《異世界生活語》質は違うもの?

火にかけた鍋は何の問題もなく鍋として使えている、グツグツと煮立たせるが、ただの金鍋を使った前回に比べても、容積に違いがあるにもかかわらず、こちらの方がし遅い程度で沸騰するあたり、熱伝導率はこちらの方が圧倒的に良いようだ。

単純に手間がかかりすぎる事を除けば、焼きの方が能は上、この辺りは地球とは大きく違う。

沸騰した湯に獣脂を投すると、ペースト狀に練れた方は、フワッと溶けていったのに対し、半固形の質タイプは、一度底に沈んで溶けながら油分が浮かび上がって來る、明な分違いがあるが海底原油のように見えて、見ていて飽きないものだ。

とは言っても、余分な分を溶かし出さなければいけないので、そう悠長に見守っている訳にもいかず、枝で作った棒・・・皮を剝いただけの手抜きですいません、を使ってかき混ぜるのだった。

こんな事なら、長柄の杓文字?箆へらでも作って置けば良かったのだが、気が回らなかったのだから仕方が無い、と言う事にしておいてしい、この辺りが主人公補正無しのパンピーと言う事なのだろう。

質の方は油層の中にゴミが混じっているので、飛び散らない程度の暴さで攪拌する、湯に當たるとゴミは親水なのか、鍋底へと沈んでいくので処理は簡単で良い♪

問題は質タイプの方だ、中々油が抜け切らないので、今だに沈んでいるからは、プクプクと油が溶けては浮き上がってきている。どこでこれが抜けきるのか、ある程度で諦めるのか、判斷など出來るか~、っと塊になっている沈殿に攪拌棒を突き立てると、勢い良く油が抜け出てきた。

しかし油が抜けたからは、その後濁ったモノが抜け出てしまったので、短気を起こした事を後悔するハメとなった。

薄灰の湯になってしまったため、油が溶け出ているのかが判斷しにくい、これでは諦める他無いだろう、ツクヅク仕事を増やしてしまった事が、悔やまれるのだった。

「それにしてもこの違いって何なんだろうな?」

それは質の方は、水の濁りはほぼ無いと言う事だ。

細かなゴミは仕方が無いとしても、塊から出てきたような濁りは、こちらにはじられない、別段澄んでいるとまでは言わないが、あの薄灰をした濁りはじられないので、脂の質なのか部位なのかは解からないが、その差は間違いなくあるだろう。

「混ぜたらどうなるんだろう?別々での方が良いのかな?製品の出來に差が出ないと良いけどな」

カマドから燃えカスを取り出して、放置冷卻している間に、小売用と納品用のでも作るとしますかね。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください