《ランダムビジョンオンライン》すべてはこうして始まった
その話は今年の一月の新年の集まりで、親戚のおじさんから持ちかけられてきた。
その人は、たくさんのアニメのスポンサーで、某スーパーなロボット大戦を作っている會社に勤めている人で、俺はその會社に就職したいと思っていたため、ある意味あこがれの存在だった。
そのおじさんいわく、まったく新しいゲームのテスターをやってみないか?という話だった。
しかし、その時の俺は二度目の大學験中であり、しばらくは無理だろうと思ったので斷った。
しかしおじさんは、テストが始まるのは春からだからと保留にしてくれと言われ、俺はそれでいいですと答えた。
そして四月、俺は大學験に二度目の失敗をしていた。
落ち込んでいたある日、父親からおじさんがよんでいるということを聞き、話を聞きに行くと……保留にしていたゲームのテスターになるという話の答えを聞かせてくれと言われた。
容を聞いたところ、テスト期間は三ヶ月で、最新の機械を使ったVRMMORPGらしい。
それならばと、俺はテスターになることを承諾した。
五月某日…俺はおじさんによばれて都某所に來ていた。
どうやらこのビルの中でテストを行うらしく、案されるがままに中へとった。
その先でいろいろな説明をけた。
簡潔にまとめると……
①三ヶ月間はぶっつづけでゲームをしなければならない。
ログアウトはできず、その間の世話は擔當の看護士がやってくれるらしい。ゲームでは仮ログアウトがあり、専用の空間で寢たりもできるらしい。
②テスターの種類は「攻略組」と「街人組」と「職人組」の三つがある
③テスターの種類によって、報酬をもらえる條件が違う
④テスターの種類は、好きなが選べる
だいたいこんなじで、俺は迷わず「攻略組」を選んだ。
「攻略組」の報酬條件は、ずばりそのままゲームのクリアであった。
一番最初に最上階百層のボスを倒した人から順に、貢獻度(今までのボス攻略にどれだけ貢獻したか)順に報酬が貰えるらしい。
ボスの討伐はギルドでもパーティーでもレイドでもいいらしい。
一番最初に倒した集団が一番報酬額が多いそうだ。
次に、ゲームの説明をされた。
ゲームの容は……
①基本的にはすべて(種族や外見、ステータスやスキルなど)がランダムで決まる
②どこまでランダムにするかは選べる(種族だけランダムや、ステータスだけランダムなどができる)が、必ずどれか一つはランダムにしなければいけない
③ゲーム部の時間は現実世界の約12倍であり、現実で三ヶ月だが、ゲーム部では三年遊べる
④種族をランダムにした場合のみ、隠し種族である「半神」になれる可能がある
⑤基本的なスタータスは「HP」「MP」「力」「魔力」「力」「神」「運」があり、さまざまな隠しパラメータ(理攻撃力や理防力、移速度や回避率など)がある
⑥初期ステータスは、HPとMPは100で固定でそれいがいは0~10で固定である
⑦ステータスやスキルを選択、及び上げる場合、ボーナスポイントが必要になる
⑧転生(死亡)は十回までボーナスポイントを引き継げるが、十一回目の死亡時に全部リセットされる。ただし、上限を上げたりするイベントやクエストが存在する
⑨死亡にはペナルティ(ゲーム時間で12時間の拘束)がある
⑩ペナルティの間は好きな事ができる
だいたいこんな容だった。
種族「半神」っていうのは、このゲームで一番最強に近い種族らしい。
運が壊滅的にだめらしいが、そのかわりそれ以外の能力が抜群なんだとか。
間違いなく神を除けば最強種族だと、説明してくれた人が豪語していた。
次に「課金してでもしいは何ですか」と聞かれたので「転生回數を無限にしてほしい」と答えた。
ここで願ったは、テスターの特権として與えられるらしい。
その後はゲームの設定どこまでランダムにするかを決めた。
