《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.83 神の宣告
またも冒頭から失禮致します。まさかの投稿約4ヶ月でいいねが1100突破してました!もうビックリです!ありがとうございます!!
今日も一通りの授業を終え、クルシュ達は地下図書館にいる。彼はいつも通り學園の授業など興味がなく、相変わらず魔導書を読んでいた。
「クルシュ君、ちょっといい?」
「どうした?」
パタンと栞を挾んで魔道書を閉じたクルシュがアリスに顔をむける。
「きょ、今日の剣実技の授業あったじゃない........?」
「ああ。あったな」
「ど、どうだった?」
「ん?」
「わ、私の剣..........」
ああ、なるほど。今日の出來栄えが気になるんだな。
「良かったと思うぞ。さすがアリスだ、俺が教えたことを飲み込むのが早い」
「そ、そう!?.........良かった!」
恐る恐る聞いてきたアリスは、その返答を聞くとパァァと表が明るくなった。
「剣は怠ると鈍ってくるからな、気をつけて置いた方がいいぞ。.........まぁそこに例外化はいるが」
「......うん!」
といった風に楽しげに話している様子を、し離れたテーブルのエリルの対面に座ったリアが不機嫌そうに頬杖を付いて見ていた。
「........最近アリス、距離が近くない?」
「アハハ........まぁ仕方ないのかもね」
「何が仕方ないって言うのよ!?」
キッ!と睨みながらエリルに反論したリアをエリルが手で、まぁまぁ、と抑える。
「なら君も剣を學べばいいだろ?」
「あたしはあまり剣は好きじゃないから長続きしないわ、きっと」
「じゃあ魔法でも教えてもらえばいいじゃないかな?」
「それだとアリスみたいに距離が近くなる気がしないわ」
「君ねぇ............」
流石のエリルも呆れ気味に笑うしかなかった。
「ていうかそんなに言うなら僕の対面じゃなくてクルシュの隣にでも座ればいいのに」
「そ、それはダメよ!...........邪魔になるわ」
「まぁ、なんにせよ、何事もはっきりと伝えることが大事だと僕は思ってるよ。君の気持ちにしろ、伝えなきゃ意味が無いしね」
「.........分かってるわよ」
し、しゅんとしおらしくなってしまったリアにこれは長くなりそうだ、とエリルは肩を竦めた。
と、その時。
「おやおや、皆さん揃い組ですか」
どこからともなく聲がした。全員が視線を向けたその先に、背がとても小さく、1mもないに黒いローブを纏った人がいた。そしてその人にエリルとミナは見覚えがあった。
「お前はあの時のっ!」
「おやおや、お久しぶりですね。元気にしていましたか?」
「なんなんですか?あなたは!」
「前も教えて差し上げましたでしょう。私は天より上、と」
淡々とそう答える黒ローブの人に対して、クルシュとジークが1歩出た。
「これはこれは、まさか魔王様までおいでとは」
「俺を魔王と知っている、ということは貴様は魔族か神ということか」
「天より上、つまり俺たちよりも上に立つということから魔族は無い。つまりお前は神という訳だな?」
クルシュとジークの推理に満足そうにローブの奧が笑った。
「ええそうですとも。私は神です」
「あの霊を仕向けたのはお前か?」
「はい、私ですよ。最も、速攻で魔王様の餌食になりましたが」
「貴様らの狙いはなんだ?」
「それをわざわざ教えるとお思いで?」
「別に教えてもらわなくとも強引に聞き出すが?」
そうしていつの間にかルイは廻剣イノセントと死毒剣ユリウムを、クルシュは魔法陣を描いていた。
「怖いですねぇ。おお、ほんとに怖い。ですがいいのですか?ここで戦えばまずこの地下図書館は崩壊致しますよ?」
「お前が口を割らないならば止むを得なしだ。それに後で修正すればいい」
「まぁまぁ、落ち著いてください。今回は戦いに來た訳ではありません」
その言葉にジークが雙剣を空間収納にしまい込んだためクルシュも魔法陣を破棄した。
「お話がわかるようで助かります」
「それで、お前は俺達に何の用だ?」
