《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》07.再び【英雄の臺地】へ
「またこの場所に來るとは思わなかったな……」
そう、今僕はソーキさんに連れてこられた【英雄の臺地】に足を踏みれ、僕と肩に居るシアンとヒカリとモモの、三人と一匹で行している。
「リュウさん、モンスター來ました!」
「あれは、『ボルトパンサー』ね」
「確か電撃で攻撃してくるんだっけ? さすがに僕、電撃は避けれないよ?」
「キュキュ、キュキュ!」
「何、シアン、どうした?」
「キュ!!」
「任せろってこと?」
「キュキュ!!」
「じゃあ、止めをこの二人のどちらかにしてもらいたいから、加減してやってくれよ?」
「キュ!!」
そんなじで、シアンがやってくれると言うので任せることにした。
「リュウさん、さっきから気になってたんですけど、シアンの言葉が分かるんですか?」
「なんとなくだけど、表とか聲の張り・抑揚・聲とかで分かるよ」
「ドラゴンに表は無いですよね?」
「うん、無いね。でも、ドラゴンの場合は表無くてもなんとなく分かる」
「ドラゴンの場合はということは、犬とか貓とかの言っていることが分かるんですか?」
「分かるよ、本當になんとなくだけど。でも、こういうことか? って聞くと頷いて答えてくれるから會話がり立つよ?」
「犬や貓って、あまり頷かないわよね?」
「へぇ、そうなんだ。僕には普通に頷いたりするんだけど」
僕の言葉が終わると、そこへシアンが僕の肩へ戻ってきた。
「キュキュ!」
「うん、ありがとう。というか、本當に止めをさせるHPになってる……。ステータスカンストしてるからし心配だったんだけど、シアンは凄いな。これは僕の出番無くなるかも」
「キュ!? キュキュ!!」
僕の「出番無くなるかも」という言葉に、シアンが慌てたような鳴き聲を出した。さっき表無いとか言ったけど、やっぱり有るよ。だって、今シアンが心配そうな表してくれてるのが分かるんだから。というか、心配してくれるシアンも可い!
そう思っていると、二人が怪訝そうな顔で僕をジーッと見ているのに気づいた。顔に出てたかな? そう思った僕は、顔を引き締めて二人に話し掛けた。
「さて、どっちが止めを刺す?」
「モモ、先にどうぞ」
「えっ、あ、うん」
ヒカリにそう言われたモモが『ボルトパンサー』に止めを刺しに行った。
モモが止めを刺しに行くと、ヒカリが質問をしてきた。
「ぶっちゃけリュウさんはモモの事どう思う?」
「どう思うって?」
「異としてよ。どう思うの?」
「質問の意図がよく分からないけど、モモは可いと思うよ? どこかのお金持ちの曹司からたくさん縁談來てるんじゃないかと思うくらい」
「モモ自には全く縁談の話は來てないわよ。モモのお父さんが直々に斷ってるから。誰かさんへ想いを伝えるの為に」
「その誰かさんって、誰の事? いや待て、それを僕に言ったってことは……いや、まさか、ないない、無いよ、うん、ないない」
「その自分から気持ちを伝えると思うからちゃんと答えてあげなさいよ?」
「やっぱり僕!? えーっと、うん大丈夫、ばあちゃん達は歓迎するって言ってたし、僕自モモの事100%嫌いじゃないから……」
「リュウさんのおばあさん、鋭いわね。まあ、私からは以上だからあとは貴方達次第よ、頑張って」
「それって、僕じゃなくてモモに言う言葉じゃないの?」
「なんの話してるんですか?」
「うわっ、ビックリした!」
『ボルトパンサー』の止めを刺し終えたモモが急に現れたので驚いてしまった。
「なんでもないわ。それより次行きましょ、次」
