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始まりの塔ボスモンスター：リザードマンロード

このダンジョン「始まりの塔」のダンジョンボス。

リザードマンたちの最終進化系であり、ドラゴンにも匹敵する力をもつ。

ＨＰが非常に高く、防と攻撃が高い。

魔法にも多の耐を持ち、特に火に強い。

このモンスターを一人で倒せるようになれば、超一流と言えるだろう。

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とりあえず敵を鑑定で見てみた結果、敵はやはりこのダンジョンのボスらしい。

ドラゴンにも匹敵するとか、最初のほうに出てくる敵としては破格の強さなんじゃないだろうか？

しかも、あきらかにパーティーで戦うことが前提な敵のような気がする。

「しかっし、とりあえずは立ち向かうしかないよな……」

俺は覚悟を決めて、ガトリングを裝備する。

「行くぜ？　まずは挨拶がわりだ！ウォーターボール×３０、アースニードル×３０展開！！　んでもってれ撃ち＆ウォーターボール、アースニードル一斉出フルバースト！！！」

とりあえずの挨拶として、今俺のできる攻撃としては最強に近い魔法複數展開＋れ撃ちで攻撃する。

ドドドドドドドドドドド！！！

ドドドドドド！！

ドドド！

キュルーン……

「しは効いたかな？　……んなっ！？」

「グルウァァァァァ！！！！」

弾幕が切れた瞬間、俺が敵への効果を確認するより早く、リザードマンロードは走り出していた。

「うおっとっ！？」

突撃を右に跳ぶことで回避し、大きく距離をとる。

「近くで見るとでけぇな……８メートルはあるんじゃないか！？」

俺の攻撃にこたえた様子のないリザードマンロード。

近づいてきたことでその大きさを実する。

あくまで目測だが、この間戦ったオークーガボスよりも數メートルは高いと思われる。

「しかも俺の攻撃が効いてないようだし……。これはちょっとまずくないか……？」

俺の攻撃は確かに全弾あたったはずなのに、には傷一つついていない。

それどころか、まったくこたえた様子がないのにし恐怖を覚える。

普通は攻撃をくらったら多はひるむはずなのだ。

これは全モンスターに共通するはずの事柄であり、いくら敵がダンジョンボスだからといっても、當たれば何かしらの反応があるはずだ。

このことから考えられることは…………

「ダメージが通っていない……！？」

そう。

ダメージ判定の際、敵の防力が自分の攻撃力を大きく上回っていた場合には、攻撃が無効化されてダメージが０になることがあるのだ。

「だとすると本格的にまずいぞ！？　武を使った直接戦闘をするしかないじゃないか！！」

スキルを使った攻撃は、武の耐久度を減らさない代わりにＭＰを消費する。

そしてこのＭＰを使ったスキル攻撃は、ダメージ判定の攻撃力が武の攻撃力に依存するのだ。

俺が現在裝備している武は、いずれも初期武およびそれよりし強い程度の武のみである。

このレベルの武では攻撃が通らないのだとしたら、俺にはスキルを用いた攻撃ができないことになる。

つまり、武を使った直接戦闘を行うしかないのだが…………

「俺が持っている裝備は剣が一本とガトリングが一個に杖が一つ。ガトリングは弾がないから役に立たず……と」

俺が持っているガトリングで通常攻撃を行うには、専用の弾が必要になる。

俺は弾を買っていないので、れ撃ちがきかない以上、ガトリングは使えないのと同義だ。

「そして、杖で魔法を発するためには詠唱が必要……っと。しかし、敵のスピードを考えるとこれも不可能だな……」

スキルを使わずに魔法を発する場合、どうしても必要になるのが詠唱だ。

しかしこの詠唱には多の時間が必要である。

ファイアボールを唱えるのに最低でも３秒はかかるため、先ほどの突進速度を考えると明らかに早さが足りない。

「かといってノーマルソードを使い続ければ、壊れるのは必然……か」

「グルウォォォォォォ！！！！！」

そうこう考えている間にリザードマンロードは近づいてきており、俺に向かい剣を振り下ろすところだった。

「うわっとっとっと！？」

直前で気付いた俺は、今度は左に向かって跳んで回避する。

「とりあえずノーマルソードを使えばダメージは通るはずなんだが……」

「グルアァァァァァァ！！！！！」

「うおっ！？」

再び振り下ろされる攻撃を、今度は右に回避する。

「この剣戟の中じゃあ、反撃するのも難しい……何より」

「グルウォォォォォォ！！！！」

「くっつ……。剣を使ったところで、この剣戟を弾く事ができそうに……ない」

しでも考える時間を稼ぐため、今度はバックステップで大きく後ろに下がり距離をとる。

「グルゥゥゥ…………」

大きく距離をとった俺に対して、運良く？リザードマンロードは近づいてこない。

「何か手はないのか……？何か…………」

これ幸いにと、俺は必死になって打開策を考える。

「いっそのことライトが上ってきてくれるのを待つか……？だが、ここにはさっきのエレベーター以外でってこれそうな扉は閉まっているし、なによりまだ數分しかたっていない。ライトが來るまでって考えていたら、気の長くなるような時間が必要だ……」

そう。

先ほど俺が放り出されたエレベーター以外の口として、塔の口と同じような扉の絵が描かれた場所があるのだが、こちらからは開きそうにない……つまり逃げ道はないのだ。

「ある程度離れたら攻撃はしてこないのか……？」

現在、最初に攻撃を仕掛けた距離と同じくらい離れているのだが、リザードマンロードはこちらをうかがうだけで攻撃は仕掛けてきそうにない。

「これならライトを待つのも一つの手だな……。しかし、個人的にはあいつに頼らないで倒してみたいのもまた事実……。とりあえず考えてみよ「グルウァァァァァ！！！！」なに！？」

