《ランダムビジョンオンライン》クエストの報酬
「よかろう。報酬をけ取るが「待ってくれ、長よ!」どうした? ライトよ?」
俺に対してクエストの報酬を渡そうとしたフェンリルに、ハザードが待ったをかける。
「ランワードよ…今回の報酬だが、我にしてもらえないだろうか?」
そう言うと、俺に向かって頭を下げてくる。
「お前を指定しろってことか? ハザード?」
「その通りだ。長は我らにとってなくてはならない存在だ。ここからいなくなってはいけない存在なのだ」
「ふむ……それで?」
「我はそなたに絶対の忠誠を誓う。ゆえに、我をもらうことで納得してはくれまいか…?」
「……………」
「この通りだ……」
そう言うと、ハザードは地面に伏せる。
彼的には土下座のようなじだろうか?
「お前をもらうことに、俺にとってのメリットはあるのか?」
「あぁ! もちろんあるとも!! 我は進化できるのだ!!」
「進…化?」
「そうだ。進化だ。レベルアップではなく、存在そのもののランクアップだ!!」
「それがどうメリットになるんだ?」
「我もフェンリルになる可能があるということだ!!」
「!? それは本當なのか?」
「あぁ、もちろんだ。我は現在ウルフ系の中では最弱のただのウルフだが、もうしでウルフリーダーになれる。その後も経験を積めば、フェンリルより上の存在にまでなることが可能だ!」
「それは……すごいのか?」
「もちろんだ。フェンリルより上の存在など、神と同等の存在しかあり得ん。つまりは、將來的に神を支配下に置けるということだ! これはそなたにとっても、大きなメリットだと思うのだが…?」
「たしかにな。將來的に見れば、お前を選んだほうが良いのかもしれないな。……しかし、フェンリルは進化できないのか? 進化できるのならば、今は弱いお前よりも、最初から強いフェンリルを進化させた方が良い気がするが?」
「年よ、それは無理だ。私の存在は神獣として固定されてしまっている。私はもう、何にもなれんのだよ……」
「ふむ…なるほどな。ならばハザード、お前を選んでもいいかもしれんな」
「本當か!? 我を選んでくれるのか!?」
ハザードは顔を上げると、しっぽをものすごい勢いでフリフリする。
意外とかわいいじゃないか……これは癒しになるかも?
「俺に支配されるってことは、俺の言うことには絶対服従ってことだよな?」
「その通りだ……我はそなたに我のすべてをささげよう……そなたがむならば、伽だってしようぞ!!」
「伽!? そんなんできるのか!?」
「無論だ! 実は我はこのように……人に変ができるのだ」
そう言ったハザードは、とてもかわいらしいの姿になっていた。
「ま、まじか!? お前の子だったのか!? 採用!! 採用です!! お前に決めた!!!」
「良いのだな!? では早速契約をしようぞ!!」
「わかった。どうすればいい?」
「こ、こほん。我、ライト・ハザードは、ランワード・フリーダムと支配の関係を結ぶ。ここに、我はすべてをランワードにささげることを誓い、契約の証しをもらわん……」
そこまで言うと、無言で目をつぶり何かを待っているような勢になる。
これはあれですか? キスしなきゃいけないじですか?
