《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》21.初めてのイベント後の打ち上げ
解散して僕達だけになった後、一度ギルドホームへ行くことになったのでギルドホームへ戻った。
「いやぁ、凄かったですよ、リュウさん」
「あんなに他のギルドの人達と一つくれたの初めてだったよな」
「あれはほとんど僕と知り合いだったからだと思うよ? さすがに『ヤマタノオロチ』を倒しただけで知らない人を上げするほどの一はつくれないでしょ」
「だったらリュウさんが知らなかった3つのギルドは參加しなかった筈ですけど、あの時參加してたってことはそれだけリュウさんが凄かったってことですよ」
「ああ!!」
「えっ、なに? どうした、ハヤト!?」
「もうリュウさんが『ヤマタノオロチ』を倒している畫が!」
なっ、なんだってぇ!? 誰だ、誰が畫をあげたんだ!
そう思ってハヤトに畫をあげた人が誰なのか聞くと、マクロだった。
またお前か……! っていうかマクロ、お前は僕にするなって言ってたよね!? 邪魔しないでほしそうにしてたよね!? なんで畫を撮ってんだよ! 諦めたのか!? 諦めちゃったのか!? いや、諦めたから畫を撮ったのはわかるよ、うん。僕が戦ってたもんね。
でもさ、そこは畫を撮らずに頑張ってしようよ。なんかこれ言ったら「だって、る余地無かったから」とか返されそうだけども。
「これでリュウさん、また一段と有名になりましたね」
「やっぱ、やるんじゃなかった……」
「良いじゃないですか。何が不満なんですか?」
「絡まれる回數が増えそうだし、いつもより街中歩いた時の視線も増えそうだし、悪いことずくめだよ! はぁ~……」
僕が落ち込んだその時、チャットがった。送り主は噂をすればなんとやら、マクロだった。
容は、『解散したけど、やっぱもう一回集まって打ち上げしないか?』ということだった。
ハヤト達に報告すると、全員一致で行くことになったので了承の旨を伝えると、『集合場所は、ノワールっていう店な。』と返ってきた。
ノワール? 聞いたことの無いお店だな。ハヤトに聞いてみると、興気味にこう答えた。
「ええ!? ノワール!? 本當にノワールなんですか!? ノワールは最近出來たんですけどこのゲームで一番料理が味しいお店で、しかも、唯一プレイヤーがやっているお店で、いつも満席でいつ食べられるかわからないくらい行列まで出來る、凄い店なんですよ!?」
「へぇ、そうなんだ。プレイヤーがやってるってことは、その店やってる人は現実でもお店やってるのかな。あ、でも、現実でやってたらゲームする時間無いか」
「そこはプライベートなところなのでわからないですけど、とにかく行きましょう!」
まだ聞きたいことはあったけど、興気味なハヤトが僕の手を引っ張ってギルドホームを飛び出してしまったので聞くことが出來なかった。
殘念ながらシアンとブランは巣にれていたので連れてくることが出來なかった。また行く機會が有ったら連れていくことにしよう。
そして、そんな僕とハヤトの跡を、フウキ、ヒカリ、モモの3人が走って追いかけてきた。
ノワールというお店に著くと、扉に『貸し切りに付き、他のお客様はご遠慮ください』というのが書かれたウィンドウっぽいものが表示されていた。
それを見たハヤトがさらに興した。
「か、貸し切りッ!? 行列の出來る店を貸し切りって、マクロさん半端ないですね!! さすがトッププレイヤーです!!」
どんだけこの店に思いれがあるんだ……。
「ハヤトって、この店にったことあるの?」
「無いですよ! 無いからマクロさんが凄いって言ってるんです!」
あぁ、なるほどね。ということは、僕と一緒で初來店ってことか。それなら、そんなに興するのもわかる。
それから、置いていかれていた他の3人が追いついたので、店の中へった。
店の中にると、外見はそうでもなかったけど、店の中の機の配置や店の雰囲気は見たことあるようなものだった。
マクロ達はというと、店の中央に機を固めて全員分の椅子を揃えて、既に席に著いていた。