攻撃を仕掛けてこないと思ったら、いつの間にかリザードマンロードの周囲にはファイアボールらしき炎球が十個ほど浮かんでいる。

「うっそだろ！？　魔法も使うのかよ！！」

「グルウァァァァァ！！！！」

び聲とともに炎球を放つリザードマンロード。

「くそっ！！　ファイアボール×３０展開！！　ファイアボール一斉出フルバースト！！！」」

放たれたファイアボールに向かい、三倍の數のファイアボールを放ち相殺する。

ドドドドドーン！！！！

「うわぁっつ！？」

しかし相殺できたのは良かったが、自分との距離が近い場所で発を起こす。

「いよいよ本格的にまずくなってきたぞ……。離れても攻撃してくるってことは、逃げ場がないってことだろ？　逃げ回りながら打開策を考えるとか、どんな無理ゲーだよ！！」

「グルウァァァァァ！！！！」

そうこうしていると、再びリザードマンロードの周囲に炎球があらわれる。

今度も先ほどと同じ數で、放つまでにはまだ余裕があるようだ。

「ファイアボール×２０展開！！　一斉出フルバースト！！！」

放たれる前につぶすために、俺はファイアボールを展開してすべて放つ。

「グルゥゥゥゥゥ！！！！」

數撃ちゃ當たる神であまり狙わずに放ったが、うまくリザードマンロードの炎球すべてに當たり、発を起こす。

「グルウォォォォォ！！！！」

リザードマンロードが苦悶の悲鳴らしきものをあげる。

しかし、ほとんどダメージは通っていないように見える。

の表面のうろこに多のやけどのようなものができたのは確認できるが、ダメージとしては１００もくらっていない気がするのは、おそらく間違いではないだろう。

「何か手はないだろうか……？　何か…………」

「グルゥゥゥゥゥ！！！！」

魔法の発にし警戒心を抱いたのか、こちらをうかがうように低く唸る。

「こんな時にライトがいれば……って、いないやつを當てにしてもしょうがない……か」

ライトがいれば、リザードマンロードも簡単に倒せるのだろうが、今ここにはいない。

「それに、さっき俺のことを信じてくれるって言ってたんだから、俺自が俺のことを信じないでどうするよ……。何せ俺は、半神だからな！！」

そう。

やっとの思いで半神になれたのだから、こんなところで死ぬわけにはいかない。

ここで死んでしまったら、何のためにポイントをためるために転生しまくったかわからなくなる。

「ポイントためまくって、チートと言えるような能力を手にれたんだ！！　半神の目だってそうだし、疾風迅雷、烈火怒濤、隠索敵スカウトレンジャー、覚醒だってとったんだ。ここで負けるはずがない！！」

無理やり気持ちを高め、あきらめることをしないようにする。

いくら半神の目で鑑定したこいつが強いとはいえ…………半神の目？……そうだっ！たしかこいつには別の効果があったじゃないか！！

「そうだ、そうだよっ！！　この目には別の使い方もあったじゃないか！！」

そうである。

この半神の目を、今まで鑑定しか使っていなかったが、この目にはあと二つ効果がある。

「ならまずは麻痺に切り替えて……」

ステータスからパッシブスキルの半神の目を選択し、モードを麻痺に切り替える。

「これでどうだっ！！」

鑑定と同じ要領でリザードマンロードを見つめ、効果が発するのを待つ。

この半神の目の効果を発するには、敵を１秒以上見つめなければならない。

鑑定の場合は、一度効果が発すると目をそらすまで効果が続く。

しかし、麻痺や即死の場合はし違ってくる。

確率で効果が発するこれらの能力の場合、見つめてから１秒後に効果が発し、その後も１秒ごとに確率で発するようになっている。

つまり…………

「麻痺確率は８０％……つまり、２秒見つめればいい！！」

「グオォォォォォ！！！！！」

「かかったかっ！？」

「グウゥゥゥゥゥ…………」

どうやら麻痺にかかったらしく、リザードマンロードのきが止まる。

「なら次はこいつだ！！」

俺は半神の目を即死に切り替える。

「即死の確率は１％！！　つまりは１００秒見続ければいい！！」

麻痺が切れるには１０分はかかるはずだから、時間にはじゅうぶんな余裕がある。

「さぁ、逆転の時間だ！！！」

俺はリザードマンロードを睨み続けた。

・・・

・・

・

「何とかなったな…………」

あれからだいたい５分後。

即死１％の効果が発し、リザードマンロードは倒れた。

「確か、ダンジョンボスは剝ぎ取りしないといけないんだったな……。とりあえず、半神の目を鑑定に切り替えてっと。剝ぎ取り剝ぎ取りっ」

俺はノーマルソードを裝備し、倒れているリザードマンロードに刺す。

すると、リザードマンロードのがなくなりドロップアイテムを獲得したむねが通知される。

「手にったのは、リザードマンロードの珠に鱗に爪か……武の素材になりそうだが、俺は創造で作ればいいし、売ってしまうか……？」

この後絶対にやらなければいけないことの一つが、武の生だろう。

創造で作ればいいので、素材は必要ないのだが…………

「記念にとっておくか。初めて戦った強敵だからな……」

売ろうかとも思ったが、記念品としてとっておくことにした。

「さてと、ライトを待つか……」

俺はその場にどっかりと座ると、ここを目指しているだろうライトを待つことにした。