《能無し刻印使いの最強魔〜とある魔師は來世の世界を哀れみ生きる〜》EP.124 純ガールズトーク
數日後、リアは個人的にラグ・ドーラ邸へ招かれていた。
「珍しいわね、フィオーネがあたしを呼ぶなんて」
「ええ。..........実はし相談がありまして」
「相談?................うーん、まぁ答えれることなら答えるけど」
慣れた手つきで給仕をしていた妖のメイドを部屋から退室させて完全なる2人の空間が作られた。さらにそこには音響の魔法も張り巡らされる。
「えっと.........なんで魔法?」
「さすがにこれは聞かれてはまずいと思いまして」
「そ、そう..........」
「それでですね............」
フィオーネの視線が行き場所をなくして彷徨い數秒、覚悟を決めたように口を開いた。
「れ、相談なんですけど............」
「は、はぁ!?」
思いもよらない相談にリアは戸いを隠せない。現在闘中だと言うことはフィオーネも知らない訳では無いだろう。
「?、どうかしましたか?」
「な、なんであたしなのよっ!?相談ならミナを呼ぶべきでしょっ!?」
「何でです?」
「な、なんでって.............ミナにはエリルがいるじゃない」
「でもミナは忙しいと聞きましたし...........」
リアが紅茶を飲む対面でフィオーネは「それに......... 」と一言つけ加えた。
「リアはクルシュと付き合ってますわよね?」
「ゴフッ!?」
フィオーネの弾発言の結果、リアは紅茶を吹き出した。
「かはっ.........ケホッ!ケホッ!ゴホッ.............!!」
「だ、大丈夫ですか!?」
「誰のせいよっ!!」
絵に書いたような茶番が行われた後、ようやく落ち著いたリアである。
「盲點でしたわ........勘違いなんて..............」
「そもそも何を拠にそんなこと言うのよ...........全く」
「だって、たまにリアがクルシュのことをどういう訳か『ご主人様』なんていいますし.........」
「..............」
「目が覚めないクルシュを、家を開けてまで2週間も看病しますし.............」
フィオーネが掘り返すのはなんとも言い難いリアの恥行。落ち著いたリアだったがその話を聞いてどんどんと顔を染める。
「挙句の果てにはクルシュのベットの中に自らったと聞きましたが」
「............」
図星である。全てが図星である。滅多なことでは倒れない彼が倒れる、この事実に一松の不安を覚え、結果看病を続けた。それに加えて彼の寢床に潛り込んだのもアリスが居たからとはいえ彼を想うからであり、主従の件にしても彼とリアとを結びつける重要な証だからだ。當然ここまでわかりやすい行を取れば、猿でも誰を想うのかは明確である。
そしてこの全ての行を、フィオーネが見て、聞いていた。當然思う先は2人が仲である、その一點に限られる。
「後者2つはまぁ分かりますが、主人呼びなど影でそういうことをされているとしか.............」
「あーもういい!もういいからやめてぇぇぇぇぇ!!」
結果、數日ぶりに恥に殺されかけそうになるリア。フィオーネも素でなかなかに良い格をしている。
「...........あ、あたしの話はいいのよ!それよりあんたよあんた!どんな相談よ!?」
「え、ええっと........それは.............ですね」
もじもじと恥ずかしそうに人差し指同士を遊ばせるフィオーネ。何となくだが自分ばかりがけなされ本題にろうとすると曖昧な反応をする彼にしだけイラッときたリアである。
「どうすればその............振り向いてもらえるんでしょう?」
「................」
答えられるわけがない、この質問にリアが答えられるわけがないのだ!答えられるならばとっくに彼に想いを伝えていることだろう!故に無!祈りを込めた無表である!。そんな狀況が數分間続き、ハッとしたリアは口を開いた。
「やっぱりこれあたしじゃなくてミナ呼んだ方が良かったわね」
「そうですわね...........」
結局結論は原點に帰る。ということなので。
「.............なるほど、だから私を呼んだんですね」
「そうなのよ、ミナ。何かない?」
「そうですねぇ..................うーん」
悩むように顎をつまんで考える。ちなみにミナの皇としての執務は終わらせているためなんの心配もいらなかった。彼がこの屋敷に訪問した時にし騒がしかった以外は。
