《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.99 氷換魔法VS凍結魔
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クルシュの言葉を聞いたルイズがその瞳に先程の比ではない量の殺気を乗せてクルシュを睨んだ。
「何だ?ただ睨むことしか出來ないのか?」
「減らず口。........いい、痛めつけてあげる。躾が必要みたいだから」
「ちょ、ルイズ!何勝手に決めてんだよ!!」
「そうです、相手は子供ですよ!?」
舞臺の上で進行が進んでいく様子にエリカとユリアが待ったを掛けた。二人共がルイズへ向けて抗議の聲を上げている。
「黙ってて。こんなやつは初めてだから」
しかし今のルイズにエリカとユリアの抗議は意味をさない。
「勝てると思ってるの?」
「やってみなくては分からないだろう?」
「.........本當に愚か」
「まぁ、そう言うな。...........では、よろしく頼むぞ?先生?」
「........その減らず口を直ぐに黙らせてやる」
この試合には審判も進行もいない。二人の仲で既に試合が始まっているからだ。互いにピクリともかない。それは相手の出方を見ているのか、それとも何かを用意しているのか。そんな2人の様子を地面からリアが見つめる。
「クルシュどうしちゃったのよ..........」
「やっぱりそんな顔してると思った」
そこに苦笑しながらエリルがミナを連れて近寄ってくる。
「あ、エリル、氷大丈夫なの?」
「まぁね。僕の場合はクルシュと違って砕いたけど。リアさんは?」
「私は溶かしたわ。...........ってあれ?そういえばルイは?」
「ああ、ルイなら『顔でバレる』って授業サボってるよ。今頃..........そうだね、フィオーネさんの所にでも行ってるんじゃない?今聖ニョルズ學園は休園みたいだし」
「ちゃっかりしてるわねあいつ..........」
 
リアが呆れたように肩を竦めた。そうすると次はミナが舞臺のクルシュを見て口を開く。
「いつもをあまり出さないクルシュさんが..........どうしたんでしょう?」
「まぁクルシュはを出したとしてもあんまり分からないけどね。あれでもまぁ、2%くらいかな。怒ってる率」
「低いわね!?..........あたしでもすごくカチンと來たのに!」
「クルシュの100%は滅多に見れないよ。それに子供みたいにクルシュは怒鳴り散らしたりしないんだ。靜かに怒ってるのさ」
「何?嫌味なの?ねぇ?.............ていうかそういうあたしら子供じゃない...........」
そんな會話をしているとは梅雨知らず、舞臺のクルシュは未だに睨み合いを続けていた。互いが互いに先にくのを待つ、といったようだ。
「かないのか?」
「そっちこそ」
「いやいや。先にくなど恐れ多くてな?」
「っ........馬鹿にして!」
ついにきがあった。先にいたのはルイズ。一瞬で魔法の構築が完了しクルシュへ向けて氷の砲撃が放たれる。その砲撃は軌道上を凍結させながらクルシュへと直撃し、舞臺の壁まで至る氷の華を作った。
「私の『蒼藍の刻印』は一般の刻印とは訳が違う。小さい頃から水を冷たい空気で凍らせて氷へと変えることが出來た。言わば『蒼藍の刻印』と『翠碧の刻印』が合わさったようなもの」
ルイズは氷で包まれ様子が見えないクルシュへ向けて、そしてこの戦闘を見ている舞臺下のクラス達へ向けて、自の首元にある『蒼藍の刻印』を指さした。
「私は私の魔法を『氷換魔法』と呼んでいる。私が凍らせれなかったものは無い」
「そうか、ならこれが初めてという訳だ」
氷の部から聲が聞こえ、ガラスが砕け散る音とともに氷が一気に崩壊していく。しの崩壊の後、先ほどと変わらない場所にクルシュが何食わぬ顔で立っていた。
「良かったな、初めてが敵ではなく俺で」
「っ!どうやって!!」
「それをみすみす教えるわけがないだろう」
「.............ならっ!!」
床に手を付けると魔法が構築された。魔法陣から幾本もの氷の槍が出現し、クルシュへ出されていく。だがクルシュはゆらりゆらりと舞い落ちる木の葉のようにくだけでそれを回避した。
「これも.........っ!!」
「遅すぎるぞ。もうし速さを上げたらどうだ?」
冷淡に言い放つクルシュにまだ諦めた様子は無く、ルイズは床を蹴った。その手に魔法陣が浮かび上がり氷の長剣が出現する。クルシュはそれを見ておもむろに片手を上げ魔法陣を出現させると、その中から1本の鉄剣がゆっくりと降下していきクルシュの手中に収まった。
互いの剣が互いの間合いで宙を舞う。甲高い音を立てながらルイズ有する氷の剣とクルシュ有する何の変哲もないただの鉄剣が打ち合った。
「ほう?」
「この剣は萬象を凍結させる。當然その鉄剣も」
