《最強家族のまったりライフ》29話 ○○に代わってお仕置きよ!
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━━━ピローン 闇魔法Lv. 1 を取得しました。
俺は魔法の取得を告げるアナウンスで目を覚ました。
「「クルスっ!!」」
目の前には心配そうに俺の名前を呼ぶ姉さん達の姿があった。そっか俺、意識を失ってたのか。
《ご主人様~やっと気がついたんですね~。》
そんなに長い間俺気を失ってたの? 
『約5分ですね。』
なんでまた?
『クルス、覚えてないのか?』
ええと、確か闇魔法の練習してるときに………ああ、魔力を大量に消費して意識を失ったんだっけ?
『そうだ。』
「良かった~、クルスが気がついて。」
「このままクルスが帰ってこないんじゃと思ったわ…………。」
二人とも5分くらいで大袈裟だなぁ。まあ、俺も姉さん達が倒れたら同じくらい心配するけどね。
「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫みたい。」
「そうなの?本當に?」
「うん!」
俺が元気なアピールをするとレレナ姉さんはあきらかにホッとした顔になった。
「でもなんでクルスは気絶しちゃったの…………?」
「それは私から説明致しましょう。」
俺も知りたかった疑問にギムルが答えてくれた。
「坊っちゃま。坊っちゃまは闇魔法を使うとき、どのようなイメージをしましたか?」
「え?夜の家の周りの森だけど。」
「…………やはりそうでしたか。それと坊っちゃまは暗闇ブラインドを放つとき、標的も範囲も考えていなかったのではないですか?」
言われてみれば。
「………確かに。」
「暗闇ブラインドは良くも悪くもイメージに左右されます。暗闇ブラインドは標的を決めなかった場合、自分を中心に煙幕のように広がります。このとき、範囲を限定していないとイメージと同じくらいの範囲になります。つまり、坊っちゃまが範囲を限定しなかったために、坊っちゃまが放った暗闇ブラインドはイメージの中の屋敷の周りの森と同じくらいの範囲にまで広がろうとしたのです。そして、その範囲を賄う魔力が足りなかった坊っちゃまは魔力を全損し、気を失ってしまったのです。まあ、こればかりは坊っちゃまは知らなかったようですので、仕方がなかったと言えますけどね。」
暗闇ブラインドにそんな特があったなんてな…………。いい勉強になったよ。
ふと姉さん達の方を向くと俯いて顔を青ざめさせていた。
「ど、どうしたの?」
「私達がもっと詳しく教えていればこんなことには………。」
「クルスになんてひどいことをしてしまったの。」
「姉さん達落ち著いて!俺は気にしてないし大丈夫だから!」
そう言うと姉さん達は恐る恐る顔をあげた
「怒らないの?」
「なんで怒るの?姉さん達はただ俺に闇魔法を教えようとしてくれて、ちょっと説明不足だっただけなのにどうして怒る必要があるの?」
「だって私達がしっかり特まで教えていたら、クルスが気絶することもなかったのよ…………。」
「そんなの俺のイメージが悪かったんだから姉さん達が気にすることなんてないよ。それに、魔力が全部なくなると気絶するってことがわかったんだから結果オーライだよ。」
 「………うぅ、クルス~。」
「クルス~!」
姉さん達は俺が言い終わるとポロポロと涙を流して泣いてしまった。
ええ~。俺なんかまずいこと言っちゃったのかな?
『『《はぁ…………。》』』
なんでため息吐かれなきゃいけないのさ!
「━━ぐすっ、ぐすっ。」
「━━ぐすん。」
そうこうしているうちに姉さん達は泣き止んだようだ。
場が落ち著いたところでギムルが話を切り出した。
「これにて坊っちゃまの魔法の練習の全工程がひとまず終了致しました。お疲れ様でした、坊っちゃま。」
「ありがとうギムル。」
「ぐすん。じゃあクルスはこれで全屬の魔法が使えるようになったのね。」
そういえばそうなのか。
「初級だけだけどね。」
「それでも凄いわ…………。」
いや姉さん達も大概だと思うよ。だってヴァンピルフの種族特で時空以外の屬と霊魔法が使えるんだから。…………あれ?俺凄くなくない?