「.........うーん」
考えて。
「......うーん」
思案し
「うーん」
思考する。
「.......え?頑張るしかなくないですか?」
「「えっ?」」
期待して待っていた彼達に堂々と突きつけられた正論。頑張るという便利な魔法の3文字である。
「振り向いてもらうには努力するしかないですよ」
「ミナも努力しましたの?」
「そうですね..........私の場合は、最初は何も思ってなかったんですけど、だんだんエリルさんのことを知っていくうちに仲良くなって、気がついたら両想いで付き合ってました」
「何よそのり行き!?」
「わたくし達への嫌味ですか!?」
グイッと顔を接近させるリアとフィオーネにミナは苦笑しながらまぁまぁと手で抑制する。フィオーネは項垂れ、リアは大きいため息をついた。
「頼みの綱が............こんなだなんて」
「なんでわたくし達が上手くいかないのでしょう...........」
「「はぁ〜」」
二人共が今日1番のため息だった。
「ていうか、なぜアリスさんは呼ばれてないんです?」
「わたくしはリアがクルシュと付き合っててそこにアリスが心寄せてるように見えたのでリアの方を...........」
「でもフィオーネさんの場合お相手はルイさんですよね?」
「?、はい」
「ルイさんって既にイルーナさんと結婚してますよね?」
「ま、まぁそう聞きましたけど..........」
「じゃあフィオーネさん的にもその狀況が當てはまるわけで、アリスさんを呼んだ方が良かったのでは?」
「でも既に付き合ってる方に経験則を聞く方がいいかと............」
「同じ境遇の人の方が話し合いもしやすいでしょうし、ルイさんはどこか格がクルシュさんに似てますよね?馴染のアリスさんに聞く方が余程よかったのでは?」
「あっ.............」
このエルフ、容姿端麗、運神経抜群、魔法有能。しかしに関してはてんでダメななのである。
「そう?、似てるかしら?クルシュとルイ」
「似てますよ。どこかクールじゃないですか、お二人共」
「クール.............まぁ、そうですわね、クルシュは」
「む、何よその言い方」
「いえ、クルシュは無頓著というか、何事にも興味が無いというか.........」
「ならルイだってとてつもなくわがままじゃない」
「あのわがままは聞きれたくなるわがままなんです!!」
「なによそれ!意味わかんないわ!。その點クルシュはいいわよ!わがままなんてひとつも言わない!なにより優しいわ!」
「優しいならルイもですわ!気が滅っていた時に強引にわたくしの前に現れて説得してくれたんですのよ!?」
「ならあたしだってクルシュに何度も救われたもん!」
何気ない一言、されど重要な一言。リアの放った言葉が展開をヒートアップさせ、現狀に至る。
「お、お二人共落ち著いてください............」
「ミナもミナよ!」
「へっ!?」
「なんでエリルが好きなんですの!?外面だけに惹かれたんじゃないですか!?」
「それは聞き捨てなりませんね!エリルさんだってとても私に優しいんですよ!?」
「エリルはほかの子からも人気でファンクラブもできてるって話じゃない!たらしよたらし!」
「ならクルシュさんだってパーティーの時たくさんのの人から申し込みがあったじゃないですか!それに最近クルシュさんを狙ってる人もいるって話ですよ!」
「なっ........な、何とかしなさいよミナ!」
「無理ですよ!私はエリルさんと楽しみますー!」
「ならルイに人気が行くように仕向けなさい!」
「何言ってるんですか!ただでさえ所屬する學園が違うというのにさらに新たなライバルを増やさせる気ですの!?やめてくださいまし!」
「ルイさんもルイさんですよ!1番がいるのにフィオーネさんをその気にさせて!確かかにお姉さんルイさんを気になってるって聞きましたよ!?それこそたらしじゃないですかっ!」
「お、お姉様はともかくわたくしは自ら好きになったんです!決して乗せられたんじゃないですわ!」
「じゃあエリルさんへのたらしを取り消してください!ファンクラブくらいできて當たり前なんですよあの人は!」
止め側であったミナまでもが論爭の渦中へ突っ込み、空、地、海のような3つに分類されてしまう。結果、話し合いは混沌カオス化していく。
「エリルさんは...........!」
「クルシュは.........!」
「ルイは..........!」
