《スキルイータ》第四章 発展 第四十一話
/*** イサーク Side ***/
「大丈夫か?」
後ろから來てる、ナーシャとガーラントとピムを見る。
皆無事のようだ。
「ピム!」
「うん。大丈夫だよ」
ここまで逃げれば大丈夫という事だろう。
し落ち著こう。ツクモ殿には謝しなければならないな。収納袋がなければ、こんなに早く移できなかっただろう。
収納袋の中から、簡易テーブルを出す。
人數分の椅子も用意されている。料理は無いが、食材ならっている。ガーラントが、なにか簡単に作るようだ。
「ねぇイサーク。イサークってば!!」
「ん。あっナーシャか、なんだ?」
「さっきから呼んでいるのに・・・何考えていたの?」
「ん?あぁどうやって領主に、ツクモ殿の話をしたらいいのかと思ってな」
「え?普通に話せばいいと思うけど?」
「その普通がわからないから考えていたのだけどな」
俺たちが主張すれば、會ってくれる可能はすごく高い。
でも、警戒からる會談は功する確率が低い、それに、アンクラムの近くを通ったじでは、アンクラムはすごく疲弊している。アンクラムにとっては、ブルーフォレストは、ダンジョンと同じくらいの恵みを與えているに違いなかったが、ブルーフォレストに出ている人がいないのだ。
出られないといい換えたほうがいいのかも知れない。
ブルーフォレストの木々は、薪になり、魔は、スキルカードや素材になる。し奧にれば、サラトガのダンジョンの10階層と同じくらいの稼ぎが期待できる。
そんな場所に誰も出ていないとは考えられない。もしかしたら、アンクラムのダメージは俺たちが考えている以上に大きいのではないか?
アントンの事は報告しなければならないだろう。カスパル殿の事もそうだ。気が重いが、これも俺たちの仕事で義務なのだろう。ツクモ殿は、拾ったからと言って、貴重なアイテムでもある”速駆の指”も渡してくれた。
街の事なぞ、冒険者である俺程度ではわからない事が多いだろうけど、ツクモ殿の街?と易できれば、ミュルダの街は安泰だろう。ミュルダから何を出すのかという問題點はあるが、それは領主が考えれば良い事だ。
「イサーク!ナーシャ!ピム!」
ガーラントが呼んでいる。食事ができたのだろう。
「ガーラント!今日はなに?」
「ブルーボアを焼いた。あと、ツクモ殿から頂いた、野菜を付けてある」
「うん!」
リーリア殿と一緒に移している時に、俺たちは基本的な事を學んだ。
塩や胡椒の使い方だ。それだけで、が斷然味しくなる。街のうまいと言われる宿屋で出てくる料理と同じくらいだ。あいつら、こんな方法で焼いていたのかと関心した。それに、俺たちには胡椒がある。また、胡椒が使い方も難しい。ただつければいいというものではなかった。多くかければ、それだけ味しくなると思っていたが、違っていた。適量というが有ると教わった。
その蔭で、味しく食べる事が出來るようになった。
あと、衝撃の事実を俺たちは知ってしまった。
あれは、リーリア殿とツクモ殿の街?を出てから、1日が経過したときだった。
--- 回想
「あっ!ちょっと待ってください」
「どうされた?」
「胡椒を忘れてしまって・・・殘りないので、調達しようかと思っていたのです」
「胡椒を調達?」
「はい?」
「どうやって?」
「え?」
あの時のリーリア殿の表を忘れないだろう。知らないのですか?そんな雰囲気さえ有った。
「これが胡椒ですよ?」
---
そう言って示されたのは、ブルーフォレストの淺い地域で見られる植だ。
その植の種子を乾燥させたものが、胡椒になると教えられた。つるのように木々に巻き付いていて育つと教えられました。エントやドリュアスが栽培したには及ばないが、自然のでも十分味しいと教えられた。
胡椒は、落ちているのを拾うだけと教えられた。
そのために、數がないと・・・。そして、落ちている場所も不確定で、一度見つけた場所は數年は見つけられるらしいが、それでも、1~2kgが限界だと言われていた。それはそうだろう。蔓のように、木々に巻き付いているから、同じ種類の木々を探してみても、胡椒が発見できなかったわけだ。そして、聞いた話では、ミュルダで胡椒を作ろうと思えば出來るのだ。
リーリア殿が、ツクモ殿に確認してくれたが、問題ないとの事だ。栽培方法まで教えてもらった。ただ、エントやドリュアスの栽培方法なので、うまくいかない可能があるので、試行錯誤してほしいと言われている。
胡椒ができれば、サラトガやアンクラムではなくても、易先は見つかるだろう。
距離の問題も、ツクモ殿が改良した馬車で、ある程度は解決するだろう。作り方や、改良點は、ガーラントが知っている。ミュルダで量産する許可も貰っている。
俺は、土産となるかわからないと言われたが、レベル1~3の魔核を大量に貰っている。ミュルダは、食料は困らないが、魔核が不足しているかも知れないと言った所。魔核を大量に支援すると言われた。
