《Creation World Online》第41話

東の丘にやってくると、そこには大きなリンゴの木が生えていた。

その下には巨大な蛇がとぐろを巻いていた。多分あいつだな。

俺たちが蛇に近づくと、こちらに気づいたようで鎌首をもたげる。

「むっ、何用だ。人間よ」

すると、蛇は驚いたことにシューシューというノイズ混じりではあるがそう言葉を発した。これは驚いた。

一応會話はできるようなので會話をすることにする。

「すまないな、お前が持ってるっていう木の実がしいんだ」

「ふむ、だったらそこに生っているであろう。好きなだけ持っていくがいい」

「いや、悪いが俺の目的はそれじゃない」

そう言った俺とナクの目の前には木に生るリンゴの鑑定結果が映っていた。

◇◇◇◇◇◇

名稱:欺蛇の実【ランクE】

効果:猛毒。食べれば即死する程の猛毒である。[狀態異常:毒Ⅴ]

◇◇◇◇◇◇

大蛇は用に舌打ちをすると、そのとぐろを解いた。

すると、そこには青く輝くリンゴが1つ生っていた。

「鑑定持ちとは厄介だな…ふん、人間よ。これがしくば我を倒してみせよ!」

そう言って蛇は口から紫の粘を俺目掛けて飛ばす。

「【ウインドバーン】…ぐっ!」

を風魔法で散らすと脇腹に衝撃をけて俺は無様に地面を転がる。

見れば蛇の尾が先程まで俺がいた位置にびていた。おそらく尾で薙ぎ払われたのだろう。

ナクがこちらを心配そうに見ているが、粘を捌くのに手一杯でこちらに來ることは出來ないようだった。

俺は痛むに鞭打ってアイテムボックスからポーションを取り出すと近くで叩き割る。

すると中が俺にかかり、力が回復する。まあ、飲んだほうが回復力は高いんだがな。

俺は立ち上がると直ぐに【法則介】によってナイフを複數生み出すと、蛇の眼球目掛けて投げる。

「ふん!この程度効かぬわ!」

「ばーか、こっちだよ」

蛇が尾で用にナイフを叩き落とす頃には、俺は蛇の腹部に辿り著いていた。

俺を丸呑みにしようと蛇が大きく口を開くが、もう遅い。

「【フレアバースト】」

詠唱と共に俺の掌から高度の火炎が溢れ出し、蛇の腹部を焼き焦がしながら、そのを吹き飛ばす。

吹き飛ばされた蛇は欺蛇の木にぶつかる。その腹部は真っ赤に焼けただれていた。

「やるな…人間。【ヒー_」

「やらせるかよ【エアブレイク】」

蛇が力を回復する前にそのを風の力により散させる。

腹部を消し飛ばされた蛇の上半が弧を描いての粒子へと変わる。

すると、目の前にリザルト畫面が現れ、同時にドロップアイテムも表示される。

その中の1つに先程のリンゴが含まれていた。

◇◇◇◇◇◇

名稱:蒼林檎あおりんご【ランクC】

効果:解読分のある蒼の林檎。[錬金素材]

◇◇◇◇◇◇

更に【法則介】のスキルレベルも上がったようだ。

新たな能力の名稱は【重複】。効果を見るために重複の文字をタップする。

◇◇◇◇◇◇

名稱:法則介-Lv.3【ランクSSS】

Lv.1【地形作】:地形に介してを掘ったり壁を生する。範囲によって消費魔力が変する。

Lv.2【武複製】:今まで使用したことのある武を複製できる。武のランクによって消費魔力が変する。使用後、複製した武は消滅。

Lv.3【重複】:アイテムボックスのアイテムを増やす。1日1度限定。

◇◇◇◇◇◇

アイテム複製系か。しかも、これは消滅しないみたいだな。

試しにアイテムボックスの蒼林檎を複製してみると、蒼林檎の右斜め下に小さく[2]とスタックされる。

調子に乗ってもう一回複製しようとすると、

『1日1度限定です。また、明日お試しください』

という文章が表示される。

思わぬ新能力を手にれて気分が良くなった俺は、そのままナクを伴ってドクラ村へと帰還するのであった。

ドクラ村のクエストをけた家に戻ると母親NPCが笑顔で俺たちを迎えてくれた。

母親NPCに蒼林檎を渡すと「なぜ2つなのでしょう?」と不思議そうにしていたが、1つ解毒薬を分けてしいと頼むと、快く了承してくれた。

「なあ、ひとつ気になったんだが。どうやって解毒薬を作るんだ?」

「ああ、これはですね。見ててください【分離】そして【再構築】」

すると、母親NPCの手元にあった蒼林檎が輝いたかと思うと、次の瞬間には先程まで蒼林檎があった場所に蒼った瓶が2つ転がっていた。この瓶はどこから出てきたのか謎だったが、ゲームなので仕方ない。システムだと割り切ることにする。

母親NPCは小さく息を吐いて額の汗を拭うと瓶を1本摑んで、布団で眠っている男の子に口移しで飲ませる。

すると先程まで苦しそうだった男の子は、すーすーと穏やかな寢息を立て始めた。

母親NPCはそんな男の子の汗で張り付いた髪を軽くかき上げると俺たちに向き直る。

「この度はありがとうございました。しかし、私には渡せるものがなにも…」

「ああ、別に大丈夫だ。俺がしいのは解毒薬だけだからな」

そう言って気にするな、と手を振るが母親NPCは気が済まないようでこんな提案をしてきた。

「それならば、私のスキル【分離】と【再構築】をお二人にも教えて差し上げます!」

そう言って母親NPCは俺とナクの手を握る。

すると目の前に『NPC[レイラ]からスキル【分離】とスキル【再構築】を付與されました。付屬スキルに追加します』という文章が現れた。

こうして俺は思いもよらない収穫を持ってアンリの待つ第2界層へ行くために第3界層の首都【ディヴァ=ヘト】を目指すのであった。          

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