「終わったから、お買い行くわよ」

待ちに待ったって言っても作業していたから時間的には待ってもいないのだが、やっと懸案の主原料調達に行ける、もある燃芯も作った、後は油だけだったのだから。

「ちょっと待ってて～、今行く～」

作業臺の上にある燃芯の束を片付けて、散らばったゴミを下のゴミ箱に落としてスペースを確保した、これで脂を持ってきても作業臺に置けると言う訳だ、食べるでも無いので地面に置いても問題は無いのだが、そこは気分の問題だと思う。

「お屋さ～ん、お屋さ～ん」

テンション高めなヘンテコソングを歌いながら母の元に駈けて行った。

獣脂燈明の話はしていないので、母からすれば「またウチの子は変な事考えてるわね」って言いたげな顔をしていたが、そこはごという事にしておこうじゃないか。

「今度は何を考えているのかしら？」

ビンゴ、若干ジト目と言うをしながら、何でウチの子はこうも変な事を考え付くの？と言われないだけましと思っておこう。

「ママ、僕を変人みたいな言い方しないでよ」

「まあ、危ない事でなければ良いけど、気を付けるのよ」

そんな事を言われながら、今日の夕食のメインになるを買いに、俺は脂を貰いに、向かった屋で相も変わらずテンションだだ下がりの店主が、若いアンちゃん達に絡まれていた、貧相なおっちゃんに若いのが３人とか、オヤジ狩りか？といった景だ。

「…だとしても何でファングラビがそんな値段なんだよ」

「だからね、何度も言うけど抜きが悪すぎては食べられないし、ズタズタに傷だらけで皮も駄目では、買い取り自出來ないんだよ、さっき言ったこれは歯の値段なんだよ、本來なら解費用を貰いたいくらいなんだ」

持ち込んだのは、なりたての戦士モドキだろう、持ち込まれた化け兎は何度も剣撃を繰り返され、それもどれも淺く致命傷にならない、ただいたずらに皮をズタボロにしただけの、稚拙な攻撃でやっと倒したが漂う、素人の俺が言える話では無いが何ともお末な一だった、抜きが悪いと言っていたが、抜きの悪いなど、誰が好き好んで食べると言うのか、昔鉄砲撃ちをしていた猟友會のおっちゃんに、玄人と素人の仕留めたを両方貰った事があったけど、素人の方は噛めば噛むほど臭みが広がるマズイだった、この兄ちゃんのウサギもそんなだって事なんだろう、いつも屋に売られている量からしてこれを買う人間なんか居ないから、これをを食べるのはこの世界では魔くらいしか居ないだろう。

「そんな事言って、儲けるつもりなんだろ、まだ駆け出しだからって馬鹿にすんなよ」

「そうだぞ、いい加減な事言うんじゃねぞ」

「ちゃんと買い取れ」

本當にオヤジ狩りにしか見えない景に、マジの不安を覚える、どう見ても俺達が助っ人にってどうこうなるじでも無い、おっちゃんピンチ、どうなる俺の脂！！！