《スキルイータ》第四十四話

/*** カズト・ツクモ Side ***/

リーリアを送り出した。

イサーク殿たちがついていってくれるとは思わなかった。道中で、リーリアの事を鍛えてくれると言っていた。確かに、スキル全開で戦えば、リーリアの方が強いだろうが、剣技の経験では、リーリアは敵わないだろう。

リーリア・・・俺たちにとっても、有意義な事だろう。

俺に対して、遠慮があった事も、リーリア相手なら言えるようだ。念話で逐次報告が上がってくる。それらに対して、許可を出していく。

スーンが、イサークたちに語ったようだが、獣人たちは、獣人たちで獨立してしい。そのためにも、ミュルダとの易が出來るようにしておきたい。その時に、ミュルダからの穀や加工品が輸出來るようになれば、不均等な狀態にはならないだろう。穀は獣人族がミュルダに依存して、ミュルだがスキルカードや魔素材に関して、獣人族に依存する。

お互いの加工品を、ミュルダか出島(仮)で商人に販売できれば、問題がなくなりそうだ。

俺も、せっかく異世界に來たのだから、異世界を楽しみたい。ぶっちゃけ、人の街にも行ってみたいし、他に大陸があるのなら、大陸にも行ってみたい。地球と違って、通手段が発達していないので、一度旅に出ると、數年は帰ってこられないだろう。エントやドリュアスや魔蟲たちは、ログハウスや窟の住処の維持を行いながら待っていてくれるだろうが、俺に依存した狀態の獣人族では放置するわけにもいかないだろう。

忠誠は貰ったが、統治したり、君臨するつもりはない。自分たちで生活出來る基盤は作るので、後は、自分たちでやってしい。

幸いな事に、獣人族は、俺が適當に決めた広さの場所でも広いくらいだと言っているし、そこを、俺が與えた領地だとでも思っているのか、自主的に、領地を守るようなきを見せている。

まだ、できたばかりの場所だし、これからいろいろ変わっていくだろう。

さて、俺もくか

「カイ。ウミ。ライ。リーリアが帰ってきていないけど、ダンジョンにし潛るか?目標60階層手前でいいのか?」

『主様。できましたら、魔蟲の屬進化した者たちが勝てる程度の深さまでは行きたいと思います』

「どのくらいが目標だ?」

『65階層くらいを目標にしたいのですが、よろしいですか?』

「いいぞ。早速行くか?スーンはどうする?」

「大主。私ではなく、フィリーネをお連れください」

「わかった。フィリーネ大丈夫か?」

「問題ありません」

「あと、エントを1お連れください」

「構わないけど、誰がいい?」

「まだ、名前はありませんが、屬進化はできています。若い木ですが、お役に立てると思います」

「ん?この子もハーフなのか?」

スーンに連れてこられた、エントはビクッとを震わせる。

「いえ、し複雑なのですが・・・」

「スーン様。俺から、ご説明していいですか?」

スーンを一歩下がらせて、話を聞くことにした。

複雑だと言っていたが、それほど複雑ではなかった・・・いや違うな、事は複雑だが、なぜというが強かった。本當に、だから、宗教って嫌いなんだよな。宗教のすべてが悪いとは思わないけど、”自分の行いは、神によって承認されている”とかいう奴らを信じる事ができないだけだ。熱心に祈りを捧げる人々をないがしろにしている、一部の宗教家を名乗る扇者は居なく慣ればいいとさえ思ってしまう。

このハーフエントは、人族のアトフィア教の実験で産まれたらしい。

以前から、魔と人族のハーフが獣人ではないかと言われていた。そのために、魔と人間の配実験が行われているらしい。なぜ、そんな事をするのか?簡単な事だ、自分たちが正しいと証明するために蠻行が行われている。獣人族は、人族と同じで神が作り出しただといい出す奴らを黙らせるために、魔と墮落した人族がわった結果が、獣人族だと証明して、獣人族の排除を正當化しようとしているのだ。

