《《完結》待されてる奴隷を救った、異世界最強の龍騎士》第32話「拐」
「しかし、どうして第三王さまが、こんなところに?」
質問を投げたのは、クラウスだ。
「ふむ。君の父上から招待をけているのだ。明日の朝、お會いしようと思っている。それまではこの貧民街で過ごすつもりだ。爵位を持つ者すべてが、庶民を見下しているわけではないということだよ」
フィルリア姫というのは、さすが第三王というだけあって、かなり人気者らしい。
貧民街のあちこちから歓聲があがっていた。こんななのだ。龍一郎もみんなと一緒に歓聲をあげたくなってくる。
「數人だが配下のも連れてきている。セッカクだ。君たちと同じ宿に泊まらせてもらおうか」
クラウスは用事があるとのことだった。
それで、龍一郎がフィルリア姫を案することになった。フィルリア姫に傘を差しだす人がいた。
「構わん。今は濡れたい気分だ」
と、追い払っていた。
王というからもっとお淑やかなのかと思ったのだが、その振る舞いはまるで騎士のようだ。
「シラカミリュウイチロウとか言ったか。どこかの貴族の者か?」
龍一郎で良いですと訂正しておいた。
「ただの庶民です」
爵位をもらった覚えはないし、庶民ということで良いのだろう。
「しかし、なかなかの闘ぶりだった。《影銃》を使うのは、かなり質値が高い人間の証拠だ。質値はいくらほどなのだ? 場合によっては、私のほうから爵位授與の口添えをしてやっても良い」
「いや、別にそんなたいしたものじゃないですよ」
自慢するようなことでもない。
200とか言って、大騒ぎされるのも困る。爵位もそこまで魅力的にはじない。
「君のような人間が貴族になれば、もっと貴族たちの間に、庶民を守るべきだという意識を持たせることが出來ると思うのだがな。今の貴族どもは――いや、王族もロクな者がいない」
もちろん、貴族の前で堂々とそんなことは言えないがな――とフィルリア姫は肩をすくめて見せた。
顔立ちが整っているうえに、かなり好の持てる相手だった。
宿屋に戻った。
「案ご苦労。もし、困ったことがあればいつでもチカラを貸そう。それから爵位の件も覚えておいてくれ」
「ありがとうございます」
フィルリア姫がカウンターテーブルのほうに行ったので、龍一郎はあわてて3階の自分の部屋に行くことにした。
妙な騒ぎがした。
3階。
細い廊下の左右に大部屋が4つある。イチバン奧が龍一郎がとっていた部屋だ。トビラは開いていた。
「ベル?」
部屋の中。いない。
それどころかベッドが傾いて、クローゼットが倒れている。
いったい何が起こったのか。暴漢にでも襲われたのだろうか。部屋が荒れているし、1人でどこかに行くとも思えない。
連れ去られたのだろうか。しかし、誰が何のために――。
「どうした、リュウイチロウ」
フィルリア姫が上がってくるところだった。
「連れが、さらわれたみたいです」
龍一郎は愕然がくぜんとした気持ちで、そう言った。
なぜ世界は、ベルに不幸の手をばそうとするのだろうか。どこかで暴されているんじゃないかと思うと、をかきむしりたい気分になった。
【書籍化】幼馴染彼女のモラハラがひどいんで絶縁宣言してやった
【コミカライズ決定しました!】 一個下の幼馴染で彼女の花火は、とにかくモラハラがひどい。 毎日えげつない言葉で俺を貶し、尊厳を奪い、精神的に追い詰めてきた。 身も心もボロボロにされた俺は、ついに彼女との絶縁を宣言する。 「颯馬先輩、ほーんと使えないですよねえ。それで私の彼氏とかありえないんですけどぉ」 「わかった。じゃあもう別れよう」 「ひあっ……?」 俺の人生を我が物顔で支配していた花火もいなくなったし、これからは自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の生徒から賞賛を浴びて、學園一の人気者になっていた。 しかも、花火とは真逆で、めちゃくちゃ性格のいい隣の席の美少女から、「ずっと好きだった」と告白されてしまった。 って花火さん、なんかボロボロみたいだけど、どうした? ※日間ランキング1位(総合)、日間・週間・月間・四半期ランキング1位(現実世界戀愛ジャンル)になれました 応援いただきありがとうございます!
8 152【電子書籍化】婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣國へ行きますね
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。 幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿學校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決斷。エミーと名前を変え、隣國アスタニア帝國に渡って書籍商になる。 するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出會う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。 ※エンジェライト文庫での電子書籍化が決定しました。詳細は活動報告で告知します。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。 ※「小説家になろうnavi」で2022/10の朗読作品に選ばれました。
8 147【書籍化決定】白い結婚、最高です。
沒落寸前の男爵家の令嬢アニスは、貧乏な家計を支えるため街の菓子店で日々働いていた。そのせいで結婚にも生き遅れてしまい、一生獨身……かと思いきや。 なんとオラリア公ユリウスから結婚を申し込まれる。 しかしいざ本人と會ってみれば、「私は君に干渉しない。だから君も私には干渉するな」と言われてしまう。 ユリウスは異性に興味がなく、同じく異性に興味のないアニスと結婚すれば妻に束縛されることはないと考えていた。 アニスはそんな彼に、一つだけ結婚の條件を提示する。 それはオラリア邸で働かせて欲しいというものだった。 (ツギクル様にも登録させていただいてます) ※書籍化が決定いたしました。12/9、ツギクルブックス様により発売予定です。
8 165ブアメードの血
異色のゾンビ小説<完結済> 狂気の科學者の手により、とらわれの身となった小説家志望の男、佐藤一志。 と、ありきたりの冒頭のようで、なんとその様子がなぜか大學の文化祭で上映される。 その上映會を観て兄と直感した妹、靜は探偵を雇い、物語は思いもよらぬ方向へ進んでいく… ゾンビ作品ではあまり描かれることのない ゾンビウィルスの作成方法(かなり奇抜)、 世界中が同時にゾンビ化し蔓延させる手段、 ゾンビ同士が襲い合わない理由、 そして、神を出現させる禁斷の方法※とは…… ※現実の世界でも実際にやろうとすれば、本當に神が出現するかも…絶対にやってはいけません!
8 66異世界転移で無能の俺 ─眼のチートで成り上がる─
淺川 祐は、クラスでの異世界転移に巻き込まれる。 しかし、ステータスは低く無能と蔑まれる。 彼が唯一持ったスキル「眼」で彼は成り上がる。
8 139僕の日常生活は終わってる。
土田端町に住む平凡な高校生、原野守。その家に突如、美少女のルナがやってきた! その日から僕の平凡な生活が少しづつ変化していき… 平凡な生活がしたい守、楽しく日常を過ごしたいルナの2人による少しHで愉快なラブコメが今始まる!
8 99