「では、本日の目的も達したことですし屋敷へ帰りましょうか。」
「「「うん(ええ)。」」」
ギムルが言い終わるのと同時に姉さん達は一瞬で掻き消え、俺の両手が握られたと思ったら姉さん達が両隣にスタンバイしていた。
「ふふっ、今度は逃がさないわよ。」
「捕まえた………。」
家に帰るだけなのにどれだけ必死なんだよ!
「では転送します。」
家に帰ると空はもう夕焼けに染まっていた。
夕飯までそんなに時間はないので、俺と姉さん達は時間になるまで姉さん達の部屋で一緒に遊ぶことにした。途中で兄さんがってきて、兄さんも一緒に遊んでくれたのは意外だった。
「カルエナ坊っちゃま、レレナお嬢様、ルーナお嬢様、クルス坊っちゃま、お食事の準備が整いました。本日はこちらでお召し上がりになりますか?」
兄さんと姉さん達と遊んでいるといつの間にか夕飯の時間になっていたようだ。
「どうしよっか?」
「我はどちらでも構わんぞ。」
「私は食堂で食べたい!」
「たまにはいいかも………。」
「では食堂にお食事をお持ちしますね。」
メイドはそう言い一禮すると部屋から出ていった。
「では行くとするか。」
俺達は兄さんのあとに続いて食堂へ向かった。
食堂につくと父さんと母さん達もいた。どうやら今日は仕事が早く終わったようだ。
「おっ?珍しいな。カルエナはともかく、レレナ達が食堂に來るとは。」
「………たまには………ね?」
食堂にると父さんが俺達が食堂に足を運んだことに驚いていた。
「たまにと言わずにいつも食堂で食べればいいじゃないか。」
「だって父さん達食堂來てもほとんどいなかったから、私達3人で食べてたのよ。だったらどこで食べても変わらないじゃない。」
「それは仕事が…………いや、すまんな。寂しい思いをさせてしまったな。これからはなるべく早く仕事を終わらせるよう努力する。」
父さんは寂しそうにそう言うが、レレナ姉さんが洩らした不満を聞いて、言い訳をしようとして思いとどまり、素直に謝った。
「え?別にクルスがいたから寂しくはなかったわよ。ねっ、ルーナ。」
「ええ………。だから無理に早くお仕事片付ける必要はないわ………。」
「そ、そうか…………。」
だが姉さん達は寂しくはなかったようで、父さんとしてはどこか納得いかないようだった。
俺がいることで姉さん達が寂しい思いをしないなら願ったりだ。
「ふむ、信頼されているのだなクルスよ。我は安心したぞ。」
「そ、そうなのかな。」
ガチャッ
「あら、皆様お揃いで。珍しいですね、っと。お食事をお持ち致しました。」
そのタイミングでメイド達が夕飯を持ってきてくれた。メイドの目から見ても俺達が揃って食堂にいるのは珍しいようだ。……………なんかこれだけ聞くと俺達家族の仲が悪いように聞こえるのだが。全然仲は良いからね!
メイドによって料理が並べられ、俺達は夕飯を食べ始めた。夕飯の主食はパスタだった。そして夕飯もやはり多かったので、ノイントとカリスと分けて食べることにした。俺って食なのかな?