僕達が最後だったらしく、知らないギルドの人達以外の全員が揃っていた。知り合いだけにしてくれたのか斷られたのかは分からないけど、とにかく店の中へった。
「おっ、主役のお出ましだ。リュウ、ここに座れ」
そう言ってマクロが薦めた席は、明らかに隣が無い、長方形の機の短い場所だった。反対側にはなく、完全に主役専用の場所だった。
渋々ながらその席へ著くと、ノワールの店長とおぼしきエプロンをしたエルフ姿のが廚房から出て來た。
「皆さん、今日はノワールへお越しいただき、ありがとうございます。私、店長のナナです。今日は目一杯、私の料理を食べていってください」
そう笑顔で挨拶をしたナナさんは、何故か僕に目配せをしてから廚房へ戻って行った。
不思議に思ったけど、それより僕は質問したいことがあったので、マクロに質問した。
「マクロ、ここの雰囲気どっかで見たことあるような気がするんだけど……」
「おっ、そこは気づいたのか」
「そこは、ってなに?」
「ここの店長、俺達以上にお前のことを一番よく知ってる人だぞ?」
「えっ? ……いやいや、まさか。あの人がこのゲームしてるとか考えられないんだけど……。というか、自分の店があるのになんでゲームの中でお店やってんの……?」
「あぁ、うん、リュウが言ってる人で合ってんだけど、そこは個人報だから俺は知らないよ」
そんなやり取りをマクロとしていると、ナナさんが料理を持ってやって來た。
「はい、リュウくんの大好きなオムライス、ケチャップ多めね」
「えっ、あ、ありがとうございます。あの、なんでゲームの中でお店やってるんですか? 叔母さん」
僕がそう言うと、マクロ達以外の人達が一斉に「叔母さん!?」とんだ。
「あら、わかっちゃった?」
「そりゃわかりますよ。僕の好みを知ってる人は數ですから。それより、なんでここに?」
「お母さんから、リュウくんがこのゲームで遊んでることを聞いて、中學の時以來食べに來てくれないから、このゲームでお店やってればいつかは來てくれるんじゃないかと思ってお店をやってたの」
お母さんというのは、ばあちゃんのことだ。叔母さんは母さんの妹で、今は確か24だった気がする。
母さんが僕を22で産んだ時、叔母さんは歳が離れていたので、まだ7歳だった。だから、僕にとって叔母さんは、年齢が近いから叔母さんと言うよりお姉さんだ。
それなのに何故、叔母さんと呼んでいるかと言うと、本人が叔母さんと呼んでほしいと言ったからだ。
「そうですか。すみません、最近はばあちゃんが朝飯から夕飯まで作ってくれるし、このゲームを始めたので行く時間が無かったです」
「良いのよ。お母さんの料理、味しいもんね」
「やっぱりそう思います?」
「そりゃお母さんの料理だもの、味しいに決まってるでしょ」
「そうですよね。それより、現実のお店は大丈夫なんですか?」
「えぇ、大丈夫よ。夫が馬車馬のように働いてるから」
お、叔父さん……可哀想……。現実の方もお店人気だから、馬車馬のように働いても足りないんじゃ……? そう思うと、そんなことを平然とさせる叔母さんが怖い……。
「まぁ、話はこのくらいにして今日はパァッとやりなさい。じゃんじゃん料理持ってくるからね」
そう言って叔母さんは廚房へ戻って行った。
叔母さんが戻って行った途端、ハヤトに質問された。
「ここの店長さん、本當にリュウさんの叔母さんなんですか?」
「そうだよ。僕からしたら歳が近いからお姉さんなんだけど、本人が叔母さんって呼んでほしいって言うから叔母さんって呼んでる」
僕は質問に答えてから、久々の叔母さんのオムライスを食べた。
懐かしい味……。最初に食べた時は家族3人で食べたんだっけ。母さんは食べてる間ずっと叔母さんの自慢ばかりで、父さんと僕は呆れ果てて一緒にため息ついてたな……。
懐かしい気持ちに浸っていると、マクロが心配そうにしながらこう聞いてきた。
「リュウ? 大丈夫か?」
「えっ?」
「涙出てんぞ?」
マクロにそう言われて漸く、自分が涙を流してることに気づいた。
「ごめん、ちょっと、昔の事を思い出してただけだから、大丈夫」
僕は急いで涙を拭った。ヤバい、僕のせいで場が暗い雰囲気に……! ど、どうしよう?