このハーフエントは、そんな実験のさなか産まれたようだ。奴隷になってしまった、人族のと、捕らえられたエントの配実験の結果偶然産まれたのだ。エントは、実験後に殺されている。ハーフエントと奴隷のは、さきの遠征につれてこられて、ブルーフォレストで処分される所を、救った。母親は、すでに息絶えていたらしい。それで、このハーフエントは、スーンたちに保護された。

人族への恨みではなく、母親を殺した、アトフィア教への恨みが強い。人族全部が悪ではないと、母親から教え込まれたらしい。

「それで?スーン。なぜこの者を?」

「はい。大主の従者にと思いました」

「従者ならおまえたちが居るだろう?」

「いえ、私たちは、大主のお帰りを、この地でお待ちするのがお役目だと思っております。それに、私たちでは、言い難いのですが、大主との見た目でのご年齢の差が有りすぎるように思えます」

「そうだな。執事長やメイド長と言ったじになってしまうからな」

「はい。ですので、これからは、リーリアとこの者をお連れください。リーリアは気にしないとは思いますが、男だけしか行けないような場所にもいかれるようになるかと思います。その時に、男の従者が居ないのでは困ってしまいます」

ハーフエントを見る。小學生をし大きくしたじだ。中學生に屆くか屆かないくらいだ。

俺に頭を下げている狀態だ。

「お前はいいのか?」

「はい。ですが、アトフィア教と対峙するような事が有った時には、俺にご命令ください”殲滅せよ”と、そのご命令をいただけるのでしたら、どのような事でもいたしたいと思います。カイ様。ウミ様。ライ様。それに、リーリア様と共に、お使えしたいと思います」

「わかった。今の所、アトフィア教の殲滅の予定はないが、手を出されたら叩き潰す。その時が來るまで、しっかり牙を磨け」

「はい」

「眷屬化を行う」

「ありがとうございます」

スキルを発する。

「お前は、オリヴィエ。オリヴィエ・ユリハルシラだ。俺のために、自分の目的のために勵め!」

「ありがたき幸せ。マイマスター。俺は、今日より、マスターのために生きます。オリヴィエ・ユリハルシラ。この生命、マスターに捧げます」

// 名前:オリヴィエ・ユリハルシラ

// 種族:ハーフ・エント

// 稱號:カズト・ツクモの眷屬

// 固有スキル:人化

// 固有スキル:樹木

// スキル枠:---

// スキル枠:---

// 力:H

// 魔力:I+

まずは、底上げだな。

攻撃系のスキルは、剣に付與して切り替えて使ったほうがいいだろう。せっかく、人化出來るのだし、武を使ったほうが、効率が良さそうだ。

「カイ。オリヴィエには、お前と一緒に前に出てもらおうかと思うがどうだ?」

『はい。それがよろしいかと思います』

「レベル6魔核は何個ある?あと、力超強化/速度超向上/攻撃力超向上辺りがいいか?半減系は、防に、攻撃は剣につければいいよな?」

「そうですね。大主。あと、レベル6を使われるのでしたら、探索と索敵と速駆をお願いいたします。あと、念話も有ったほうがよろしいかと思います」

「そうだな。スーン準備してくれ、あと、枠も増えるだろうから、収納と治療も頼む」

程なく準備がそろった。

レベル6魔核の數は、まだ50はあるという事だ。暫くは困らないだろう。それに、ダンジョンが65階層まで進めば、取得もしやすくなるだろう。

「オリヴィエ。魔核の吸収はした事あるか?」

「ありません」

「ん?それじゃ今までどうやって?」

「食べていました。魔核の吸収や、魔の吸収を、アトフィア教に教えたくありませんでした」

そうか、魔が、魔核を吸収したり、魔を吸収するのは、知らないのだが、確かに、見た目では、”食べている”や”捕食”しているとしか見えないだろうな。

「わかった。スーン。サポートしてやってくれ。俺は、魔核に、スキルを固定する」

「かしこまりました」

レベル6魔核には、スロットが3つ空いていたも有ったはずだが、今回は、強制進化の意味合いがあるから、スロットが2つ空いているを3つ用意した。そこに、スキルを固定していく。