ノイントが実化したときにノイントのことを知らない父さんやメイドが驚いていたので、晝間と同じように説明すると同じような反応をしたのがし面白かった。
「━━━━そういえばクルス。魔法の練習は上手くいったの?」
食事をしていると母さんが思い出したように聞いてきた。
「うん!」
「そう。良かったわ。ちなみにいくつの屬を習得できたの?」
「ふふん。凄いのよクルスは!1日で全屬覚えちゃったのよ!」
母さんの質問にレレナ姉さんが答えると、俺と姉さん達以外のみんなが固まった。兄さんは食を取り落とし、父さんに至っては飲みを飲みかけたまま固まってしまったので、溢れだした飲みがジョボジョボと下に零れている。
「ごめんなさいね。よく聞こえなかったんだけど。もう一度言ってくれるかしら?」
「だから、クルスは今日だけで全屬を覚えたのよ!」
食堂がシィーンと靜まり返り、次の瞬間
「「「「ええええええええええっっ!!!」」」」
レレナ姉さんの言ったことに家族と更には控えて話を聞いていたメイドや執事達でさえ驚いていた。
「………お、おいクルス。どういうことだ?普通1日で全ての屬を覚えるなんてあり得ないだろう。」
事を知っている俺達以外が衝撃のあまり呆然としている中、いち早く立ち直った兄さんが俺に問い質してきた。
「全ての屬といっても全部初級魔法しかできないよ?」
「それでも十分あり得ないんだが………。」
「それは━━━」
「クルスはね!魔力作のスキルも持っているのよ!」
ふふんと(ない)を張って言うレレナ姉さん。あの、俺のセリフとらないでくれます?
またしても場の空気が凍りついた。父さんの服はもうびしょびしょだ。
「噓だろ…………。魔力作は全ての屬の魔法を極めた者だけが取得できるスキルだぞ。なんで今日魔法を覚えたお前が持っているんだ?」
「生まれつき持っていたんだよ。」
イリス様からもらったとは言えないしね。
「そんなこともあるんだな。」
すんなり信じてもらえたな。
「っておお!?なんで俺の服が濡れてるんだ?」
ようやく今になって自分の服が濡れてることに気がついたようだ。
「旦那様、こちらをお使いください。」
「すまないな。」
それに気がついた控えていた執事の一人がタオルを父さんに差し出した。
「…………ねえ、クルス。あなた、全屬の魔法を使えるようになったのよね?」
「え?うん、そうだけど。」
「じゃ、じゃあこれで!あの爺エルフの酒が作れるようになったのね!」
そういえば晝ご飯のときにそんなこと話してたな。
「こら、セーラ。なに一人で舞い上がってるのよ。クルス君はまだやるとはいってないでしょ。」
「あっ、そうだったわね。クルス、お酒作ってくれないかしら?」
別に斷る理由はないしいっか。
「暇な時ならいいよ。」
「ふっふっふ………やったわ!」
「まったく………。」
レスティアお母さんは母さんのはしゃぎっぷりに呆れているようだ。 
「あ、ごめんなさい。食事を止めちゃったわね。もういいわよ。」
そのあとは魔法の練習の時のことを聞かれたり他ないことを話しながら食事を終えた。俺以外のみんなは一人で夕飯を完食していた。やっぱり俺が食なのかな?
食事が終わると父さん達はそれぞれの部屋に戻っていった。姉さん達は俺の部屋まで一緒に付いてきてそこで別れた。遠回りなのに、なんでだ?
今は自室でステータスの確認をしているとこだ。
クルス・レグサンド :男    3歳
種族:高位森人族ハイエルフ
狀態:健康
Lv . 89
耐久力   52300/52300
魔力     87568 /87568
攻撃  42510
防  29932
俊敏  48005
用  53444
運     85
《スキル》
【武系】
・剣Lv . 1
【魔法系】
・火魔法Lv . 1 (new)
・風魔法Lv . 1
・水魔法Lv . 1 
・土魔法Lv . 1 
・闇魔法Lv . 1 (new)
・魔法Lv . 1 
・時空魔法Lv . 1 (new)
・深淵魔法Lv . 1 
・神聖魔法Lv . 1 
【技能系】
・強化Lv . 10超越化Lv . 3
・気配察知Lv.10、超覚Lv. 6
・気配遮斷Lv . 10、隠Lv . 6
・魔力作Lv.10、神力作Lv . 1 
・魔力探知Lv .10、霊眼Lv. ━
 ・隠蔽Lv. 1
・調教Lv . 2
・加速Lv . 10、瞬速Lv . 4
・痛覚耐Lv . 2
・長倍加Lv ―
【ユニーク】
・神の導き手ガイドマスターLv . 3
・スキルクリエイトLv . ―(3986P)
・霊魔法Lv . 1
《加護》
主神イリスの加護、魔王の加護
《稱號》
転生者(隠蔽)、神の加護をけし者、 
魔王の息子、世界の深淵を知る者、學ぶ者、深淵を覗く者
うん。ちゃんと魔法も増えてるね。とりあえず當面の目標は隠蔽のレベルを上げることかな。
《転生者っていうのを隠すためですよね~。》
うん。でも隠蔽のレベルってどうやって上げるんだろう。
『普通はステータスを他人に見せたり鑑定されたりすることで上がるようですが、マスターにはスキルクリエイトがあるじゃないですか。』
ん?…………そうか!スキルクリエイトにはスキルのレベルを上げる能力があるんだった。たしかにそれを使えば一気に上げられるな。じゃあ早速上げちゃおう。
※10Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※50Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※100Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※150Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※200Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※250Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※300Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※350Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
※400Pを消費し、スキル"隠蔽"をレベルアップしますか?
