《められていた僕は召喚された世界で奈落に落ちて、力を持った俺は地上に返り咲く》第43話 奴隷化と軍議
「さて、お前達をどうするかだが、まずは奴隷になってもらおう」
「奴隷·····」
「やっぱり、そういうのになるのね·····」
予想通りといった顔をする2人。しかし2人の顔は次の一言でさらに絶へと落とされた。
「そして王宮に戻って偽の報を流して城の勇者クズ共を裏切ってこい」
「なっ!」
「そんな·····」
「出來ないなら構わんさ。他の命令をするだけだ。その代わりその命令は今のよりもっと過酷なものだと思え」
神夜の言葉であおざめる2人は直ぐにわかったと言った。
その後2人に奴隷化の魔法をかける。
「さて、これでお前達は俺の奴隷だ。お前たちの役割は2つ。1つは勇者として王都に戻り、國上層部と勇者共に偽の報を流すこと。2つ目は上手く國のヤツらと勇者を扇して戦場に連れ出してこい」
「え?どういうこと?」
「1つ目の目的はわかるだろ?こっちが騙しやすくするためだ。2つ目の方は昨日俺が王宮で暴れ回ったせいでもしかしたらビビって戦場に出てこない可能があるからな。そいつらをどんな手を使ってでも戦場に引き摺りだせ」
「ど、どんな手って、私達が考えるの?」
「2つ目に関してはお前達で考えろ。1つ目はこれからの軍議で決める」
と、言うわけで2人を連れてやって來ました軍議。メンバーは俺と俺の副扱いでステラ、皇帝アレクサンドラ一世ことアレクとその護衛そして元キルク子爵で現在アレクから副宰相(仮)の地位を與えられているガッスル、さらに新たに將軍職を與えられたシャールとニクスとその2人の副。そこに元勇者現奴隷の2人が加わった12名で軍議を行う。
「さて、まず改めて確認だ。今回の戦爭の総大將はガッスル副宰相に務めてもらう」
「フォッフォッフォッ、若いもんにはまだまだ負けんぞい」
「そして2人の將軍シャールとニクスにも著いてもらうよ。」
「かしこまりました。命を懸けて戦い抜きます」
とシャール。
「任せられたからには負ける訳には行かないじゃん」
とニクス。
「ノワール・・・・には対勇者と騎士団長などの強者の相手と帝國軍顧問として軍に著いてもらう。」
「わかった。」
「ありがとう。」
「皇帝陛下、恐れながら質問をよろしいでしょうか?」
「なんだい?シャール將軍」
「対勇者。今回の戦爭では勇者は敵國の危険人であったはずですが、そのうちのふたりが何故ここに?」
シャールは2人をキッと見つめる。
「ああ、もう彼らは勇者ではないよ。ノワールとの決闘に負けて奴隷にり下がったから。」
「奴隷に·····ですか」
「そうだ。そしてあの二人にはこれから王宮に潛り込むスパイとなってもらう」
「既に2人には話したが、やることは2つ。偽の報を流すのと、敵の扇。もちろんスパイ活だから向こうの報は流させるがな」
「まず2人に流してもらうシナリオだけど、まずはこと砦が陥落したことだ。あの國は上層部は役立たずクズだが、報網はある程度構築されている。今更うそ報を流したところで意味がない。そしてここからが噓だ。2人は裏切った砦の兵士を何とかくぐり抜け砦を出。その際元々3人だったが1人敵に捕まったと言ってもらう。一応生きてるシナリオでね。そしてここから盜んできた報としてこの砦の次は徐々に王都圏にり込むように一つ一つ陥落させて行く。そういう風に伝えてくれるかな?」
「わかりました。それは國王陛下に伝えればいいんですか?」
「そうだ。あと勇者と騎士団長。とにかく國の上層部に伝えればいい。そのあとはノワールからの指示で王都を走、ここに戻ってきてもらうよ」
「分かりました。」
やけに素直な2人だなぁと思いながらアレクの話を聞く。
「それとね。もし君たち2人がこの戦爭で役に立ったらノワールには君たちに手出しをさせず柄は僕が引き取ることになっている。」
「本當ですか?!」
「本當だよ。ね、ノワール」
「わかってるよ。ま、それまではこき使ってやるからな」
そう、アレクとの約束で2人は戦後神夜からアレクへ引き渡すことになっていた。
理由はいくつかある。ひとつはアレク陣営の圧倒的な人材不足だ。確かに反した貴族達はある程度居て財政などにはあまり負擔は無いが、軍事的人材の不足は大きいのだ。
そこで勇者である。と言っても職業上の"勇者"は霧乃なので、あえて"異世界人"と呼ぼう。
異世界人の力はこの世界での"仙人"の力に値する。特殊な能力を持ち、魔力量が多く、攻撃に対する耐は普通の人族に比べ高い。
これを利用しない手はない。
2つ目は神夜の復讐に対する考え方である。
アレクやステラ達といる間、神夜の復讐対象には格差が出來た。
霧乃などの自分に直接危害を加えた・・・・・・・・り、國王やアルバのような大切な存在に危害を加えたヤツらは必ず苦しめて殺すことにしている。そして次に間接的に危害を加えてきていたヤツらや、傍観者だったが自に最後まで反抗してきた者はその場で殺す。最後に傍観者だった者は反抗して來たら殺すが、降伏した場合はアレクやステラなどと相談した上で決めるということになっていた。もちろんその場で邪魔だったら瞬殺だな。