そして、ぶっちゃけ話として、レベル1~3の魔核なら、多分數千個あると言われた。俺たちを気遣った噓かもしれないが、ありがたく貰っていくことにした。あと、ピムが獣人族の代表たちと渉して、低レベルのスキルカードも大量に貰ってきた。これは、ミュルダの奴らを撃退した時に、奴らが持っていたらしい。
ツクモ殿も必要としないし、獣人族は気分的に使いたくない。それに、獣人族は、ダンジョンにって、自分たちで必要なスキルカードを取得し始めているようで、全部持っていっても問題ないと言われたらしい。
それでも、ピムは半分だけ殘して、レベル4までのスキルカードを貰ってきた。迷をかけられているミュルダへの土産としては、ちょうどいいだろう。
しかし、これからの他の街との易を考えると、一番の土産は、ナーシャのポーチにっているだろう。
メイプルシロップと言っていたが、アレの作り方や、パンケーキを作る時に必要になる薄力の作り方。卵はツクモ殿も試行錯誤をしている最中らしく量産が出來るようになったら教えてくれると言っていた。それでも、卵を20個ほど貰ってきている。
ミュルダは穀が大量にあるという話をして、穀の種類を教えた所、いくつかのがほしいと言われた。それを買って帰る事になった。同時に、穀の食べ方や加工方法も教えてもらった。それらが、ナーシャのポーチの中にっている。レシピ帳だ。
明日には、ミュルダに著けるだろう。どうなっているのか?
それに、リーリア殿ことも気になる。大丈夫だとは思うが、それでもの子には違いない。
/*** カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ Side ***/
どういう事だ。
アンクラムの常備兵9割の損失。
信じられないような報告が屆けられた。そして、その中に、アトフィア教のNo.1~3が行方不明となっていることが告げられていた。
ミュルダへの侵攻は不可能だと結論付けられている。
そうなると怖いのは、サラトガだが、サラトガは怖いくらいに何も言ってこない。異端認定されてから、一度ミュルダ所屬の冒険者と商隊のダンジョン及び街への出りを規制する旨の通達があっただけだ。
それ以降、奴らは沈黙を守っている。
それよりも、今は、アンクラムの報だ。
タイムラグが有る上に、なぜ?どうして?が先に出てしまう。ブルーフォレストに向かったのはほぼ間違いない。それがどうしたら、9割の損失に繋がる?
「おい。あれから誰も帰ってきていないのか?」
「はい」
「そうか・・・今、何チームを、アンクラムに出している?」
「6チームです」
「そうか・・・増やせないか?」
「ピムが帰ってくれば可能だとは思いますが、ピムは・・・」
そうだな。ピムはダメだろう。
イサークたちに報を伝えるために、サラトガに走らせた。合流できていればと思うが、ここまで連絡がないとなると、ナーシャを含めて・・・最悪の事を考えなければならないな。
叔父上になんて言って詫びればいい。”生きていてくれるだけでいい”と、叔父上が言った時には驚いた。そのナーシャが、黒豹族の戦士であるイサークとくっつくとは、わからないものだな。でも、その二人もダメだろう。
「すまない。し1人にしてくれ」
斥候をまとめている部隊長を退出させて、今ある資料をもう一度査する事にした。
アンクラムがミュルダに対して、異端認定を発令させたのはほぼ間違いないだろう。
やつらがしたのは、ミュルダの穀だと考えていいだろう。ミュルダ自をしたのかもしれないが、それはわからない。だが、その可能は皆無ではない。ミュルダの立地を考えた時に、アンクラム・・・と、いうよりも、アトフィア教の奴らが考えたのだろう。
アイツラが、教會の総本山に行こうとしたら、ミュルダを通るしか無い。他にも街道はあるが、賊が出沒したり、魔の生息域を通過しなければならない。比較的安全なルートは、ミュルだからびる街道を使うしか無い。
獣人族が、黒豹族に救援をだして、ヒルマウンテンの竜族が助力したと言われない限り、9割の損失を納得させる事ができない。竜族でも、9割の損失はかなりの無理をしなければならないだろう。
それならば、獣人族だけで撃退したのか?それはもっと無理だろう。
魔の集団が襲った?それなら、考えられなくもないが、それでも、9割は・・・。
「領主様。メーリヒ様!」
「なんだ!ノックもしないで!」
「失禮しました。しかし」
「それでなんだ?」
「はっピムが帰ってきました。イサーク殿と、ナーシャ様と、ガーラント殿も一緒です!」
「何ィィ!本當か?」
「はい。今、門番からの連絡です。イサーク殿は、領主様との面談を希されています」
「わかった、すぐに準備する。いつもの部屋に通しておいてくれ!」
「はっ!」
吉報か?