「はい、実はもうすぐここの神樹を切り倒そうと思いまして」
「な、なんですって!?」
その言葉に以外にも反応したのはフィオーネだった。機に手を叩きつけ、椅子を揺らしなから勢いよく立ち上がった。
「神樹を切り倒すと、そう言いましたの!?」
「はい、確かにそう言いましたが。何か?」
「ふざけないで下さいっ!神樹は私達エルフと妖の母です!それを切り倒すなんて、許されると思って.........」
「許されますよ?だってあれを植えたのは私達神ですから。あ、そうでしたね、あの木は國の全ての生活の源ですもんね。あれを切り倒されたら國は壊滅するんでした」
「なら尚更っ..........!」
「あなた、勘違いしてませんか?」
「何がですの!?」
哀れみを込めるような言の葉で聞かれたフィオーネは苛立ちと共に聞き返す。
「神は自分達を見守ってくれる存在、そんなことを思ってませんか?違いますよ?神はこの世界の絶対なる支配者、圧倒的強者なのです。あなた達の命や運命などこの指先ひとつでどうにかできるんですよ?分かってます?」
やれやれと肩をすくめる神に対して、フィオーネはそれでもと言い返そうとするが、それをジークが片手で制止した。
「ルイッ!?」
「.........貴様らはやはり変わりないようだな」
「はい?変わりないも何も昔からずっとこうですが?私たち以外の他なんて有象無象にすぎません。たとえそれがあなた、魔王様であっても」
「そのようだ。容赦は要らぬな?」
「抵抗するのも自由ですが、無駄だと諦めるほうをオススメしましょう」
「もういい」
瞬間、魔力が胎し、ぐにゃりと神がいる場所の空間が歪むとそのままが捻れ切れた。.........が、しかし。
「いきなり攻撃なんて、酷いですよ」
仕留めたと思った神は平然と空中に浮いていた。
「なるほど、ダミーか」
「ええ、魔王様が殺したさっきの個も、今ここに浮いている個もダミーですとも」
「ということはお前は分魂神メギルストスか」
「おや、ご名答。そちらの魔法師さん、よく知ってますね」
「數々の神がいても、同じ魔力量で複製を作れるのはお前たった一人だけだからな」
「.........ああ、なるほど。先程から異様な魔力だと思っていたら、あなたでしたか。大魔師、アスト」
最後、俺を呼ぶ聲にはし憎悪の念がこもっていた。それを俺は平然と無視し。
「おかしいな、お前達は俺が滅ぼしたはずだが?」
「滅ぼした?ご冗談を。死んで等いませんよ、私達は。そもそも死んでいるのであれば世界の均衡が保てないでしょう?」
「俺は影響が出ないようにお前達を滅ぼしたはずだが?」
「ならばそれも間違いだったということですね。私がここにいることがその証明です」
ふむ、ますます分からないな。あの魔が効いていなかったのか?そんなはずはない。たしかに俺は殺した。だが、ここには分魂神がいる。おかしい話だ。
「まぁ、仇敵に會ったのは収穫でした。それでは、邪魔するなら殺しますので。生きていたらそのうち會いましょう」
そういうと分離神はくるりと回転しいつの間にかその場から姿を消していた。
「やれやれ、厄介なことになったな」
「ああ。だがまぁ良い、今度こそこの手で滅ぼしてやろう」
「ね、ねぇちょっと、さっきからなんの話ししてるの.......?神とか、滅ぼしたとか。私さっぱりわからないんだけど........?」
すっかり置いていかれていたエリル以外の陣全員がなんの事かと疑問を向けている。........そろそろ時か?
「クルシュ、なんの話しなの?」
「.........俺は」
そう言おうとしたその瞬間、連絡用にと作っていた魔石がった。
『クルシュ!どこにいる!?とりあえず上を見てみろ!』
魔石からレオの聲が聞こえてきた。聲音からして焦っているのがわかる。
「な、なんですのっ!?」
「とりあえずアレフガルドへ戻るぞ」
そう言って俺は転移魔法陣を展開した。
――神がき出す。
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