《最強家族のまったりライフ》22話 魔法がないぞ!
あの後、シェーラが料理を運んできた料理を食べたのだが、シェーラは意外にも料理上手だったようでどの料理もとても味しかった。ティオが教えてくれたのだが、使っている食材がすべて超が付くほどの高級食材なのに加えシェーラの料理の腕前も踏まえると、一般的な家が一つ買えてしまうくらいの値段が付くそうだ。俺はそれを聞きその対価に何を要求されるか想像して、嫌な汗をかきながら食事を続けた。
今は食事後の団欒の時間でシェーラとの會話を楽しんでいる(シェーラは俺の話を一言一句聞き逃さないという雰囲気で聞いてるのでし怖いが)。
「そういえば坊っちゃま。そこのカリスクソ鳥のステータスはもうご覧になりましたか?」
今カリスが罵倒された気がしたんだけど、まだ俺を吹き飛ばしたことを引き摺ってるのかな?
「ううん。まだだよ。カリス、ステータス見せて?」
『ああ、別に構わんぞ。ステータス開示』
カリス :    682歳
種族:神鳥ヴェズルフェルニル
狀態:不老(テイム中)
Lv . 268
耐久力   608100/608100
魔力  1190000/1190000
攻撃  470000
防  840000
俊敏  1420300
用  860000
運     59
《スキル》
【武系】
【魔法系】
・風魔法Lv .10 、雷魔法Lv 10
・魔法Lv .8
・水魔法Lv .10、氷魔法Lv .14
【技能系】
・気配察知Lv.10(共有)、超覚Lv .8
・気配遮斷Lv . 7
・強化Lv .8
・魔力探知Lv .10、生命知Lv .20
・魔纏Lv .9
・集中Lv . 10、高速思考Lv .6
 ・高速詠唱Lv .10、無詠唱Lv .11
・並列詠唱Lv .7
・威圧Lv .10、王圧Lv .18
・恐怖Lv .7
・危険察知Lv .10、第六Lv .13
・飛行Lv .10
・加速Lv .10、瞬速Lv .20、神速Lv .4
・狀態異常耐Lv .10、狀態異常無効Lv ━
【ユニーク】
・雷神化Lv ━
・氷神化Lv ━
・神格化Lv ━
・神霊魔法Lv .5
《加護》
世界樹ユグドラシルの加護、霊王の加護
《稱號》
神に仕えし者、神樹の守護者、瞬神、世界の深淵を知る者、學ぶ者
さすがにカリス自も長く生きてると言うだけあってレベルもステータスも高いね。俺と桁が一つ違う………。しかも神鳥だったのか。それに狀態が不老って………。
あれ?魔力探知の上位スキルが俺みたいに霊眼じゃない。
『霊眼はエルフのみに発現するスキルです』
なるほど、そういうものか。
………あーあ。稱號に“世界の深淵を知る者”と“學ぶ者”がついちゃってるよ。“世界の深淵を知る者”は父さんと戦った時か屋敷でメイドや執事達を見た時だろうな。“學ぶ者”はさっきの教育半殺しだろう。
それにしてもスキルも加護も稱號も知らないものばかりだな。今度暇な時にノイントと一緒に見せてもらおう。
「ほうほう、さすがはカレイド様が連れて來た魔なだけありますね」
シェーラはカリスのステータスを見ても然程じていないようだ。さすがは化けだ!
