《初心者がVRMMOをやります(仮)》初めてのVRMMOは前途多難
今までタブレットもスマホも使ったことが無く、挙句の果ては二つ折り攜帯もリアルで使っているものよりもかなり能がいい、そんなことをセバスチャンにカナリアが伝えると、すぐさま使い方の鬼レッスンが始まった。
「ではミ・レディ。まずタブレットから使い方を説明します。あくまで、この世界での使い方ですので、現実と違う場合がありますから、ご注意ください。
ミ・レディ。『タブレットTabletRetrieve』と言っていただけますか?」
「? 『TabletRetrieve』?」
すると鞄にしまっていたはずのタブレットが出てきた。しかも、手元作しやすい場所で宙に浮いている。
「大がこの狀態でタブレットを作していただくようになります。ミ・レディは右利きですか?」
何故それが関係あるのか、そんなことを思っていると、作のし易さに影響があるのだという。
「大抵が利き手で作する方が多いですからね。そして利き手でない方で電話をとる場合が多いです」
確かに。両親は左手で電話を取っていた。
「ですので、基本作は利き手で行っていただくことが多くなります。……移させる場合は移Moveと言いながらタブレットにれてその場所へもって行きます。その後固定Fixationを利用してその場所で使える様ようにします。しまうときはタブレットTabletStashです」
そう言いながらセバスチャンは、あっさりとこなしていく。
「では、ミ・レディ。最初からやってみましょうか?」
にっこり笑うセバスチャンの顔に「卻下」の言葉は出なかった。
「えっと……『タブレットTabletRetrieve』!」
一度しまった後に再度、出してみる。右手側に出てきたタブレットを今度は左手側に移させる。
「んと……『移Move』!」
そう言いながら、左手側に持っていってみる。おおう、く。そんな簡単なことに玖はしていた。
「ミ・レディ、固定しないと使えませんよ」
呆れたような聲でセバスチャンが水を差してきた。
「はいっ! 固定Fixation!!」
玖が使いやすいと思った場所にそれを固定する。確かに使いやすいかも、そんなことを思った。
「では、しまってください」
「タブレットTabletStash!」
「そこまでがタブレットを取り出したりする際の一連の流れです。後程、使いやすい場所に最初から出るように設定を変更しておきます」
「えと、それは……」
「ミ・レディでも出來ますけど、お時間がかかると思われますので。それでしたら、私がそのあたりを設定しておいた方がいいかと。先ほどから見ていると、利き手で使う場合には、このあたりにあったほうがよさそうですね」
どうして、それが分かるのか。玖はしだけこのセバスチャンAIが恐くなった。
「では次に、スマホですが、大抵が腰の袋に攜帯と一緒にっています。スマホで検索をする場合は、手に持ってする方法とそれから、タブレットと同じように固定Fixationを使って宙においておくことが出來ます」
セバスチャンが攜帯で電話をかけるそぶりを見せながらタブレットとスマホをる仕草をする。
こうやって見ると、確かに宙に浮いているほうがやりやすいかもしれないと思った。
「おおよそ分かりましたか? あとは実踐で慣れていきましょう。タブレットで現在の狀況を確認することが出來ます。
ちなみに、ミ・レディの狀況はこのようになっております」
あっさりと見せ付けられた畫面には、「所持金なし、持ちタブレット、スマホ、攜帯、初期回復薬」とだけ記されていた。
お金を集めるためにどうすればいいんだっけ……。ゲームというゲームを祖母宅以外でやったことのないカナリアは、必死に思い出していた。
「……まずはどっかに行って、狩りでもしないと」
「何故ですか?」
「モンスターを倒せばお金がるんじゃないんですか?」
確かRPGと呼ばれるゲームではよくある設定だったはずだ。
「どんな通説ですか。あり得ません。ギルドなどで依頼をけることによって金銭が発生します。もしくは狩ったモンスターを解してを売りさばくことにより、お金を手にれることが出來ます」
ある意味、現金な話である。
「依頼はどうやってけるんですか?」
「基本はギルドですが、ギルドから遠い場合はタブレットでギルドにある依頼をけることが出來ます」
よし! 思わず意気込んでタブレットに書いてある依頼のマークに玖はれた。
ずらぁぁぁぁぁ! という勢いで出てくる依頼に、玖は既に怯えている。
「……ミ・レディ、とりあえずは冒険者ギルドに行きましょう。しばらくは冒険者ギルドでミ・レディにあった仕事を探したほうが手っ取り早いです」
「……ハイ」
初日からとんだことになってしまっていた。
とりあえず、初日はこれで疲れてしまったため、ギルドに行かずにログアウトした。
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