《ランダムビジョンオンライン》とある朝の風景

「…ン君、ラ……んっ」

ん? だれかに呼ばれている気がする。

この聲は誰だろう?

「…ン君、ラ……ん。あ……よっ、お…てっ!」

うむぅ……眠い。

部屋は既に明るいようだが、昨日は2時くらいまでやってたから、今の時間によってはまだ起きたくないぞ……。

「…ン君、ラ……ん。あ……よっ、お…てっ! も…8…だよっ!」

8……なんだろう? 8時ってことだろうか?

だったらまだ寢ていたいのだが…………。

「うむぅ……。あと10分……」

「ほんとだね? 10……後に…お……もら…よっ! もう………はんできてるんだからね!?」

「うーん……わかったよ。おやすみぃ……」

「ラ…君っ! もうっ、し……な…んだ…ら……」

うむ、8時なら大丈夫だよな。

なにか出來てるって言ってたと思うけど、あと10分のはおそろしい……ぜ。

俺は、再び眠りへと落ちていった。

・・・

・・

「まったく、ラン君ってば。もう8時なんだよ!? 朝ごはんが冷めちゃうよっ!」

私、クーことクナンはみんなの代表としてラン君を起こしに行った。

しかしラン君は目覚めてくれず、あと10分といって起きようとしなかった。

「10分後には、しっかりと起きてもらうんだからっ! 三人で押しかけてでも起きてもらおう!」

私は、10分後に三人でラン君を起こすことを想像しながら、二人のところへと向かった。

・・・

・・

その襲撃があったのは、ちょうど10分後だったと思われる。

俺は起きていなかったので、正確な時間はわからなかったが、俺が自分で後10分と言ったのはなんとなく覚えていた。

だから、あの三人が襲ってきたのは、8時10分から15分の間だったと思う。

まずじたのは衝撃だった。

「おっきろー!」という聲と共に、腹部に衝撃が走った。

どうやらキッカが跳びついてきたらしい。

起きていれば十分にけ止められたのだろうが、今の俺は寢ている狀態だ。

必然的に、け止められずにダメージを負ってしまった。

俺は腹部への衝撃により、おもわず「ぶべらっ!」などという、変な反応をしてしまう。

その衝撃だけで、俺は十二分に目が覚めていたのだが、その後がまずかった。

(おそらく)ヒカリが俺に膝枕をし、(おそらく)クーが腹部をさすってくれた。

キッカはわからないが、下腹部に何かをじる……。

というか、朝なので俺の息子も起き出したようで…………

キッカ(おそらく)は下腹部で何やらもぞもぞしている。

このままだとやばいっ!? だが、この狀況で起きるのは恥ずかしいぞ?

どうすればいいんだっ!?

「ラン様? 朝食の用意ができています。起きてください?」

この聲はヒカリか。

頭上から聞こえるってことは、やっぱり膝枕してくれているのはヒカリか。

「さっき自分で後10分って言ったんだよ? 起きてよラン君!」

この聲はクーか。

さっきってことは、最初に一人で起こしに來たのはクーだったのか。

「うむぅ……」

俺は寢ているふりをする。

このまま自然と、あくまでも自然と起きなければならない。

これは朝から難易度が高くないか?

「ふっふっふ、ラン君のここは元気だよぉ? どうしちゃおっかなぁ?」

まずいっ! キッカは俺の息子に気がついている!

やはり下腹部のあたりにいるのはキッカだったか!

まずいぞまずいぞ!? ナニをナニされたら大変なことにっ!?

「ダメですよキッカ? 今は起こして差し上げるのが先決です」

「そうだよキッカ! 抜け駆けはダメだよ!」

「それもそうね。寢ている間になんて、さすがに可哀想よね……」

「そうですよ。どうせなら、起こした後にシテもらいましょう?」

「そうだよキッカ。だからそこを一回どいてあげなよ」

「わかったわ。これでいいでしょ?」

そう言うとキッカは立ち上がってくれたようで、俺の下腹部から重さとぬくもりが消える。

これなら起きても大丈夫かな? …………よし、起き出そ「ラン様? 起きてくださらないとキスしてしまいますよ?」う?

キスゥ!? それはまずいぞっ! 俺の息子が起きるだけじゃなくてバーニングしてしまう!!

「起きないのですか? それでは失禮して……」

待った待った待った!!

「待った待った! 起きたから。大丈夫だかるっ!?」

「てへっ、いただいちゃいました」

今の狀況を説明しよう。

俺は待ったと言いながら目を開け、上を起こした。

そこにヒカリが顔を下げてきたため、見事にキスが立してしまったのだ!!

「あぁー! ヒカリちゃんずるいぃ!!」

「自分で抜け駆けしてたら世話ないわよ!?」

「あっ、たしかにそうですね。すみませんでした……」

「謝らなくてもいけど……。私にもさせてっ!」

「あっ! 私もやるっ!」

そう言うと、二人が俺に向けて顔を近づけてくる。

「二人いっぺんには無理だっ。順番でなっ?」

「そうですね。二人いっぺんでは無理……ですね。ここはジャンケンをしては?」

「「わかった」」

二人は納得したようで、離れてくれる。

「「じゃんけんぽんっ!」」

そして、順番を決めるためのジャンケンを始めた。

「「アイコでしょっ! アイコでしょっ! アイコでしょっ!」」

なかなか白熱したバトルである。

「「アイコでしょっ! やったー!」まけたぁ……」

どうやら勝負がついたようだ。

「私の勝ちっ! キッカが三番目ね!」

「くやしぃ……。明日は勝つんだからっ!」

「ってことなんで、ラン君。キスしよっ? んーーー」

「了解。んっ!」

俺はクーのに軽くキスをした。

「次は私よっ! んーーー」

「んっ! ……これで三人とも終わったな?」

キッカにも軽くキスをして、三人を見回す。

「それで? 朝食が出來てるんだよな?」

「はい、ラン様。すでに宴會場に準備してあります……」

「いこっ! ラン君!」

「一名様ごあんな~い!」

俺は、三人に引っ張られて宴會場へと向かった。

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