ナーシャは別にして、イサークとピムとガーラントが居て、面談を申し込む。何かしらの報を持って帰ってくれたのかも知れない。
/*** ピム Side ***/
「なぁイサーク?」
「なんだ?」
「間違いじゃないよね?」
「あぁミュルダの街で間違いはないと思うぞ?」
「アンクラムとの紛爭中だよね?」
「そう、俺は”お前から”聞いたぞ?」
「そうだよね?」
ミュルダの街は、何も変わった様子はなかった。
門をる。多審査が厳しかったがそれだけだ。
顔見知りが居たので、挨拶した。驚かれた。
俺たちは、死んだことになっていたらしい。
領主様に報告するが問題ないかと言われたので、問題ないと答えた。その上で、時間があれば面談を申し込みたい旨も伝えた。
イサークとナーシャは、定宿にしている店に向かった。
ガーラントは馴染みにしている鍛冶屋に顔を出すと言っていた、ツクモ殿から貰った(預かった)素材を試したくてたまらないのだろう。門からってからそわそわしていた。
僕は、この時間を利用して、街領隊の屯所に顔をだす事にした。作戦から帰ったら、補給をけるのが一般的だが、出た時よりも荷が増えている上に、補給が必要ない狀況なのだ。余剰になっている分を置いておきたいと思ったのだ。
屯所に著いた所で、現隊長から呼び出しが掛かった、すぐに領主の所に行ってしいという事だ。
ガーラントは問題ない。問題は、大変な二人だ。事はわかっているので、大丈夫だとは思いたいが、我慢してくれているといい。すぐに、定宿に人を飛ばした。ガーラントと合流して、先に領主の館に向かう事にした。最悪は、あの二人は後から合流すればいい。
ガーラントの所にも伝令は走っていたようだ。ガーラントと途中で合流して、イサークとナーシャが遅れてきた時の事を話し合っていた。
僕たちが領主の館前に到著して、5分後にイサークとナーシャが走ってきた。イサークが不満そうな顔をしている所を見ると、やり始める前に踏み込まれたのだろう。節を守ってくれといいたいが、イサークだからと諦める事にした。
確かに、種族が違うので、なんとも思わないが、ツクモ殿の所行ってから、ナーシャは綺麗になったと思う。並みが違う。それは間違いない。もともと、ナーシャの並みに惚れていたイサークならしょうがないのだろう。そう思ってあげる事にした。
「イサーク。遅いぞ」
「悪い。悪い。それで?」
「領主様がすぐに面會してくれるという事じゃ」
「ほぉ対応が早いな」
「儂もそう思う。ピムはなにか聞いているか?」
「ううん。小耳に挾んだ程度だけど、アンクラムに6チーム向かわせているらしいよ」
「そうか、まっ俺たちは、俺たちが頼まれた事を優先しよう」
「うん!」
最後に何故か、ナーシャが元気よく答えた。
ナーシャとしては、これが終われば、ツクモ殿の所に戻れると思っているのだろう。もしかしたら、ミュルダでもパンケーキやメイプルシロップが手にるかもと考えているのかも知れない。
さて、僕はどうしよう。
ツクモ殿の所に戻るのは魅力をじるけど、街領隊の仕事をないがしろにするわけには行かないだろうからな。隊長と話してみないとわからないな。
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