「お前達はアレクと相談した上でそう決めた。もうやるべき事はしたし、お前達は奴隷に墮ち、アレクの元でじゃんじゃん働け。」
「「はい·····」」
さて、とアレクが話を戻す。
「ここからは本當にこれからの戦爭に関してだ。僕は戦爭や戦いに詳しくないから、本格的指揮はガッスル総大將に任せたい」
「意に」
ガッスル將軍・・は王國の地図を広げ白黒の石を置く。
「黒が王國軍、白が我々帝國軍となります。現在集まった軍勢は2萬5000。我々は大きく4つに別れます。ひとつはシャール將軍に1萬、ニクス將軍に1萬、そして儂が5000を持ちます。最後にノワール様にはその他の手勢を用いて戦場を駆けていただくかと」
「質問が2點。総大將であるガッスル殿に5000だけで構わないのですか?もうひとつはノワール様の軍勢は一どのような?」
「ふむ。まずは1つ目の質問に答えよう。儂の軍勢には5000の兵とノワール様から預かる500の軍勢がある。」
「ちょうどいい、今その軍を見せてやる」
神夜ノワールは會議室を出て屋外に出た。
それについて行く軍議のメンバーらはそこで驚くことになる。
「借りるぞ、ソナーダ。【天門】」
神夜がそう呟いた瞬間空に巨大な門が現れる。
「來い」
そしてその扉が開くと、その兵隊達は降り立った。天界を統べる種族にして、神の使徒。悪を滅する天の軍勢。その純白の翼は夜の闇の中で一際目立つ。
「て、天使様·····」
誰かがそう呟くと神夜とステラ以外の全員がその場で跪く。
「よく來てくれたな。協力謝するぞ」
神夜がそう話しかけると、500の軍を統べる指揮の天使が話し出す。
「恐悅至極でございます。私は天界十二守護天使が一柱フィーネスと申します。主神ソナーダ様からの命で貴方様の援軍に參りました」
天界十二守護天使とは天界で3番目に偉い立場の存在だ。天界のトップが天使長で、次に四大天使、その次が天界十二守護天使、さらにその下に中級天使以下軍勢がある。
「ありがたい。正直力はいくらあっても足りない。相手の戦力が分からないからな。その力、あてにさせて貰うぞ」
「はっ」
神夜とステラ以外はその様子を見て驚愕していた。いや、アレクはそうではなかったが、それ以外のものは2人の正を知らないのだ。
世界の正義、神の使徒である天使と同等どころか頭を下げさせるなど有り得ないのだ。
「と、言うわけでガッスル將軍、貴方にはこの天使軍500を預けようと思います。」
「わ、儂が天使様の上に著くなど!恐れ多くて出來ませぬ!」
「そうかもしんないけど、やってもらわないと困るよ。それに天使は神の使徒。神がこちら側に著いたといういい宣伝になる。」
「し、しかし·····」
未だしどろもどろなガッスルにアレクは仕方が無いと、肝を座らせる。
「フィーネス様、私はオルフェリアス帝國初代皇帝アレクサンドル・オルフェリアスと申します。此度の參軍誠に謝します」
「いえ、頭をあげなさい、アレクサンドル一世よ。私は主の命で主の友を助けに參った次第。それに勇者共の件は我々天使の失態でもある故、協力を惜しみません。聖戦では無い故にこれだけしか連れてくることができませんでしたが、能力は絶大なるモノ。我々の力を是非ともお役立てください」
「誠に謝致します。それでは一応我々人間の戦爭。貴方にもこちら側の正式な地位が必要であります。今この場にて貴方をオルフェリアス帝國將軍に任命します」
「はっ、謹んでおけ致します。」
アレクにフィーネスは跪き臣下の禮をとる。
「ガッスル將軍、これで貴方とフィーネス殿の地位は同じだ。これからは同僚として戦ってしい」
「かしこまりました。よろしくお願いします、フィーネス殿」
「こちらもよろしく頼む。」
と、最後の軍も到著したので軍議を再開する。
「シャール將軍のもうひとつの質問に答えよう。俺の軍隊はこの反軍から100人の選抜隊を作って俺が訓練調教した軍隊だ。」
「なるほど。わかりました。それではその四軍のきはどのようなになるのですか?」
「儂とフィーネス殿の軍はこのウルティマ砦から王都までの直線距離を移し、その近辺にある重要拠點を落としながら進む。シャール將軍の軍は東側から、ニクス將軍は西側から回るようにして王都前で集合する。これで最後に王都を陥落させる。これが主な行軍課程じゃ」
地図上のコマを移させながら説明する。
「なるほどな、確かにこれが王道じゃん。それでノワールの軍はどうするんだ?」
「ノワール殿の軍は獨立遊軍部隊兼対勇者獨立部隊としていてもらう。」
「俺の軍は基本的に各戦場を走り回る。そして必要なところに援軍を送ったりするじだな」
「ほんとに獨立部隊ってじじゃん。」
その後各將軍の最低限落とす必要のある城を定め、その他はそれぞれに任せることで軍議は終了した。
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