3人の言い分はまだまだ続く。互いが互いを責め合い、でを洗うような論爭になっている。喧嘩両敗などという甘い言葉では終われなくなってしまった。
「「「ぐぬぬぬ.........!!!」」」
何秒、何分、何十分、いや、何時間たっただろうか。
まだ魔法を使わない辺りは正常といえる。だか當然彼らの長所も無限にあるわけでは無い。彼たちの力も同様だ。いつの間にか3人はそれぞれ椅子にヘタリ込み肩で息をしていた。
「と、とりあえずです。お二人共、それだけ熱く語れるということはとても想いが強い証拠です。あとは勇気と積極を持って進むだけですよ」
「そ、そうかしら...........?」
「そうでしょうか...........?」
リアとフィオーネは顔を合わせて、思わずクスッと笑った。その後、3人で楽しく様々なことを話したのは言うまでもない。
「くしゅん!」
「珍しいですね、エリルがクシャミするなんて」
「ん〜誰かに噂かなにかされてるのかなぁ」
所変わってこちらはヴォルフォード家。いつも通りエリル、クルシュ、ジーク、イルーナの面々が各々自由にしている。そして仕事で家を開けたレオの代わりに『刀姫』ユリア、アリスは実家に一時的に帰宅している。
「ジーク、紅茶持ってきた」
「すまぬ」
イルーナの一聲にジーク以外の全員がし表を強ばらせたが、なんと何事もなくトレーを機の上に置いた。
「おー、イルーナさんがちゃんと置けてる。ジークに何かあったのかな?」
「失禮だ、神狼。私とて長する」
「あーそうだね、ごめんごめん」
エリルが笑いながらそう言う一方、心をで下ろすユリアがふと振り向いた先、それはクルシュの方だ。
「ん?クルシュ。読んでいる本が逆ではないですか?」
「......ん?本當だな、逆だ」
「よくそれで読めましたね..........」
「今気づいたが、特に問題はなかったぞ」
「ん〜今日は不思議なこともあるもんだね」
呑気にそう言うエリル、そこにはいつもの日常が広がる。想い人の事を激しく語り合う3人のの気など知る由もないジーク、エリル、クルシュであった。
達の想い、男知らず。
いいね2900ありがとうございます!
はいどうも、惰眠を貪るの日々があとしで悲しい作者さんです。やだよぉ、きたくないよぉ〜..........。なんてことはまぁ置いときまして。今回はアリスだけ出番がないという...............。私もこれを書いている今気づきました(笑)
前回と前々回が短かったので今回は長く書いたんですが、平均的にこんな長さを描き続けたいですね、本當。なお睡眠時間を犠牲にして書いてます眠いです寢ます。
ではまたお會いしましょう。
P.S
シリアス&継続題名が売りなのにこんなポップな題名許されるのだろうか.............。
【書籍化&コミカライズ】婚約者の浮気現場を見ちゃったので始まりの鐘が鳴りました
婚約者である王太子の浮気現場に遭遇したソフィーリアは、自分が我慢の限界を迎えていたことを知る。その時、ソフィーリアの前に現れたのは一人の騎士だった。 ーーーーーー 婚約破棄から始まるものを書いてみたいな、と軽いノリで書き始めたシリアスもどきのギャグです。 第3章始めました! ー------ 1/7異世界(戀愛)&総合/日間ランキング1位 1月 異世界(戀愛)/月間1位 1月 総合/月間2位 ー------ 書籍化&コミカライズ決定しました!!!!! 本當に有難うございます!!!!
8 89【書籍化決定】愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜
何よりも本を愛する明渓は、後宮で侍女をしていた叔母から、後宮には珍しく本がずらりと並ぶ蔵書宮があると聞く。そして、本を読む為だけに後宮入りを決意する。 しかし、事件に巻きこまれ、好奇心に負け、どんどん本を読む時間は減っていく。 さらに、小柄な醫官見習いの僑月に興味をもたれたり、剣術にも長けている事が皇族の目に留まり、東宮やその弟も何かと関わってくる始末。 持ち前の博識を駆使して、後宮生活を満喫しているだけなのに、何故か理想としていた日々からは遠ざかるばかり。 皇族との三角関係と、様々な謎に、振り回されたり、振り回したりしながら、明渓が望む本に囲まれた生活はやってくるのか。 R15は念のためです。 3/4他複數日、日間推理ランキングで一位になりました!ありがとうございます。 誤字報告ありがとうございます。第10回ネット小説大賞ニ次選考通過しました!
