《Creation World Online》第33話

俺たちが試し打ちを終えて街に戻る頃には周囲は夜の帳に包まれており、街のあちこちでガヤガヤと楽しそうな聲が聞こえてきていた。

するとアンリの方からぐー、と間抜けな音が聞こえてくる。

そちらを見ればアンリが恥ずかしそうに腹を抑えていた。

するとアンリの反対、ナクの方向からもぐるるる、と聞こえてくる。

「お腹すきました…」

「うん、ごはん食べたい」

「そうだな…それじゃ、せっかくの海だ。アレやるか」

俺の言葉にアンリとナクは首をかしげていたが大人しく後ろをついてきていた。

ザーッと流れる波の音が耳に心地良い。

「あの、シュウ君」

時折吹く風も涼しい。

「聞いてますか?」

「ん?ああ、聞いてるぞ」

アンリが俺の顔を覗き込んでいた。その姿は普段のローブ姿ではなく、スカイブルーのワンピースを著ていた。

「なにするの?」

聲の方向を向くとナクが上目遣いでこちらを見ていた。ナクも普段の銀のローブではなく、黒のスカートに白のブラウス。スカートから覗く白く細い太にブラウスによって強調された2つの果実がぷるんと大きく揺れた。

なぜ俺たちが海辺に來ていたのかというと__

「お前たち、海と言えば…なんだ?」

「魚です!」

「んと…巖場で青?」

アンリとナクがそう答える。アンリの答えはまあ、わかる。だが、ナク。お前の答えは絶対違う。どうしてこいつはこんなに脳ピンクなんだ…

俺は気を取り直すように2、3度咳払いをする。

「海と言えばバーベキューだろう!そしてここには未だにゴールドポークが大量に殘っている!…後はわかるな?」

俺がアイテムボックスから取り出した黃金に輝く塊を見てアンリとナクはゴクリと唾を飲む。

そこで俺は拳を天に掲げぶ。

が食いたいかぁあああ!」

「「おー!」」

「バーベキューがしたいかぁあああ!」

「「おー!」」

「そんじゃやるぞぉおお!」

「「よっしゃー!」」

と、思ったが正直3人でこの量は足りるのか不安になった為じゃんけんで追加のや魚を買ってくる役割を決めることにした。

「ふふっ、負けませんよ!」

「それはこっちのセリフ。私が勝つ」

「はっはっは!俺がお前らどっちかが必死こいて買ってきたを貪り食ってやるよ!」

こうしてパシリをかけた勝負が幕をあけるのであった!

「うーあー!ちくしょー!負けました!」

街の中をスカイブルーのワンピースを著た__アンリが悔しそうに歩いていた。

結局、シュウとナクにストレートで負けたアンリが買いに行くことになったのであった。

「まったく!こんな時間にの子を1人で買いに行かせるなんてシュウ君はなにを考えてるんでしょう!」

ぷりぷりと怒りながらアンリが道路を進んで行くとその背後に巨大な影が。

「え?」

違和じアンリが背後を振り返った時にはもう遅く、振り下ろされた棒によって意識を刈り取られてしまった。

ドサリと倒れたアンリの向こう、そこには片耳を失った男が立っていた。

「ひ、ヒヒヒ。ツいてるぜぇ…この、ナクと一緒にいたやつだな。このを上手く使えば…」

男はそう呟きながらアンリを擔ぐと街の闇に消えて行くのであった。          

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