俺は、外見のみランダムにしてもらった。
ゲームの設定を終えると、その日は帰っていいと言われた。
ただし、ここで見たり聞いたりしたことは他言無用でと言われた。
テストは一週間後から始まるらしい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一週間がたち、俺は再び都某所に來ていた。
これから三ヶ月間、このビルの中で過ごすらしい。
俺は、期待をにビルにった。
ビルの中にると、おじさんが出迎えてくれた。
おじさんに案されて、俺が使う部屋に通される。案されている最中に、々とまたこの間と同じ説明がされる。
めんどくさいので、俺は聞き流すことにした。
案された部屋の中で、カプセル型の大きな機械の中にる。
このカプセル型の裝置が、VR世界へと旅立たせてくれるらしい。
中につけてあるヘッドギアを裝著し、を機械に固定する。
「それじゃあがんばって」というおじさんの言葉を最後に、俺はVRMMORPG「ランダムビジョンオンライン」の世界へと旅立った。
・・・
・・
・
「顔と形が気にらない。卻下」
俺が初めてこの「ランダムビジョンオンライン」の世界でなったのは、人族だった。
しかし、太った型に顔がイケメンという意味がわからないチョイスだったので、早速転生することに決めた。
「どうやって死ねばいいんだろう?」
しかし死ぬ方法がわからず、俺は途方に暮れる。
「ヘルプに聞いてみるか……「ヘルプ」」
俺はヘルプを呼び出す。
『何のご用でしょうか?』
「おっ、意外とかわいい……」
あらわれたのは、手のひらサイズのの子だった。
「えっと、簡単に死ぬにはどうすればいいですか?」
『該當事項検索…………検索完了。高いところから落ちるのを推奨いたします』
「的には?」
『街の外周にそびえる外壁から落ちるのが一番だと思われます』
「わかった、ありがとう」
『以上ですか? では、失禮します』
そう言うと、ヘルプちゃん(今命名)は消えた。
「それじゃあ、早速死にに行きますか……」
俺は外壁を目指して走り出した。
・・・
・・
・
「うわぁ……高すぎるだろ、これ」
外壁の上についた俺は、外壁のあまりの高さに驚いていた。
「ここから飛び降りるのか……怖いな」
目測で100メートル以上はありそうである。
「えぇい! 男は度だ!」
俺は外壁から飛び降りた。
「いってぇ!! 痛すぎるだろこれ! 痛覚再現ってここまですごいのか? っていうか、死ねてないし……」
俺は足から地面に著地し、高所落下ダメージをける。
「HPはっと」
ステータス畫面をひらいてみる。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ランワード・フリーダム:レベル1
HP:20/100
MP:100/100
力 :10
魔力:5
力:10
神:5
運 :10
職業
なし
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
と、表示されていた。
「確かにダメージはかなりくらったけど、この痛さは死ねる。これからは普通にモンスターにやられることにしよう……」
俺はそう心に決めると、モンスターがいるほうへと向かった。
・・・
・・
・
「グルルル」
「うわぁ……けっこうリアルだな」
俺の目の前には今、モンスターであるウルフがいる。
「ガウッ!」
「うおっ」
ウルフがかみついてきたので、おもわず回避してしまう。
しかしかすったようで、かみつかれた右腕に痛みが走る。
「いってぇ……」
「ガウッ!」
「來いや!!」
當たりしてくるウルフを、今度は正面からけ止める。
「っう!やっぱ痛いなぁ……」
「グルルルル」
ウルフは俺から離れ、様子をうかがってくる。
俺がよけなかったことを疑問に思っているのだろうか?