ヒカリがそう言ってくれたので、うやむやにすることが出來た。
というか、まさかそんなことになってるなんて思わなかった……。両親が死んだと聞いたときぐらいの衝撃……いや、それ以上の衝撃だった。
ということは、ばあちゃんが言ってたことは當たってたんだ……。これは、待つべき……なんだよね? ヒカリがその自分から気持ちを伝えるって言ってたし……。
僕がそんなことを考えている時、ヒカリとモモは後ろで僕に聞こえない大きさで喋っていた。いやまあ、僕はその間ずっと考え事してたから尚更話し聲が聞こえなかったんだけど……。
「さっき本當はリュウさんにモモの事どう思ってるのか聞いてたの」
「えっ!? ……それで、ど、どうだった?」
「可いって言ってたわよ?」
「えっ、本當に!?」
「ええ。モモに縁談がたくさん來てるんじゃないかと思うくらいとも言ってたから、たぶん自分では吊り合わないとか思ってるのかもしれないわね」
「それなら私が攻め込めばいける……のかな?」
「リュウさんのおばあさんは歓迎するって言ってたらしいから、アタックすればいけるんじゃない?」
「でも、心の準備が……」
「何言ってるのよ! 二年間ずっと言えず終いだったんでしょ!? だったら一緒に居られる今がチャンスよ!?」
「わかってるけど、いざとなると言葉が出てこなくて……」
「はぁ~。そんなんじゃ、一生告白出來ずに終わるわよ? それでも良いのね?」
「嫌だよ! 嫌だけど……」
「告白はしたい?」
「……うん」
「じゃあ、今からしなさい」
「えっ!?」
「良いからほらっ」
「わっ、ちょっ、ヒカリちゃん!?」
モモの慌てる聲が聞こえて、僕は考え事を中止した。
「どうしたの?」
「リュウさん、モモから話があるからちゃんと聞いてあげてね」
「ちょっ、ヒカリちゃん……!?」
「じゃあシアン、モモが話が有るらしいからシアンはヒカリとモンスターを倒してヒカリのレベル上げを頼む」
「キュ!!」
「よろしくね、シアン」
「キュキュ!」
そしてヒカリとシアンがモンスターを狩に行ったので、モモの話を聞くことにした。
「話って?」
「あ、あの……」
「うん」
「私、二年前に初めて會ったときからリュウさんの事が好きです! なので、け、結婚を前提に、お、お付き合いしてください!」
……えっ!? マジですか!? マジで仰ってますか!? 結婚を前提にってマジですか!? お、落ち著け、自分……。というか、そのの定義に數分後はってたっけ? いや待て、今はそんなことより返事を言わないと……!
「僕なんかで良ければずっと傍に居るよ」
これで良いかな? なんかちょっとキザっぽいかじがするけど、自分的には良いこと言えたじはする。
モモは、僕の言葉に目をパチクリさせた後、急に目から涙を流し出した。
「ほ、本當ですか? 私、リュウさんの傍に居ても良いんですか?」
「むしろ僕がモモみたいな可い子の傍に居て良いのか心配なんだけど」
「そ、そんなことないです! えっと、不束者ですが、これからもよろしくお願いします」
「あ、はい、こちらこそ」
そんなじで、僕に年下の可い彼が出來ました。
するとそこへ見計らったかのようなタイミングで、ヒカリとシアンが戻ってきた。
「話、終わったみたいね」
「キュキュ!!」
そしてシアンが、任務をやり遂げたといったじの鳴き聲を出しながら僕の肩に戻った。
「お疲れ、シアン。ヒカリはどのくらいレベルが上がった?」
そう聞くと、シアンが肩から降りて地面に足の指で24→46と書いた。お前、文字書けるのかよ! しかも足の指で書くとか、用すぎるだろ!
