《FANTASY WAR ONLINE》第十九話
「さて、これから魔の鍛錬をするわけじゃが――」
「師匠! 質問です!」
「なんじゃ?」
「どうしてわざわざ泉まで來たのですか?」
今俺と師匠の二人は昨日に來た、泉の近くまで足を運んでいる。ちなみに、俺が知っていることはこれから魔の修行をするということだけである。祖父ちゃんたちは、みな各自に【魔力知】習得に向けて頑張っているよ。
「ここは暴発しても誰も困らんからの」
「魔力って暴発するんですか!」
かなり騒なことさらっと言っていますよね。それってまずくないですか? 俺、死に戻りしたら、町からここまで來なくちゃならないんですけど。遠いんですけど。半日ぐらい無駄になるような気がする。
「大丈夫じゃ! 死んでも走って戻ってこい!」
「師匠! それは大丈夫とは言わないです!」
と、大聲の張り合いも一段落ついたのか師匠は大きなあくびを一つすると、すっと表を変える。
「さて、冗談はここまでにして始めるとしようかの」
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫じゃ。暴発するような事態に陥るような下手糞は【魔力知】すらまともに出來んからの!」
師匠はとても楽しそうです。おそらく、周りにそういう人がいたのだろう。どうやって、魔力が暴発するタイプの人なのかを知ったのかは謎だが。
「まずはわしが手本を見せよう」
師匠はそう言うと、両手で水をすくうような手のきをさせる。すると、そこから小さな火の玉が現れる。それはしばらくその場を漂うと突然消える。
「ま、これが魔じゃの」
「すごいですね。あれ全部魔力で出來ているんですか?」
「そうじゃよ」
今の火の玉は全てが魔力で出來ていた。これは俺の知能力の限界だからそうじたのかと思ったが、そういうわけではないらしい。師匠が自分で言っているんだからな。だったらそれを信じるとしよう。
しかし、先ほどの火の玉がすべて魔力だとするならば、火の存在に必要である酸素は必要ないということになる。つまり、水の中だろうが宇宙空間だろうが火をつけることが可能というわけだ。これは魔法にも當てはまるのだろう。
「しかし師匠。さっきの火は熱くないので?」
俺はそれが気になった。これは非常に大事なことであるだろう。
「熱いぞ。お主はな」
「というと?」
「わしは熱くないということじゃな」
「それまたどうして」
「……他人の魔力というのは毒というのは知っておろう」
これは當然知っている。だから、最初の魔力の修行で定期的な休憩をとる必要があったのだ。しかし、回復魔に分類されるものは自分の魔力を使用して他人のを回復させるという魔である。このように、魔力というものは薬にもなるし、毒にもなるのだ。
「まあ、回復魔は他人の魔力が拒絶反応を起こさないように自分の魔力の質を変質させる必要があるから、より高度な魔になるのじゃが……それは置いといて、基本的に、他人の魔力は毒じゃ。めったなことでは他人のためになることはないの。だから、わしの魔力で出來た火を、お主は熱いとじるじゃろう。魔で敵にダメージを與えるということはそういうことなのじゃからな」
「では、どうしてMNDが高くなると魔法防が高くなるので?」
「相手の魔力に対抗するには自分の魔力が多いほどいいからの。自分の魔力が多ければ多い程、他人の魔力に対して、悪影響をけることがなくなるのじゃ」
「なるほど」
師匠は再び手のひらに魔力を集めてそれぞれ別の魔を作り出す。それぞれ、火・水・土・・闇……と、なんかよくわからない魔力の塊。たぶん風?
「これは?」
俺は魔力の塊に指さして質問してみる。
「風じゃよ」
「これ、避けられる人いるんですか?」
「魔力を知覚できたら避けられるじゃろ」
「それもそうですね」
俺は納得した。なくとも、俺はじ取れるから避けることは問題ないだろうな。他の人は知らないけど。
「さて、魔の基本じゃが……これはイメージが重要じゃな」
「イメージ」
開発も魔力の考察をあきらめたのか?
「緻なイメージがなければ魔は生まれん。これは夢にを持たせるような作業じゃの。あとは、常識が足を引っ張る。水の中でも永遠に燃え続ける火をイメージできずに魔として消化できない場合もあるの。魔はどんな狀況においても一定の戦果を出すことが求められるからの」
聞いていたら難しくじるんですけど、それは大丈夫なんですかね。
「まあやってみるといい。どの屬でもいいぞ」
師匠はそういって座り込んだ。俺も座るとしよう。ずっと立っていても疲れるだけだろうしな。
そうして俺は、魔力をり魔を生み出す訓練を始めた。
【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
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