「年よ、はやくしてやれ」
「わ、わかった」
俺は決意を固め、ハザードにキスをする。
「ここに契約は完了した。末長くよろしくお願いしますね? 我が主マイマスター」
「あぁ! よろしくな……ライト、でいいのか?」
「はい 主マスターお好きにお呼びください! むしろ、新しく名前を付けてください!!」
「えーっと? 名前を付けるの? 俺が?」
「はい主マスター! よろしくお願いします!」
「わかった……考えておくよ。それまでは、ライトって呼ばせてもらうよ」
「主マスターの心のままに……」
「それじゃ、今回の報酬はライトってことで良いのかな? フェンリル?」
「年がそれでよいのならばな?」
「わかった。これで今度こそクエストクリアだ!」
『クエストを達しました。隠し條件クリアを確認しました。経験値の算を行います……』
システム音聲が流れ、クエスト完了畫面が表示される。
今回のクエストで得た経験値が、すべてまとめて追加される。
『契約対象を確認しました。契約対象に自的に経験値が振り分けられます……』
再びシステム音聲が流れ、畫面に新しく俺以外にライトの名前が表示さる。
そして、ライトにも経験値があたえられる。
『進化條件を達しました。ウルフリーダーに進化します……』
『進化條件を達しました。ウルフクイーンに進化します……』
『進化條件を達しました。フェンリルに進化します……』
『進化條件を達しました。神狼に進化します……』
連続でシステム音聲が流れ、ライトのをが包む。
「これが進化か? どんなふうになるんだ?」
がおさまると、そこにはフェンリルよりも大きな狼が立っていた。
「ありがとうございます。主マスターのおかげで、長を超えることができました」
「簡単すぎねぇ? ってか、こんなに早くていいのだろうか?」
いくら今回の経験値の量が多かったとはいえ、こんなに簡単にフェンリルより上の存在になるとは思わなかった。
このゲームでレベルを上げるには、経験値を100ためる必要がある。
今回経験値は一萬くらいだったので、俺のレベルも100くらい上がった。
このクエストはかなり経験値をもらえるものだったようだ。
しかし、ライトはそれ以上上がったということだろうか?
レベルが鑑定で見えなくなっている。もしかすると、ライトがレベルアップするのに必要な経験値は、俺より低いのかも知れない。
もしくは、ボーナスなどがあったのだろうか?
隠しを達したっていってたしな。
「我はもともと長に補正をもっておりましたゆえ、レベルが上がりやすいのです」
「そうなのか? それで、どれくらい上がったんだ?」
「800程でしょうか? 我のレベルは現在、820です」
「うおぅっ、かなり上がったな。ビックリだぜ」
「進化は基本的に…一気にレベルが上がるか、経験値とは別の経験力をためるとおきます。今回の場合、一気にレベルが上がったことで進化できたのでしょう」
「なるほどね。一応は納得しておくよ」
「進化に関しては、我も完全には理解していないのです。気にするだけ無駄でしょう」
「わかった」
「それでは長よ、行ってまいります」
「気をつけるのだぞ?」
「はい……もちろんです。行きましょう? 主マスター」
「りょーかい。んじゃま、次の街を目指しますか。これだけのレベルがあれば、楽勝でしょう」
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ランワード・フリーダム:レベル115
HP:24800/24800
MP:10/18600
力 :2085
魔力:2085
力:2085
神:2085
運 :750
パッシブスキル
疾風迅雷(ON)
烈火怒濤(ON)
半神の目(ON)
隠索敵スカウトレンジャー(ON)
覚醒(ON)
アクティブスキル
創造
ファイアボール
ウインドカッター
ウォーターボール
アースニードル
職業
全闘士オールラウンダー
ボーナスポイント:6645
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俺は、次の街に向かって歩き出した。
不死の子供たち【書籍販売中】
記憶を失った青年『レイラ』が目を覚ました世界は、 命を創造し、恒星間航行を可能とした舊人類が滅んだ世界だった。 荒廃し廃墟に埋もれた橫浜で、失われた記憶の手掛かりを探すレイラは、 人工知能の相棒『カグヤ』と共に、殘虐な略奪者がのさばり、 異形の生物が徘徊する廃墟の街に身を投じることになる。 【いずみノベルズ】様より 【不死の子供たち③ ─混沌─ 】が販売中です。 公式サイト https://izuminovels.jp/isbn-9784295600602/ 【注意】感想欄では、物語や登場人物に関する重要な要素について語られています。 感想欄を確認する際には注意してください。 サイドストーリー中心の『ポストアポカリプスな日常』も投稿しています。 ※カクヨム様でも連載しています。
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