその後の王國側は俺は用済みだと冷たく言い放って追放して僅かな褒賞しか與えなかった。 だから俺は―――全てを壊して、殺して、滅ぼすことにした...! これは、転生して勇者となって最終的にチート級の強さを得た元無職の引きこもり兼元勇者による、全てへの復讐物語。 カクヨムにも同作品連載中 https://kakuyomu.jp エピソードタイトルに★マークがついてるのは、その回が過激な復讐描寫であることを表しています。
8 82クラス全員で異世界転移!?~廚二病が率いる異世界ライフ~
日常、ただただ平凡、それは幸せだった。 ある時いきなり表れた仮面の男に 異世界へ飛ばされたクラス一同 大虎や、龍が現れパニックになるクラスメイト達 しかし、そんな狀況でも 一人、冷靜に次を考えるある男がいた!?
8 145天才少年、異世界へ
自身のことを、ありふれた高校生だと思っている主人公木村弘一郎が、異世界で一人だけ加護を貰えなくて苦労する、と思いきや持ち前のハイスペックで自由に生活していく話です。 初めての作品なので、期待しないでください。
8 162ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~
ソシャゲ廃人と化し、ダメな生活を送っていた押上 優斗(おしがみ ゆうと)。 あるときいつも通りソシャゲをやって寢落ちしていたら異世界に飛ばされてしまっていた。 そこではダンジョンで魔物を倒すことで生活の糧を得るのだが、どうやら召喚獣とその加護が大事らしい。 異世界からの転生者は初回だけ十連召喚の儀、通稱無料十連ガチャを回すことができるというのだが……優斗が引いた召喚はこの世界に二つとないとんでもないものだった! ※アルファポリス、小説家になろうにも同時掲載中
8 149