《究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~》第35話 凄いよキミ!
「それ、何か意味があるの?」
「それ……とは、私の必殺技である《シャイニングソードブレイカー》の事ですかな?」
「……うん。それそれ」
數日前。エルフの若き長であると共に魔法剣士でもあるカムイと魔獣狩りに出かけた時のことである。
「我々の力を竜帝様にお見せしますぞー」と張り切っていたカムイが繰り出したのは、自の剣を通して放った魔法の一撃だった。ソレを見て、姫川の使っていた必殺技を思い出したのは言うまでも無い。一応俺も必殺技を持っているが、打つと腕が持っていかれる。消えて無くなる。
再生はするが痛い事に変わりは無いので、なんとかならないかと思っての質問だった。
全て正直に告げた。カムイを始めとしたエルフ達は皆驚いていた。「え、そんな事も知らないの?」という顔だった。
「や武が魔力を通すと強化される事はご存知ですよね?」
「そのくらいはね」
「逆に、スキルや魔法を放つ際に武を介にして放つ事で、破壊力を上乗せできるのです」
「マジで!?」
「はい。魔法とは、者の表現力に左右されるもの。つまり、破壊の象徴たる武を介することで、より攻撃を高めているのです」
ああ、なる程。ホースから出る水と水鉄砲から出る水。どちらも同じ水だが、痛そうなのは後者だもんな。先っちょを抓れば破壊力はホースに軍配が上がるけれど。
「さらに武に特殊な能力があった場合、その武の効果がその技に上乗せされることもあります。私の持つ剣は先祖より伝わる《ハヤブサソード》。一回切り付けるだけで3つの切り傷を生み出す寶剣です」
「へぇ、いい武だね。貰ってもいい?」
「駄目です。このハヤブサソードに乗せて打つことで、只の魔法がシャイニングソードブレイカーという必殺技なる訳です」
単純に破壊のイメージを抱きやすいことと、魔法の攻撃的質を引き出す訳か。なるほどなるほどー。
***
回想終わり。
アレ以降も考察は続けている。聖竜と魔竜、その両方のEXスキルが合わさって生まれた究極のEXスキルである《永遠をドミネ・超える竜の星クォ・ヴァディス》。あらゆる防魔法やスキルを貫通し、回復不能なダメージを與える最強の必殺技。
3%の低出力であってもあのミュートランスを瞬殺した奧義である。だが、これには一つ問題點があった。このスキルは他の攻撃魔法の例にれず、手から打ち出すものである。だが、問題は打った反で手が腕ごと消し飛ぶことである。3%出力で腕が……その後の実験では40%出力で首から下が無くなった。全力で打ったら俺という存在そのものが消し飛んでしまうのではないかという破壊力である。
諸刃の剣なんてもんじゃない。只の自技にり下がってしまう。まぁこのスキルのり立ちを見れば、規格外の破壊力にも納得がいく。
抑止力であるルミナスドラゴンのEXスキル《主は何処へ行かれたのかルミナス・エターナル》、世界最終の魔竜ハルメギドラゴンの《終末の轟咆ハルマゲドンハウル》。
本來わることの無かったであろう二つのEXスキルが複合し、何かの間違いで発生したスキルなのだ。當然、打つ側の事なんて考えていないのだろう。
だが……俺に反があるのは、恐らく打つ際の介が俺自のとなっているからだろう。普通の魔法やスキルならそれで問題無いのかもしれない。だが、このスキルは例外だ。者でも耐え切れず、ダメージをける。幸い、再生不能では無いのが救いか。
だったら、武を介にして放ってみてはどうだろう? 偶然にも、目の前には刃こぼれしない! 折れない! 形狀も変化しない! というれ込みのエクスカリバーがある。
「行くか」
手に取った一本を構える。そして、魔力を込める。永遠をドミネ・超える竜の星クォ・ヴァディスの最高出力に必要な魔力數は數値にして120萬。徐々に、魔力を込めていく。
