《初心者がVRMMOをやります(仮)》初のフレンド限定クエスト 1

「じゃあ、スパイダーシルクを取りに行こうか。カナリア君?」

「え!?」

ゲーム時間で朝になった頃、ディッチが唐突にってきた。

「上級の方のスパイダーシルクね。カナリア君も使うだろうし、ジャスも使うからね」

「そそそそれは嫌ですぅぅぅ!」

蜘蛛はいやぁぁ! とぶカナリアを無視して、ディッチがクエストを注していた。

「今回、シルクスパイダーの捕獲も頼む。染に使うから」

さらりとジャスティスまでもが言う。

「シルクスパイダーがいるところだと、上級の鉄鉱石と銀粘土が取れるな。ジャッジは?」

「特にない。火薬草と薬莢に使うための素材がしい。金屬製よりもこの世界の銃は植製のほうが能がいいし」

ディスカスとジャッジまでもが當然のように付け足してきた。

「となると、契約主はディッチさんで、サブは……」

「當然カナリア君だ!」

腹踴りを笑った罰なのだろうかと、カナリアは本気で思った。

「いや、このクエスト自がフレ限定なんだ。俺かディッチさんが主になって、サブをカナリアにしないことには、無理なだけだ」

ジャッジの説明についていけない。

要約するとこういうことらしい。

今回ディッチが注したクエストは「フレンド限定」クエストなのだ。そしてその「フレンド」の括りが注主のフレンドということになる。

もし仮に、カナリアが注してしまった場合、一緒に行けるのはジャッジとディッチのみとなる。

これがディッチとジャッジの場合は全員を連れて行けるが、ディスカスとジャスティスが注した場合は、カナリアは一緒に行けないという狀態になる。

そして、このクエストのいいところは注主とその補佐をする「サブ」と呼ばれる者には経験値が多くる仕組みだという。つまりはカナリアのLVを上げるという理由から、カナリアがサブにつくということだ。加えて、報酬も注主とサブが多くもらえるらしい。

「ディッチの言い分としては、自分のLVよりもはるかに下のクエストばっかりけてないで、こういうのもけろといいたいだけだ。……半分嫌がらせも含まれてるだろうがな」

ディスカスが笑って付け足してきた。

「俺は今回珍しく三連休に休みが重なったが、大抵が替勤務で平日休みが多いんだ。フレンド登録してもらえれば、俺の時間が合えばいつでも鍛冶と錬金の基礎を教えられる」

凄まじく魅的なおいが、ディスカスから來た。

「ついでに、ジャスに渡したような大きな紡績や織り機じゃない機械も作るが?」

対価はカナリアの作るアクセサリーだとディスカスが言う。

「俺のAIのアクセサリーも頼む。ナーヴはだから、君のセンスに任せる」

「よ……呼び捨てでいいです。アクセサリーでよければ、いつでも作ります」

「そうかい。じゃあ、フレ登録も了承でいいかな?」

そしてカナリアはディスカスとジャスティスともフレ登録をしていく。

そして、クエストに出かけることになった。

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