《初心者がVRMMOをやります(仮)》捕獲方法
願い事に他のプレイヤーたち気を取られているが、「カエルム」だけは違った。
「捕獲できねぇぇぇ」
そうわめくのはディスカスだ。本日六度目の死に戻りをしたばかりである。アイテムをほとんど持たずに挑戦してよかった、そう思うのは參加者全員である。
近づくだけで死に戻りなど可いもので、気が付けば気が付けば死に戻りをしており、理由が分からないまま戻って來て、についていた糸くずで再度死に戻りという場合もある。
攻略サイトでも「クリアさせる気ないだろ」とか、「願い事葉える気ないだろ」と叩かれているが、當の運営サイトは「出來ないものを出來るとは言いませんよ」と返答している。
ジャッジたちまで切り刻まれている時點で、「カエルム」に対するバッシングはなかった。
「あたしたちの所にも來ましたよ、スカウト」
けたけたと楽しそうに笑うのはリリアーヌだ。何でも「一緒に願い事を葉えましょう!」と言ってきたらしいが。
「今いるペットで十分だから、お斷りしたけど。玖ちゃんの所にも來たって」
がたん! ジャッジが殺気を出しつつ立ち上がった。
「玖はきちんと斷ったから大丈夫だよ。『蜘蛛さんを飼うつもりはありません』って」
それを聞いた數名が、ヒントを得たと嬉しそうに戻ったらしいが。
「カナリアとしては、どう思ってるんだ?」
ジャッジの問いにカナリアはし思案してこう答えた。
「蜘蛛さんに興味ないです。ジャスティスさんとスカーレットさんの所から納品されるシルクだけで充分です」
相変わらずカナリアは素材以外に興味はないようである。
余談だが。その蜘蛛の糸、実はドラゴンのブレスであっさり無効化できたらしい。
蜘蛛の巣を焼いた時點でスパイダーも討伐されてしまうのが難點だと、気づいたジャスティスがぼやいていた。
ジャスティスお前も大概ずれているな。そんなことをディッチは思ったが、あえて口に出さなかった。
これにヒントを得たとあるギルドが、スパイダーを捕獲できたらしい。
そこのギルマス曰く「ドラゴンブレスで焼ききれるなら、火炎放でも大丈夫かなって」ということだ。
まず、スパイダーをおびき寄せ、巣のあった場所を燃やすという、単純なもの。今までだって同じようなことをやっていたはずだが、巣を燃やすとバーサク化して始末に負えなかったはずである。
「それが……今回『深窓の宴』との共同クエだったんですよ。で、向こうがおびき寄せ班だったんですけど、巣が燃やされた時點であっという間にバーサク化しまして……」
「『深窓の宴』メンバーを死に戻りさせたと?」
「早い話が。そこで一度バーサク狀態が終わりまして、スパイダーシルクで慣れた職人が捕獲したんです」
ということらしい。「深窓の宴」に関しては、自業自得としか言えない。何せ、またしてもごり押しで火炎放を押し付けたらしい。言質はとってあるので、問題ないとのことだった。
「ご苦労さん」
「いえいえ。……で、ここはひとつカナリアさんのAI、セバスチャンにあやかろうかと」
「『カエルムうち』まで來たのは、それが理由か」
「はい。飯作れるのがいないもんで」
「……お前さんのところはなぁ」
赤々な話をぶつけられたディッチは頭を抱えた。
前回の「使役獣の反」で最後までバーサク化が収まらなかったギルドだ。テイムしたモンスターに暴を働いていたわけでもない。一つ言うなれば、誰一人料理が出來なかった。
それこそ、クィーンや他のプレイヤーがどんなに教えても、何故か出來るのは「毒」。さすがのクィーンも匙を投げた。
結局、ギルドメンバーが作ったものと、セバスチャンが作ったもの両方を出して、事なきを得たのは記憶に新しい。
「取りあえずそれでテイム出來て、新素材出來たら『カエルムうち』に回してくれると助かる」
カナリアは使うつもりはないようだが。
「錬金とかにも使えたら、姉が喜びそうですよね」
「つか、俺らの中で喜ばないやつはいないぞ。糸でトラップとかロマンがあるだろ」
「それを公言できるディッチさんも凄いと思いますが」
「俺らだからな」
結局、セバスチャンの飯である程度スパイダーを手懐けることはできたが、あっという間に昇天してしまったらしい。
「今度俺らがおびき寄せ役やるから、もう一回火炎放やってもらえんかね」
「いいんですか!?」
「前のクエストを踏んでいるとなると、火炎放役は固定しておいた方がいい気がするんだよな」
そんな予がする。ギルドに戻り、その旨話してあっという間に方法が決まった。
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