「ちょ、ちょっと待ってって。一何を始めるつもりだよ……?」
常に素敵な笑顔を崩さないゴッドスライムだったが、流石に焦り始めた。そりゃそうだ。ルミナスドラゴンはコイツの姉らしい。俺のいくつかのスキルに関しては想像ついているだろうが、これから披するのは全く新しいスキルなのだ。
「永遠をドミネ・超える竜の星クォ・ヴァディス……二の竜のEXスキルが組み合わさった最強の攻撃さ。手加減しないけど……耐えろよ」
「はっ、はは! とんでも無いこと言い出しちゃったよこの人! いいよ、いいよ! ボクに見せてよ! その最強の攻撃を!」
コイツ、只のバトルジャンキーなのか、それとも馬鹿なのか。だが避けないでいてくれるのはありがたい。遠慮無く準備が出來る。
「55、56、57……60%……っ!?」
丁度60%程魔力を注いだ時の事だった。パキィ……。そんな嫌な音が聞こえた気がした。
ゾッとして、エクスカリバーに目をやると……。
「おいおい……冗談だろ」
エクスカリバーにヒビがっているでは無いか。そして、そのヒビは徐々に大きくなって……。
「ぐああああああああああああああ!?」
発した。被害は剣を握っていた右手首。ごっそり無くなっている。だがそれも一瞬。《竜》による再生で、元通りになる。
「いてて……何が神造武だよ。何がエクスカリバーだよ。結局駄目じゃねーか」
エクスカリバーでこれじゃあな。こりゃ、この永遠をドミネ・超える竜の星クォ・ヴァディスを100%の力で打てる日は永遠に來ないかもしれない。
「さて、こうなったら自覚悟でお前にこの技をお見舞いしてやろう……ん?」
ゴッドスライムのほうを見ると、ぽかんとした顔をして、こちらを見つめている。まるで信じられないものでも見るような。
「なんだ?」
「噓でしょ……はは……あはは。凄い! 凄いよキミ!」
500円玉を拾った小學生みたいにはしゃぎながら、こちらに駆け寄ってくるゴッドスライム。そして、俺の肩に腰掛けると、首に抱きついて頬ずりしてきた。
イキナリなんなんだ?
「ちょっ、離れろ! 離れろってば」
「ぶっちゃけるけど、実はボクの《神造工房・極》で造った武は、ランクが一段落ちるんだよー」
困っちゃうよね~と言いながら、ぺロリと舌を出す。可い。ただ、気になる事を言っていた。
「なんだよランクって……」
「あ、これ言っちゃいけないヤツだった。まぁとにかく、本よりレアリティが落ちると思ってくれていい。本のエクスカリバーがSSSランクだとしたら、ボクの造ったはSSランク。そもそも本のエクスカリバーだったら、僕達裝備出來ないから」
「確かに言われてみればそうだ」
「けど、ランクは落ちるって言ったけど、それでも特そのものはけ継いでいるんだよ。絶対に折れないし刃こぼれしない。ましてや自分で込めた魔力で破損するなんて聞いた事がないんだよ。なくても姉さんのEXスキルごときじゃ絶対にありえない」
肩に腰掛けたゴッドスライムが小首をかしげながら、こちらを見上げる。しばらく俺を見つめた後、うんうんと頷くと、飛び去って再び距離をとった。
「ただの殺す対象としか見てなかったけど……俄然キミに興味が湧いてきたよ。今使おうとしたEXスキルの……絶対に暴いて見せるよ」
「はっ。別に戦わなくたって、を見せてくれたら教えてあげるぜ?」
「それもいいけど……やっぱりボクはバトルがしたいかな」
やはり、バトルジャンキーだった。厄介だよ全く。俺達は再び戦闘態勢をとる。だが、先ほどとまでは違い、お互いの口元には笑みがこぼれていた。
もちろん、俺のドラゴンフェイスに笑みなんて無いのだが、そんな、気分だった。次は何を見せてくれる? お互いにそう思いながら戦う。
思案し、めぐらせ、組み合わせ……生み出す。これから始まるのは自分を見せる戦い。そして、目の前の相手を楽しませる戦いだった。
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