「ん？なんだこれ」

メラドーラ討伐後、俺はいつものようにミッション報酬を選択すると１つの腕が現れた。

【鑑定】をかけてみると＿＿

◇◇◇◇◇◇

名稱:水聖の指ウンディーネリング【ランク:SS】

効果:水系統攻撃の威力30%UP

水系統耐30%UP

水系統攻撃の消費MP50%CUT

◇◇◇◇◇◇

…多分これもチートとか呼ばれるんだろうな。

自分自の運のよさに喜んで良いのかわからずに深いため息を吐いていると、アンリがこちらに走ってやってくる。

俺は【水聖の指】をアイテムボックスにしまう。

「シュウ君！早く潛りましょう！凄いものを見つけました！」

「おい、引っ張るなって！」

アンリに引っ張られ水中を眺めてみればそこにはタコを討伐した際に発生したの粒子がゆらゆらと揺れながら水面からしずつ立ち上っていくというとても幻想的な景があった。

アンリは俺の顔を覗き込むとニッと笑う。

「綺麗じゃないですか？」

「確かに綺麗だな」

俺はこっそり笑顔のアンリとの粒子を寫真に収める。うん、いい思い出になりそうだ。

の粒子が消えた後メラドーラの巣らしきにったのだが結局見つかったのは妙な裝飾が施された謎のツボらしきだけだった。何に使うんだこれ。

☆

メラドーラを討伐した俺たちが２界層の主要都市【エルト】に帰り著くとモノリスの前で3人のザ・戦士といった風貌のゴツい男と1人の銀の裝備で統一した魔法使いのが喧嘩をしていた。

野次馬丸出しで近寄ってみると會話が聞こえてきた。

「私も働いた、報酬がない」

「ああん？魔法使いなんて後ろでチマチマやってるだけだろーが！」

「俺たちが盾になってやんねーと何もできねーくせによ！」

「違えねえ！」

そう言ってギャハハと笑う男たちを見て魔法使いのは悔しそうに睨む。

そんな男たちを見てアンリが大聲でぶ。

「シュウ君見てください！脳筋がなんかほざいてやがりますよ！」

空気が凍る。

魔法使いのはポカーンとした表を浮かべていた。

そんな中でもアンリの口は止まらない。

「盾も持ってないくせに盾になってやってるだなんて本當笑わせてくれますよね！」

「ちょ！アンリやめてやれ！」

確かに男たちの裝備は全的に貧相でこの界層に來るのは早いんじゃないか、と言いたくなるような裝備だった。

アンリにバカにされた男たちは顔を真っ赤にしながら肩をいきらせてこちらに歩いてくる。うわー、面倒事の臭いがプンプンと…

「おい！お前どういうつもりだ！」

「どうもこうも思ったこと言っただけですけど」

「大お前は関係ないだろ！」

「近寄らないでください、汗臭いです」

「て、テメェ！」

赤い顔をさらに真っ赤にしながら怒り狂う男をプークスクスとバカにするアンリ。

いや、でもね？１つ言いたいんだよ。

「アンリよ、俺の後ろに隠れながらそういうことを言うんじゃない」

「いやいや、魔法使いは後ろでチマチマしないといけないですから！」

そう言ってアンリは男を見ながらニヤニヤと笑う。

そんなアンリを見て男は剣を抜いてぶ。

「上等だゴラァ！だと思って大人しくしてりゃいい気になりやがって！ぶち殺してやる！」

「うわー、怖ーい。さ、シュウ君ちゃちゃっとやっちゃってください！」

「俺任せかよ！？」

まさかの俺任せだった。喧嘩ふっかけたのはアンリなんだから自分でなんとかしてしかった。

「ああん？なんだお前邪魔するならお前もぶち殺すぞゴラァ！」

「いやいや、待て落ち著けって。取り敢えず裝備整えて出直せって」

俺がなだめようとすると男は俺に剣を振り下ろす。

振り下ろされた剣をバックステップで避けると男は怒りの表でぶ。

「テメェ…！舐めてんのか！ああん！？」

「え？なにが？」

なにを舐めてると言うのだろうか。俺は親切心でアドバイスしただけなのに。

そんな俺の態度が頭にきたのか男が突っ込んで來る。

仕方がないので戦うことにする。まずは壁を出して避けた所を魔法でトドメを刺すか…

頭の中に一瞬で戦闘方法を浮かべると俺はそれを実行する。

グシャッ

「え？」

何故か男は俺が出した壁に反応することなく激突しそのまま地面に倒れ伏す。ええ…これはどうしたらいいんだ？

あまりにも呆気ない終了に戸っていると遠くからバタバタと人が走ってくる音が聞こえてくる。

「やばいですよ！多分衛兵です！逃げましょう！」

「あ、ああ。でも逃げるってどこに…」

俺たちが慌てて逃げようとすると銀の魔法使いが俺の服を引っ張る。

「こっち、ついてきて」