                 YES          NO
…………オリジナルスキルを創るためにポイントを貯めてたけど、この際仕方ない。全部YES で!
※ピローン!  スキル"隠蔽"がLv . 10になりました。殘りポイント2176P
ふぅ~これでひとまずは大丈夫かな?
『ええ。隠蔽がレベル10になると鑑定レベル10を持っていてもレジストできますから。』
それは頼もしい。
『…………ふむ、クルスは転生者だったのか。』
カリスにはノイントの聲が聞こえるのか。
「あー…………まあカリスにならバレてもいいか。そうだよ、俺は転生者だよ。」
『む?転生者というのがバレると何かまずいことでもあるのか?』
「いや、だって転生者ってバレたら絶対めんどくさいことになるでしょ?それに、転生者ってバレたことで家族との間に何かしら変化が起きるのが嫌なんだよ。」
『それもそうか………。それで、クルスは前世どんなところにいたんだ?』
「地球っていう、こことは違う世界だよ。」
『異世界からの転生者だったのか。驚きだ。なあクルス!その世界のことについて々教えてくれないか?』
《あ!それボクも気になります~!》
「うん、いいよ!」
その夜はカリスとノイントに地球についていくつか聞かせてから眠りについた。
「ん………。ここは………。」
眠りから覚めるとそこは俺の部屋ではなかった。見渡す限り続く白い空間に俺はいた。
「…………神界?」
「そうよ。」
視線を橫に向けると銀髪紫瞳の、イリス様が腕組みをしてこちらを見下ろしていた。俺も寢転がったままでは失禮かと思い起き上がろうとして、気付いた。
「あれ?が………かない?」
「ふふっ、ようやく気がついたようね。あなたのは今、神の力で金縛りの狀態になっているの。」
何してくれてんだこの駄神!
「あっ!駄神って!…………まあいいわ。好きなだけ吠えてればいいわ。」
くそっ俺が何をしたっていうんだ!
「何をしたかですって?………忘れたとは言わせないわよ!昨日私が神託で話しかけたとき、全く取り合わずに神託を切ったじゃない!それも二回!」
…………あぁ。そういえばそんなこともしたな。
「何があぁ、よ!あなたが神託を切ったおかげで他の神に仕事中に神託送ったことがバレそうになって大変だったんだから!」
それは仕事中に遊んでたイリス様が悪いんじゃ…………。
「問答無用!あなたが前世くすぐりが弱點だったのは知ってるわ!○○に代わってお仕置きよっ!」
何故そのネタを知っている!?
「地球から取り寄せたわ!では改めて、覚悟なさいっ!」
「いや、くすぐりが弱點だったのはあくまでも前世だから。今世もくすぐりが弱點だとはあひゃひゃひゃひゃっ!ちょっっやめっ、あひゃひゃひゃひゃ━━━━━」
「ふふふふ!くすぐり地獄で悶え苦しみなさいっ━━━━━━」
20分後そこには満足顔のイリス様と、時折をピクピクさせる以外かなくなった俺がいた。
「どう?しは反省したかしら?これに懲りたらもう神託を切るなんて真似はしないことね。」
「あ………い………。」
「分かればよろしい。」
イリス様の神託を無視したことがこんなことを招くなんて誰が予想できるか…………。
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