「ガウッ!」
そうこう考えていると、再びウルフがかみついてくる。
「よっしゃ來い!!」
俺は右腕を差し出し、ウルフにかみつかれる。
「いってぇー!」
俺が聲を上げると同時にHPが0になったらしく、俺のは霧散した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「これで12時間拘束か……次はどうやって死のう?」
俺は、死に戻り場所の部屋でひとりぐちる。
「痛いのは嫌だよなぁ……でも、攻撃とかをくらわないと死ねないし……どうしよう?」
何か方法はないか考える。
「うーん…………そうだっ! 毒なんてどうだろう? 良いアイディアじゃないか?」
転生して外見がだめだったら、毒で死ぬことに決めた。
・・・
・・
・
「よしっ! 12時間終了。これでキャラメイクできるぞ……」
俺は早速キャラメイクする。
「あれ? ボーナスポイントが増えてる……これはもしかして、レベルを上げないとボーナスポイントは10で固定なのか? もしくは+10ずつされるとか?」
初期ボーナスポイントはさっき10すべて振ったはずなのに、10になっているのである。
「これは検証してみる必要があるな……」
このキャラクターの外見が良くても悪くても、俺は死んでみることにした。
・・・
・・
・
「エルフって、こんなじなのか……」
今度は種族をエルフにした俺は、ステータス畫面で外見を見てみる。
「意外とかっこいいな……ちょっと背が高すぎるけど」
俺の長は今、2メートル近くあった。
「さてと、薬屋で毒薬を買おう」
當初の予定通り、毒で死ぬことにする。
薬屋から毒薬を手にれ、飲み干す。
「おっ、やっぱり痛くないぞ?」
俺のから継続ダメージのエフェクトが発生しても、まったく痛くない。
「HPはどれくらい減るんだろう?」
俺はステータス畫面をひらいてみる。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ランワード・フリーダム:レベル1
HP:99/100
MP:100/100
力 :5
魔力:10
力:5
神:10
運 :0
職業
なし
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
となっていた。
「これは……1ずつしか減らないのか。意外と時間がかかりそうだ……」
それから30秒後、再び俺のを継続ダメージエフェクトが襲う。
「30秒で1ずつか……痛いよりはましだな」
俺はそのまま毒で死ぬのを待つことにした。
・・・
・・
・
「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0」
俺のカウント0に合わせて、継続ダメージにより俺のが霧散する。
「さて、どうなるかな?」
死に戻り場所の部屋で、期待をに本を読む。
12時間後、再びキャラメイクができるようになる。
「ボーナスポイントはっと…………増えてる! これを使えば、最強キャラができるかもしれないぞ!」
ボーナスポイントが10から20になっている。
俺の予想は當たっていたのだ。
「これで転生回數無限なはずだから、最強キャラを目指そう。……そうだな、全部の種族で百回ずつ死んでみるか! 何か起きるかもしれないし、なにより一種族だけじゃ途中で同じ組み合わせになるかもしれないもんな。……それに、外見のバリエーションがどれくらいあるのか調べるのも面白そうだし!」
俺は今後の方針を決め、キャラメイクを終了する。
「そうと決まれば早速死のう」
「ランダムビジョンオンライン」の世界に降り立った瞬間、薬屋にダッシュする。
薬屋で毒薬を買い、一気にあおる。
「これでまた50分待ちか……。しかし…50分で確実に死ねるんだから、ある意味良いのかな?」
死ぬまでの間、ウインドウショッピング的なを楽しむ。
50分後、俺は再び死に戻りの部屋に帰ってきた。
「とりあえずはこれを続けよう! 12時間後が楽しみだなぁ……」
そこには、どこまでボーナスポイントをためられるかに思いをはせる俺がいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そうして今に至るわけだが、まさか「半神」になれるとは思ってなかったなぁ……ラッキーだったぜ!」
俺は改めて、自分が最強キャラを作れたのだという余韻にひたる。
「とりあえず寢るか……おやすみっと」
俺はベッドの上に寢転がり、意識を手放した。
【書籍化】 宮廷魔術師の婚約者
★角川ビーンズ文庫さまより2022/06/01発売予定★ 今まで數多くの優秀な魔術師を輩出してきた名門スチュワート家に生まれたメラニー。 しかし、彼女は家族の中で唯一魔力の少ない、落ちこぼれだった。 人見知りの性格もあって、いつも屋敷の書庫に篭っているようなメラニーに、婚約者であるジュリアンは一方的に婚約破棄を申しつける。 しかもジュリアンの新しい婚約者は、メラニーの親友のエミリアだった。 ショックを受けて、ますます屋敷に引き篭もるメラニーだったが、叔父で魔術學校の教授であるダリウスに助手として働かないかと誘われる。 そこで発揮されたメラニーの才能。 「メ、メラニー? もしかして、君、古代語が読めるのかい?」 メラニーが古代魔術を復元させて作った薬品を見て、ダリウスは驚愕する。 そして國一番の宮廷魔術師であるクインも偶然その場に居合わせ、異形の才能を持ったメラニーを弟子に誘うのだった。
8 101クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった
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