「あら?確か神鳥ヴェズルフェルニルには世界樹ユグドラシルの守護者としての役目があったはずですが………」
「え~!?カリス、ここにいて大丈夫なの~?」
ノイントも驚いたようでカリスに心配そうに尋ねた。
『ああ、それについては心配せんでもよい。世界樹の守護は他の者がやっておる故。それに、私は追い出されただからな……』
「どうして……」
聞いちゃいけなかったかと言った後に後悔したが、カリスは特に気にした風もなく話してくれた。
『私の里では代々、力の強い者が統領になるしきたりでな。自慢じゃないが私は里の子供の中では一番強かったのだ。そのまま里で過ごしていたら統領にもなれただろう。だが、これまでの里の統領は全員男がなっていたのだ。私はだからな。當然里の連中は寄ってたかって騒ぎたてた。”子がなるなど前代未聞。とても任せられん!”などということを毎日のように言ってきてな。大方、である私が男より強い力を持っているのが気に食わなかったのだろう。共も共で私に良い番を娶られると危懼したようで一緒になって騒いでいたな。私は統領になるつもりはないと何度も言ったのだがな……。まあそんなことがあった數日後に、里の連中が総出で私を追い出しにかかってきてな。私はそれまでの連中の態度に辟易してたのもあってすぐに出て行ったよ。そうして長いこと各地を転々としていた折にクルス達と出會ったというわけだ』
どこでも権力爭いはつきものなんだな。なんか、これを聞くと魔も人も大して変わんないって思える。
『いや、出會ったというよりは仕留められたところをクルスに助けられたのだったな!』
「その節は誠に申し訳ありませんでした……」
カリスは俺のスキルポイントのために父さんにボコられ、連れて來られたので本當に申し訳ないと思っている。
『いやいや、別に怒っているわけではないのだ。紆余曲折あったが、こうして誰かと同じ時間を過ごすことは、本當に久しぶりだから素直に嬉しいのだ。だから、これからも傍にいさせてくれっ!クルス!』
「う、うんっ!もちろんだよっ!」
いきなり言われたので々驚いたが、しっかり答えを返した。
そして、俺達が話している間ずっと黙っていたシェーラはというと、
「……これからも傍にいさせてって、ほとんどプロポーズじゃないですかっ!何生意気なこと言ってやがんですかあのクソ鳥はーーー!!」
何やら小聲でぶつぶつと言っていたが、あまりよく聞こえなかったのでスルーしておいた。
食後の會話もひと段落つき、俺達はお風呂にることになった。
「それじゃあ俺は後でいいからみんなってきなよ」
俺は早速これから発生するであろうイベントから逃げようと、みんなにそう言って部屋から出ようとした。
クルスはどうする?
せっとくする
こうさんする
→にげる
「何言ってるんですか坊ちっゃま」
「そうですよ~。洗うの手伝いますよ~」
しかし逃げられないっ!シェーラとノイントに両腕をガシッと摑まれた。満面の笑みでお風呂場に連れて行こうとする。
クルスはどうする?
→せっとくする
こうさんする
    にげる
「い、いや、一人で洗えるから大丈夫だよ……。そ、それにほら、一緒にる理由がないじゃない」
「メイドが坊っちゃまのを洗うのは當然です」
「霊は一度決めた場所を離れないので~」
『つい先ほど傍にいると決めたからな』
全員がさも當然のように理由を語る。くそっ!というかカリスまで!?
クルスはどうする?
せっとくする
こうさんする
→にげる
しかし逃げられないっ!スキルを使ってもまるでビクともしない。
結局俺はそのまま所まで引き摺られ、ぐるみをすべて剝がされた。シェーラの部屋のお風呂は姉さん達の部屋ほどではないにしろ、5人は余裕を持ってれるくらいには広かった。そのあとのことは何も覚えてない。シェーラもノイントもそれなりにあったなんて全然覚えてない。ないったらないっ!!!あ、カリスがお風呂で泳いでて、カルガモみたいで可かったのはばっちり覚えている。
風呂から出てさっぱりすると、ノイントはさっさと実化を解いて眠ってしまったので俺達もすぐにベッドにって眠りについた。しかし、シェーラがずっと俺に抱きついていたので俺はしばらく眠れなかった。
朝になって俺はシェーラの拘束からようやく解放された。今日はイリス様には呼ばれなかった。そしてシェーラが作ってくれた朝食(朝食もこれまた高級食材ばかりで高級宿に10泊はできるお値段らしい)を食べているとき、俺はあることに気が付いた。
「そういえば俺って魔法持ってないなあ」
そう、魔法だ。魔法を持っていないのだ。転生する時にイリス様が魔力作があればすべての屬魔法を覚えられると教えられたので、いつか覚えようと思っていたのだが、なかなか機會に恵まれず、魔力作のレベルだけが上昇していってたのだ。
「あれ?坊っちゃまは魔力作があるのでてっきり全屬の魔法を使えるとばかり思っていましたが」
あ、失言だった。
「ええと、魔力作だけ生まれつき持っていたんだよ」
「そんなこともあるのですね」
お?あっさりと誤魔化せた。
「そうだ!でしたら私がお教えしましょうか?」
「え!?いいの?」
「はい。あ、ですが私が使えるのは、風、無の三屬だけなのでそれ以外の屬については……悔しいですが他の者に教えていただきましょう」
なぜそこで悔しがる………?