そう思っていると、マクロが話を変えてくれた。
「そういえば、まだ乾杯してなかったからしようぜ」
あっ、そう言えばそうじゃん。勝手に食べ始めちゃった……。
マクロがグラスを持って立ち上がったので、他の全員もグラスを持って立ち上がった。そして、マクロが挨拶ををした。
「『ヤマタノオロチ』討伐イベントお疲れさまでした! 乾杯~!」
『乾杯~!!』
そこからの皆は明るくなり、僕が『ヤマタノオロチ』を倒した時の事を話し出した。
「いやぁ本當にあれは凄かったよな! 全くきが見えなかった!」
「あんなきが出來たら、このゲームの攻略楽だろうな」
ヨシキとクロスさんがそう言うと、マクロがその人達にこう言った。
「そりゃそうだろ。リュウの回避のステータス5000だぞ?」
「5000!? なんでそんなに高いんだ!?」
「を持ってるからな」
「マジか!」
「しかも、テイムしたモンスターはどっちともレアだし」
「そうなんだよな。リュウの質上仕方ないと言えば仕方ないんだよな」
「レア? 質って?」
そう質問質問したのは、ソーキさんだった。そう言えば、ソーキさん達には言ってなかったな。
そして、その質問に答えたのはハヤトだった。
「に好かれる質なんです。ドラゴンの方が龍王ドラゴンキングで、『ヒーラーベア』の方が回復の王ヒーラークイーンですから」
「マジか! なんだよそれ、質でテイム出來るようなもんじゃねえだろ!」
「テイム出來たんだから認めざるを得ないだろ。2匹ともリュウを慕ってるから手ぇ出すなよ?」
それを言ってくれたのは、クロスさんだった。たぶん僕がテイムを手伝ったからだろう。
「出そうにもあんなに強いんだから出せねえよ!」
「そうだ、良いこと考えた!」
マクロが何かを思いついたのか、そんなことをんだ。それに皆が耳を傾ける。
「リュウに手を出させないように、俺達で“リュウを護り隊”を結しよう!」
「えっ? いやいや、そんなことしてもらわなくても……。それに、皆が賛するとは限らな……」
「それ、良いな。やろう」
一人賛同したが運の盡き、芋づる式に賛同していく皆。
全員の賛同を得たマクロが、こんなことを言ってきた。
「取り敢えず、そうだな……。リュウ、お前、今後一人で出歩くな」
「えっ?」
「必ず俺達の中の誰かと行しろ」
「そんな過保護にしてもらわなくても……」
「ダメだ! 今やリュウは俺達よりも有名になってる。俺達古參プレイヤーと居れば手出ししようとする奴は居ないはずだ。だから安心してプレイ出來るぞ」
「むしろ邪魔だ」とは言えないので、渋々ながらお願いをすると、ローテーション方式で代わる事になった。
しかも、ヨシキが僕とモモの関係を暴するものだから、知ってる人以外は驚きつつもだったらということで、モモが回ってくる回數を増やして、殘りの人達はジャンケンで勝った人から僕と行することになった。
その話が終わってからは皆、ワイワイガヤガヤと話をしながら食事を楽しんだ。
食事が終わると解散になり、皆が去っていった後、僕は叔母さんと話がしたかったのでお店に殘った。
「叔母さん、今度必ず夏休みのどこかでお店に行くので待っててください」
「わかったわ。待ってる。彼と一緒にいらっしゃい」
そう、凄く不適な笑みで言われた。
「うっ……はい……。でもたぶん、夏休みなので、他に3人も連れていくことになると思います」
「リュウくんが助けたっていう男の子と、その友達?」
「はい、そうです。夏休み中ずっと家に泊まるって事になってるので絶対一緒に行くことになると思います」
「わかったわ、5名様で予約け付けました。何時でもいらっしゃい」
「はい、ありがとうございます」
そこで話を終えようと思っていたら、叔母さんが質問してきた。
「ところで、リュウくん。お母さんの家での生活には慣れた?」
「慣れたっていうか、自分の家だと思ってるのでそう苦労はしてないです。二人とも優しくしてくれますし」
「まぁあの二人は、リュウくんが姉さんとお義兄さんの形見だと思ってるから、し過保護過ぎるところも有るから心配だったんだけど、今のリュウくんのじなら心配は要らないわね」
「心配してくれてありがとうございます。二人とも、今の僕にとっては親同然ですから」
「そう。なら、私は?」
「歳が近いから、お姉さんですかね?」
「やっぱりかぁ~。そこは叔母さんでしょ~」
そう言いながらしため息をつく叔母さん。分かってたんなら聞かなきゃ良かったのに……。
その後は、他ない話を幾つかして店を出た。店を出ると、律儀にハヤト達が待ってくれていた。
「先に帰ってても良かったんだよ?」
「さっき決まったでしょ? 一人で出歩かないって」
「あぁ、そうだったね……」
「店長さんと何の話をしてたんですか?」
「夏休みのどこかで必ず現実のお店に行くって言ったよ」
僕がそう言うと、全員が自分は? みたいな目で見てくるので、僕はしため息をついてから言った。
「もちろん、ハヤト達も一緒にって言っておいたよ」
それを聞いたハヤト達は「やったー!」とばかりにはしゃいだ。
それから僕達は、一旦、ギルドホームへ戻ってログアウトすることになり、ギルドホームへ戻ると皆ログアウトしていったので僕もログアウトした。
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