「告白は功したのね。良かったじゃない」
「うん! ヒカリちゃんが後押ししてくれたおだよ、ありがとう!」
「どういたしまして」
「そろそろ、マクロ達と合流しようか」
「はい!」
「そうね、そうしましょ」
「キュキュ!」
皆の意見が一致したので、マクロにチャットで『そろそろ合流しない?』と送るとすぐに返信が來て、『オッケー。じゃ、【英雄の臺地】のり口に集合ってことで』と有ったので『了解』と返信した。
「り口で集合だって」
「じゃあ、早く行きましょう!」
「はいはいモモ、告白功したのは分かったから落ち著いて」
ヒカリが言った通り、さっきからモモがテンションが上がってソワソワしている。喜ぶ気持ちは分かるけど、その原因が僕っていうのが、何とも言えない気持ちになる……。
それからモモを落ち著かせて、何時も通りを裝ってマクロ達と合流した。理由は、マクロに知られたら何を言われるか分かったもんじゃないからだ。でも、マクロにも一応彼が居るから、もしバレてもなんとかなる……はず……。
「おう、どうだった?」
「二人とも46まで上がった。そっちは?」
「それが……俺の力及ばずで、レベル上げ出來なかった……」
「あれ? マクロって、このゲームで一番強いんじゃなかったっけ?」
「だって、出てきたのが『コバルトスパイダー』だぞ? お前よく倒せたな、無理だろあれは! 攻撃速度速すぎで見えなかったぞ!?」
「ドンマイ。こっちはシアンのおで僕の出番無くて済んだよ」
「そいつ確か龍王ドラゴンキングだったよな? なら當然だろ、凄く強いし」
「キュキュ!!」
マクロがシアンを褒めると、肩に居るシアンが否定するような鳴き聲を出した後、僕の顔を翼で指した。
「何が言いたいんだ?」
「たぶん自分より僕の方が強いって言いたいんじゃないかな?」
「キュ!!」
その通りと言わんばかりの鳴き聲を出して首を縦に振った。いやいや、どう考えてもシアンの方が強いでしょ! レベル1でレベル以外の數値全部カンストしてるし、【英雄の臺地】のモンスターをもろともしないんだから。
「リュウ思いのドラゴンだな。それじゃあ俺、彼が待ってるから行くな」
「あっそう。じゃあ早く行け」
「言われなくてもそうするよ。じゃあまた今度」
「また今度」
マクロが去っていった後、ハヤトとフウキが近寄ってきてこんなことを聞いてきた。
「ところでリュウさん、モモさんとはどうなったんですか?」
「俺も気になる」
「……なんで知ってる?」
「班分けしたヒカリさんが、『モモがリュウさんの事好きだからこれはチャンスなのよ。だから、貴方達二人はマクロさんの方に行ってくれない?』って言ってきたので」
「そういうことか。それならモモを見たら分かるよ」
「ということは、付き合うんですか?」
「そうだけど?」
「良かったねモモさん。リュウさんなら絶対幸せにしてくれるよ」
「ハヤト君、ハードルを上げないでくれないかな?」
「上げてないですよ。これはリュウさんへの信頼です」
「あっそう……でも、あんまり変わらない気もするけど」
「そうだ! もうすぐ晝だからリュウさんの家に飯食べに行きましょうよ。お祝いを兼ねて」
「それただ僕の家に來たいだけじゃないの?」
「い、いえ、ち、ちちち、違いますよ!? お祝いと稱してリュウさんの家に行きたいだけとか、そんなんじゃ無いですからね?」
「ハヤト、それもう暴しちゃってるぞ!」
「あっ……」
「はぁ~。まあ良いけど、ばあちゃん達に迷掛けたら即刻追い出すから、覚悟しろよ?」
「はい、肝に銘じます……じゃあ早速、親に伝えに行きます!」
ハヤトが早々に気持ちを切り替えてそう言った後、即座にログアウトしていってしまった。その後、ヒカリとフウキがログアウトしていったのにモモはまだ殘っていた。そして僕の前まで來て止まった。
「どうしたの?」
「リュウさん、ちょっと中腰になってください」
よく分からないまま言われた通りに中腰になると、モモが素早くを合わせてきた後照れ臭そうに離した。
狀況がよく飲み込めないんだけど……。今モモがしたのって、あれだよね? 彼氏と彼がするあれだよね?
そんなじで頭の中が混している僕にモモがこう言ってきた。
「現実だと恥ずかしくて出來ないので今しておこうかと思って……嫌でしたか?」
「嫌ではないけど、急すぎて思考が追いついてない……」
僕がそう言うと、モモは苦笑いしてから、思い出したようにこう言ってきた。
「では私も告白が功した事を含めて親に報告しに行きますので、またリュウさんのお家で」
「うん、また後で」
そして、モモがログアウトしていった。じゃあ僕もログアウトするか。と思ったらシアンの事を忘れていた。
アイテム欄にれなくて良くなったけど、まだ巣を作ってないからどうしよう……。
「キュキュ?」
「あ、うん、僕もログアウトするよ? するけどシアンの巣を作ってないから、どうしようかと思って」
僕がそう言うと、シアンが肩から降りて地面にまた足の指で、『アイテム欄にる』と書いた。いやだから、お前は用すぎだよ! しかも、欄って難しい漢字まで書けるとか頭も良いのかよ! でも、シアンがそう言ってくれるなら、申し訳ないけどってもらうしかないよね。
「ごめんな、次はらなくても良いように巣を作っておくから」
「キュキュ!」
へっ、心配すんな。みたいな顔と鳴き聲を出したシアンに、本當に申し訳ないと思いながら、アイテム欄にれて僕もログアウトした。
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