朝食を取りながら俺は、今朝の出來事と結果を報告した。

「そうかダメだったか、もしかすると魔を埋めた所には、草があまり生えない事とも関係があるのかもしれないな」

父には似た経験があったようだ、それなら教えておいてくれればとも思わなくは無いが、こんな事を実験する子供も俺くらいなだし、普通は言わないよな。

「木を切りに行ったときに、あまり草が生えていなかったじゃろう、あの事じゃ」

確かに伐採に出かけたとき、森のり口付近と関所の間は、誰かが刈っているのかと思うほど、下草は綺麗になっていた、てっきり刈っているていで考えていたが、魔の骸と今回のスープが同じ理屈だとするなら、単純に骸から除草分が染み出して、草が生えられなくなっていたと考える方が、自然な答えに行き著く。

「薄めて使ってみようかと思ったけど、何回やっても枯れちゃうのか～、それなら止めた方が良いかな」

「そうかも知れんし、そうで無いかも知れん、そんな事をやった者がおらんからな」

濃すぎてダメだった可能はある、それに除草剤のようなを安易に捨てる事もできないので、何かしら用途を確保しなければダメだろう、製造者責任というヤツだ。

ここで忘れていた事を思い出した、油を作った時の排水は垣の下に捨てていた、それにも除草分が含まれているのでは無いだろうか。

「パパ、黒とは別のを垣の下に捨てたんだけど、枯れちゃったらごめんなさい」

「次から気をつければ良いさ、枯れる事を知っていてやたんじゃないんだ」

確かに故意的にやったものではないが、やらかした、もし枯れたら今度伐採に行った時に、苗木を持って帰ってきて植えときます。

「エドでも失敗する事あるんだね」

子供の発言は時として殘酷だなどと言うが、姉の言葉は心に響いた、心の中の俺は、ご期待に沿えず申し訳ありませんでしたと、土下座で頭をり付けている事だろう。

「姉ちゃんにとって俺の扱いってなんなんだよ」

「よく出來た弟よ、もっと頑張んなさい」

そう言うと頭をポンポンとしてくれた、飴と鞭と言うか、は男を乗せるのがうまいというか、子供ながらにもうこんな技を使ってくるのだ、そりゃ乗せられるのも無理は無い、磨いた技の年季が違う。

案の定乗せられた俺としては、出來る弟の座から陥落したく無いので、もう一ひねりできないか考える事にした。

そこで出した案は三つ、灰で清ましてみる、炭を沈める、黒スープは溶解として使いまわす、この方法を試す事にした、前二つは濁り酒に灰をれて清酒にしたって言うのと、炭の浄化作用・・・消し炭でもいけるんかな？？？ってところから、最後の使いまわしに関しては、雑分が溶けきらなくなるまで、延々と使って使い倒して、郊外に捨てに行く方法として、どれも大した案じゃないけど、何とか功してもらいたいだ。