とにかくこれは願ってもない提案だ。もちろんける。
「うん!!よろしくね、シェーラ!」
「!!では、朝食を食べ終わったら私は他に魔法を使える者を集めてきますので、坊っちゃまはその間に外に出る準備をお願いしますね!」
朝食を終えるとシェーラは事前に言っていたように人を集めるために出て行ってしまったので、俺はシェーラに言われた通り外出の準備をして過ごした。しばらく待っていると再びシェーラが扉を開けて戻ってきた。後ろには執事とメイドが一人ずつと……何故か姉さん達と母さんとレスティア母さんの姿もあった。
「お待たせいたしました、坊っちゃま」
シェーラがそう言って後ろの二人の使用人に目で促すとまず執事が前に出てきた。長で黒髪に青みがかった銀の瞳を持つイケメンだ……。クソっ!
「坊っちゃま、執事のギムルと申します。本日はよろしくお願いします」
「よろしく!ギムル!」
ギムルの挨拶が終わると、次にメイドが前に出てきた。
150センチを下回るくらいに小柄で、空の髪にエメラルドグリーンの瞳の人なだ。だが、どことなくいじがあるので人というより可らしいと言った方が適切だろう。
「こうしてお話するのは初めてですね。ケリルと申します。よろしくお願いしますね………ってあら?そういえば、なぜシェーラの部屋にクルス坊っちゃまがいるのですか?」
「あ……ええと……その……」
「昨日シェーラがゲームで勝ってその賞品がクルスとお泊まりすることだったからよ」
「あ!レレナお嬢様!」
「なっ!羨ましすぎです……!」
「ほう……。シェーラの姿が見えなかったと思ったら、仕事を放り出してゲーム・・・をしていたのか」
「ふーん……。昨日の夜に仕事をサボる口実としてクルスの部屋に行ったのにいなかったからおかしいと思ったのよ。まさかシェーラの部屋にお泊まり・・・・に行ってたとはね……。シェーラ、後でお仕置きおはなししましょ♪」
「私だって、まだクルス君と一緒に寢たことがないのに……シェーラ、後で死刑遊びましょうね~♪」
「あ、えっと……あの……」
レレナ姉さんによってお泊まりのことがバレてシェーラがピンチだ。というかシェーラ、また仕事サボってたのか……。
姉さん達はこの景を見てクスクスと笑っている。
このままじゃ収拾がつかないな。
俺はそう思いシェーラに助け舟を出すことにした。
「そういえば何で姉さん達と母さん達がいるの?」
「私とルーナはクルスに闇屬の魔法を教えるためよ!」
なるほど。じゃあ母さん達は?
「「私達は暇だったからよ」」
「えぇ……仕事は終わったの?」
俺が疑いの眼差しを向けながら聞くと激しく目を泳がせた。
「さ、さあ魔法の練習に行くんでしょ?早く行きましょう!ねっ?ねっ?」
なるほど、サボってきたのか。でもシェーラ達も咎めようとはしていないな。じゃあ大丈夫なのかな?
「私共は奧様方の擔當ではないので咎めることは致しませんが……どうなっても知りませんよ?」
「大丈夫よ!」
一応ギムルが忠告してくれたが全く響いてないな。常習犯なんだろうな……。それにしても擔當なんてあったんだ。
「………はあ、わかりました。この屋敷の外では狹いでしょうから別の場所に私が転移します。皆様、どなたでも良いので手をお繋ぎになって私と繋がるようにしてください」
「では私が坊っちゃまと───」
「いえ私よっ!」
「私っ……」
「私がクルス君と!」
ギムルがそう言った瞬間、目をらせて俺目掛けて迫ってくるシェーラ達が恐怖を覚えた俺は咄嗟にスキルの瞬速を使い、その景を傍観していたギムルとケリルの間にり込み、二人と手を繋いだ。
「え!?クルス坊っちゃま!」
「!!………なるほど。考えましたね、坊っちゃま」
ホッと息を吐いてシェーラ達を見ると悔しそうな顔をしていた。
しょうがない。………だって怖かったんだもの。
まあ、とにかくこれでやっと魔法の訓練ができる。
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