8 58剣聖の幼馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で魔剣士として出直すことにした。(WEB版)【書籍化&コミカライズ化】【本編・外伝完結済】
※書籍版全五巻発売中(完結しました) シリーズ累計15萬部ありがとうございます! ※コミカライズの原作はMノベルス様から発売されている書籍版となっております。WEB版とは展開が違いますのでお間違えないように。 ※コミカライズ、マンガがうがう様、がうがうモンスター様、ニコニコ靜畫で配信開始いたしました。 ※コミカライズ第3巻モンスターコミックス様より発売中です。 ※本編・外伝完結しました。 ※WEB版と書籍版はけっこう內容が違いますのでよろしくお願いします。 同じ年で一緒に育って、一緒に冒険者になった、戀人で幼馴染であるアルフィーネからのパワハラがつらい。 絶世の美女であり、剣聖の稱號を持つ彼女は剣の女神と言われるほどの有名人であり、その功績が認められ王國から騎士として認められ貴族になったできる女であった。 一方、俺はそのできる女アルフィーネの付屬物として扱われ、彼女から浴びせられる罵詈雑言、パワハラ発言の數々で冒険者として、男として、人としての尊厳を失い、戀人とは名ばかりの世話係の地位に甘んじて日々を過ごしていた。 けれど、そんな日々も変化が訪れる。 王國の騎士として忙しくなったアルフィーネが冒険に出られなくなることが多くなり、俺は一人で依頼を受けることが増え、失っていた尊厳を取り戻していったのだ。 それでやっと自分の置かれている狀況が異常であると自覚できた。 そして、俺は自分を取り戻すため、パワハラを繰り返す彼女を捨てる決意をした。 それまでにもらった裝備一式のほか、冒険者になった時にお互いに贈った剣を彼女に突き返すと別れを告げ、足早にその場を立ち去った 俺の人生これからは辺境で名も容姿も変え自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の人々から賞賛を浴びて、辺境一の大冒険者になっていた。 しかも、辺境伯の令嬢で冒険者をしていた女の人からの求婚もされる始末。 ※カクヨム様、ハーメルン様にも転載してます。 ※舊題 剣聖の幼馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で出直すことにした。
8 123化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~
何でもおいしくいただきましょう! それを信條にしている主人公はVRの世界に突撃する。 その名も化け物になろうオンライン。 文字通りプレイヤーは怪物となり、數多くのデメリットを抱えながらも冒険を楽しむゲーム……のはずが、主人公フィリアはひたすら食い倒れする。 キャラメイクも食事に全振り、何をするにも食事、リアルでもしっかり食べるけどバーチャルではもっと食べる! 時にはNPCもPCも食べる! 食べられないはずの物體も食べてデスペナを受ける! さぁ、食い倒れの始まりだ。
8 189學生騎士と戀物語《パンドラボックス》
入學式とゆう大事な日に堂々と居眠りをしたり、授業を真面目に受けないこの物語の主人公 月影亜紀斗(つきかげあきと) ただ力を求めるだけの少女 月野蛍(つきのほたる) 彼のいる世界は自分の持つ固有スキルが強いほど権力があり、弱い者は権力がない。全てが力で決まる世界。 そんな世界で二人が起こす物語とは⁉︎青春ドタバタSFコメディー
8 185規格外の殺し屋は異世界でも最兇!?
幼い頃公園で両親を殺されたごく普通の少年。彼はは1人の殺し屋と出會い《蒼空》と名付けられる。少年は殺し屋として育てられ、高校生になり、彼は裏の世界で「死神」と呼ばれる。 そんなある日、屋上から教室へ帰ろうとすると・・・・・・・・ 1人の少年が描くテンプレ込の異世界転移物語です。 はい、どうも皆さまこんにちは!このたび作品初投稿させていただきましたくうはくと言います。 不定期更新していくつもりですので暖かい目で見守っていただけたら幸いです!いいね、フォロー、コメントなどお願いします!┏○ペコ
8 113