準備できた魔核から、オリヴィエに吸収させる。

さすがに、連続3つは辛いのか、最後の魔核吸収後には、じっとしてかなくなってしまった。

// 名前:オリヴィエ・ユリハルシラ

// 種族:イリーガル・スカウト・ローグ・ハーフ・エント

// 稱號:カズト・ツクモの眷屬

// 固有スキル:人化

// 固有スキル:樹木

// 固有スキル:力超強化

// 固有スキル:速度超向上

// 固有スキル:攻撃力超向上

// 固有スキル:探索

// 固有スキル:索敵

// 固有スキル:速駆

// スキル枠:念話

// スキル枠:収納

// スキル枠:治療

// スキル枠:---

// スキル枠:---

// スキル枠:---

// 力:C

// 魔力:E+

相変わらず、進化や種族の法則がわからない。

イリーガルの稱號も得ているし、スカウト・・・斥候だったかな?ローグってはぐれものとかだよな?

気にしてもしょうがないか?

さて、オリヴィエも仲間に加わったし、フィリーネと合わせて、武裝を整えてから、ダンジョンに向かうか?

「カイ。30階層くらいからならしていけばいいか?」

『大丈夫だと思います。僕たちも居ますからね』

「わかった。フィリーネは、食事とかも大丈夫なのか?」

「大主。大丈夫です。大主の食事を10日分くらいは持っています」

「そうか、それじゃ二人を、スーンとアルベルタで、武裝を整えてやってくれ、アルベルタは、向こうに居るだろう?」

「かしこまりました。それでは、オリヴィエ殿と、フィリーネ。行きますよ」

/*** オリヴィエ・ユリハルシラ Side ***/

マスターのご命令で、今俺は武裝を整えるために移している。

この移している時間を使って、疑問に思った事を解消しておこう。

「スーン様。1つお聞きしてよろしいですか?」

「なんでしょうか?」

「スーン様は、エルダー・エントですよね?なぜ、マスターの直臣になられないのですか?」

「私たちは、當初、大主様と敵対する行を取りました。それを、大主様を許してくれたのです。その戒めの意味もありますし、私たちは、戦う事に特化しておりません。大主様の貴重な眷屬化の枠を使う事を憚ったのです。ヌラ殿やヌル殿やゼーロ殿も同じ考えです」

「そうなのですか?それでは、俺や・・・リーリアを、直臣に推薦してくれたのですか?」

「貴方は、ハーフ・エントです。珍しいという事もありますが、大主様と私たちを繋ぐには、ふさわしい種族だとは思いませんか?リーリア殿に関しても同じです」

俺とリーリアが、マスターとエント/ドリュアスを繋ぐ?つながっていないのか?

違うのかな?何かが有るのだろう。俺にはまだわからないのかも知れない。何か、心配しているのかも知れない。何かがまだできていないのかも知れない。

わからない事は考えない。

俺は、マスターのために戦う。マスターは約束してくれた。アトフィア教殲滅の時には、俺に命令してくれると・・・俺は、命令をける時のために強くなる。自分のために、マスターのために・・・。そして、スーン様たちエントのために!

庫に著いた。

獣人族が使っている武庫ではなく、マスターの武が置かれている場所だ。防も合わせて見繕ってもらうが、サイズ的に合うものが無い。のサイズを測って、急遽ヌラ殿たちに作ってもらう事になってしまった。

由來の素材で作ってくれるらしい。その間に、しっくりする武を選んでおく。

1つは、ショートソードを選んだ。マスターの前に立つ時には必要な裝備だろう。スモールシールドもあったので、通常の戦闘の時には、ショートソードとスモールシールドで戦う事にする。持ったじがしっくり來た。

もう1つは、速度を活かした戦闘の時に使う剣として、片手で持ち、手抜きが付いている、片刃の剣を二本使う事にした。

あと、攻撃力がしくなった時のために、刺突と斬撃が可能な両手で持つ両刃の剣を選んだ。

さらに、何種類の剣と、短弓を持っていく事にした。

この中から自分やカイ様やウミ様やライ様との戦闘時の組み合わせを考えてみよう。

マスターのため。そして、自分のために・・・。

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