競り合っている鉄剣が氷剣にれている部分から徐々に凍り始める。それを見たクルシュは、ルイズを弾くとバックステップをしながら投げナイフのようにルイズ向かって投擲する。だがそれを鉄剣の凍らせた部分に叩きつけるようにして氷剣が叩き割った。
「鉄剣だけ見ていれば良いものじゃないぞ」
「っ!?...........しまっ」
「遅い」
だが次のアクションを起こそうとするルイズの懐に既にクルシュは潛り込んでいた。すぐさま下がろうとするルイズ向けてクルシュの掌底打ちが顎を捉えた。そのままルイズの視線が憎たらしいほどあおい冬の青空へ向けられ、直後、腹部にクルシュの回し蹴りが刺さる。そのまま數メートル蹴り飛ばされ床を転がる。
「がはっ!.............ぐっ......!!」
「まだやるか?勝負は見えていると思うが」
「っ...........!」
臓への微かなダメージを抱えながらまだやれる、とルイズは立ち上がった。そして急激に彼の周りの溫度が低下し始めた。
「.........認める、『星寶の刻印』が能無しじゃない事。だから、私も本気を出す」
「ほう、今までのが本気じゃなかったのか。まぁ當然、學生が王國最強のの一人に敵うわけはないという予想を持つのは普通だが」
「耐えきれるなら、耐え切ってみて」
氷の粒子が彼の周辺を舞い、水平に上げた両手に膨大な魔力がつぎ込まれて魔方陣が出現する。それに戦慄したのは他でもない、エリカとユリアだった。
「ルイズ!やめろ!!」
「おやめなさい!ルイズさん!!」
何度目か分からない、だが今回は本気の制止がルイズの耳に屆く。だがそれでも彼は魔法を解除するのをやめない。
「.............『凍獄魔天大砲ブリザリア・オラクル』」
直後、1度収束した零度の砲撃がクルシュに向けて放たれる。砲撃は軌道上を破壊すると共に凍結させるという意味不明な事象を起こしながら進んでいく。だがこんな時でも、彼は平然と迫り來る巨砲を見ていた。
「まぁ、威力だけでいえば神位魔法に匹敵するレベルか。...........やれやれ」
肩をすくめると彼も対して水平に手を上げる。
――『凍結魔』絶対零度アブソリュート
クルシュの手からもまた魔法陣が浮かび上がり、意・の・ま・ま・に・改・造・された零度の砲撃がルイズの魔法とぶつかり合う。互いに互いの砲撃を凍結させようと侵食し合う魔法と魔、だが當然この時代の最強候補程・度・が頂點に限りなく近い最強の名を冠す過去の魔師に敵う訳もなく。
「ッ!!!」
徐々にルイズの砲撃が凍結し始めた。彼がいくら力を加えても、いくら魔力を送っても、彼の砲撃が止まることは無かった。無駄だと自覚した瞬間に自の魔法を手放す。だがそれは悪手だった。
「その隙は分かっている」
「っ.........!」
いつの間にやらまたもクルシュがルイズの懐に潛り込んでいた。ルイズのその手に咄嗟に作りあげた氷の剣が握られるが、クルシュの瞳はなおもルイズから目を離さない。故に。
「遅い」
そのまま突き出された拳は的確に彼の腹を撃ち抜いた。に従いルイズのがくの字に折り曲がって壁に叩きつけられる。そしてそのままズルズルと地面に座り込んだ。ぶつかった衝撃で壁には放狀に亀裂がっている。
「かっ............!」
「耐え切ったぞ。ついでに一撃れて見せた」
クルシュが平然とそう言う。それを聞いたルイズが項垂れていた首を上げてクルシュを睨みつける。
「俺の勝ちだ。地面にへたり込んで隙を曬した、それは戦場ではありえない事だ。つまりは死、この瞬間にお前は殺される」
「っ........!」
「故に、お前の負けだ。ああ、まだやれる、とかはやめておけ。見苦しいだけだ」
添えしてクルシュは踵を返す。だがし歩いた所で、思い出したように足を止めた。
「もしお前がまだアリスのことをとやかく言うなら、今度耳にした瞬間に殺す。何度も言うがアリスのことをわかっていない奴にアリスを馬鹿にされる筋合いはない」
それだけ言い殘して、さっさと舞臺を降りる。エリカとユリアがルイズに駆け寄るのを無視してレオの元へ來た。
「........やれやれ、君というやつは。文句を言うにしてももうしマシなやり方があるだろう」
「すまないがこのあとの授業は全て休む。興が削がれた」
「.............はぁ、分かった。ほら、君の上著だ」
苦労人のようなため息をついた後、レオはクルシュに上著を著せた。
「ありがとう」
それだけ言い殘し、クルシュはその場から去って行った。
その強さに多の怒りと。
[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者少女を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!
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